活用型「話すこと・聞くこと」ステップワーク 中学年

活用型「話すこと・聞くこと」ステップワーク 中学年

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音声言語学習がこれ1冊! 習得⇔活用を保障するワーク集

活用型「話すこと・聞くこと」ステップワーク・中学年のねらいを説き、活用型「話すこと・聞くこと」単元前習得ワーク、スピーチワーク、プレゼンワーク、話し合い・対話ワークなどの事例集、さらに「話すこと・聞くこと」の資料集を巻末に収録し活用を図った。


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ISBN:
978-4-18-384818-5
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 180頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

序章 「活用型スキル」は「生きる力」を育む言語行動力である
――日本人形成の教育理念に基づく「活用型国語力」の習得法―― /瀬川 榮志
まえがき /山本 直子
T 活用型「話すこと・聞くこと」ステップワークにおける「活用型学習」
一 新たな到達点はあるか
二 「習得型」「探究型」学習は、それ自体が目的ではない
三 活用型学習も、目的を達成するための「活動」であり、それ自体が目的ではない
四 本稿における「活用型」学習の定義
U 活用型「話すこと・聞くこと」ステップワークの学習内容・系統表・構成
一 これまでの学習の中に、「活用」の視点をどのように位置付けるか
二 「活用する力」を伸ばす三つの視点
(1) 「活用」の学習を成り立たせるために「習得」内容を明確にし、指導する
(2) 「活用」が、どのような思考力・判断力・表現力・人間像につながっているかを意識する
(3) 「学習に浸る」活動と「学習を眺める」活動を
三 新学習指導要領の目標と本ステップワークの関連
四 学習活動の進め方と留意点
V 活用型「話すこと・聞くこと」単元前習得ワーク
1 一分間スピーチをしよう@
2 一分間スピーチをしようA
3 しつ問をしよう
4 「あいうえお」で笑ってみよう
5 何が出るかなトークをしよう
6 クイズ大会をしよう
7 声を出そう
8 意味を考えながら声を出そう
9 インタビューをしよう
10 「理由」と「根きょ」のちがいって何?
11 話の中心は何だろう?
上手な聞き手になろう
W 活用型「話すこと・聞くこと」スピーチワーク
聞いてください! 私の得意なこと
こちらおなやみ相談事務所
私はニュースキャスター
三十年後の私です!
上手な話し手になろう
X 活用型「話すこと・聞くこと」プレゼンワーク
この宝物にはこんなドラマが……
お気に入りの絵本をしょうかいします
ポスターセッションをしよう
ぼく・私の、学校・地いき自まん
身近な人に漢字をおくろう!
Y 活用型「話すこと・聞くこと」話し合い・討論ワーク
グループの考えを一つにまとめよう
グループで、さまざまな意見を出し合おう
学級会で話し合おう
討論会をしよう
Z 活用型「話すこと・聞くこと」資料集
ふりかえりカード(スピーチ/プレゼン/話し合い/自由)
記録カード
学習計画表
あとがき /山本 直子

まえがき

 大人になってからずいぶん長い年月がたつのに、この年になっても、毎日何かしらの発見がある。最近の大きな発見は「私は叱られ好きかもしれない」ということであった。

 私はこれまで、叱られることに対して過剰なまでの拒否感を持っていた。幼い頃から「叱られる」ということは、他人の感情の爆発に否応無く巻き込まれるということを意味した。そのためか、感情を伴う攻撃を何よりも怖れ、それを回避するためにいつも先手を打って良い子を演じる羽目になった。それは大人になっても変わらず、私はこっぴどく叱られるという体験の無いまま、誰とでも仲良くする五十歳に育った。

 ところが先日、ちょっとした出来事が起こった。三日後に発表を控えたプロジェクトのまとめがうまくいかない。上司に相談したところ、一喝された。

 「見通しが甘い。そんなことは分かっていたことじゃないか。なぜそんなことが分からなかったのか」

 確かに思い返してみると、見通しが甘かった。何度も修正すべきチャンスもタイミングもあった。でもできなかった。さまざまな理由が私の脳裏を行き来した。けれども、私の心に浮かび上がってきたのは、その場を取り繕う言い訳ではなく、納得と緊張の混ざった温かい感情の高まりだった。なぜか小さな子どものように大声を上げて泣きたくなった。上司は、その後の段取りと相手との交渉方法を冷静にアドバイスしてくれ、私は全力で三日間を突っ走った。

 その時は夢中だったが、あとで思い返してみると、「叱られるという体験」は決して悪くないと感じるようになっていた。冷静にビシッと叱られるということも、初めての体験であった。大抵の人が十代や二十代で体験するのであろうことを、五十になって体験するということは恥ずかしいことのように思われたが、今の私だからこそ出会えた、神様が約束してくれたタイミングであると思えた。これまでグラグラしていた自分の土台のようなものが、確かにしっかりと自分を支えてくれるような実感を持つことができるようにもなっていた。

 そうは言っても、今でも感情的な爆発の場に遭遇すると相変わらず逃げ出したくなる。ただ時折、その叱られた時のことが懐かしく思い出され、「私って叱られ好きかも?」などと思う自分に困惑もする。

 コミュニケーションは、奥深い。「叱られる」という小さなことでさえ、平気な人もいれば、五十になってようやく乗り越える者もいる。一人ひとり、いくつになっても育ち、発見がある。だからこそ、表面的なコミュニケーション能力をただ高めようとは考えたくない。決して方法論にはしたくない。そう考え、本ワークを作成してきた。活用していただければ幸いである。


   /山本 直子

著者紹介

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中京女子大学名誉教授 全国小学校国語教育研究会名誉顧問

東京創造国語研究会名誉会長 全国創造国語研究会名誉会長

全国国語科教育研究所長 21世紀の国語教育を創る会代表 全日本言語教育学会名誉会長 全日本国語教育立国推進本部顧問 全国小学校国語研究所名誉所長

 東洋大学国文学科卒業。鹿児島県・埼玉県・東京都の公立学校教諭を経て、青梅市教育委員会指導主事〜東京都教育委員会指導主事として12年。墨田区〜中野区の校長として10年勤務。

 その間、文部省教育課程教科等特別委員・教育課程調査研究協力者並びに副委員長、学習指導要領並びに指導書作成委員、文化庁学年漢字配当調査研究委員、NHK学校放送教育番組企画委員等を歴任。公立学校定年退職後中京女子大学教授として17年間勤務。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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