“やらせっぱなし”でも“隠れ強制”でもない
自主学習 THE REAL

“やらせっぱなし”でも“隠れ強制”でもない自主学習 THE REAL

新刊

本物の独習に、派手さはいらない。

できる子だけやる「やらせっぱなし」だったり、あの手この手で子どもをつなぎとめる「隠れ強制」だったり、「自主」とは名ばかりの取組が実は多い自主学習。そんな実践とは一線を劃し、子どもをリアルな「独習」レベルに誘う、質実剛健の取組を一年間の流れで紹介。


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ISBN:
978-4-18-377419-4
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 176頁
状態:
在庫あり
出荷:
2020年4月10日
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もくじ

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はじめに
第0章 自主学習を始める前に考えたい7つの問い
なぜ自主学習に取り組むのか
なぜ自主学習が息切れするのか
なぜ子どもたちは渋々自主学習に取り組むのか
自主学習の「形式」にとらわれていないか
自主学習に「アイデア」「センス」は必要か
自主学習に「必要感」があるか
学級経営のポイントが押さえられているか
第1章 1学期 一年間無理なく続けるための「足場」を固める
子どもに事前アンケートをとる
何のための自主学習なのかを考えさせる
教師の思いを語る
いきなりトップギアに入れない
「これなら私にもできる!」を大切にする
「ちょっと」を「しっかり」の意識で取り組ませる
はじめは学校で取り組ませる
基本の構成を決める
学習にかかった時間を記録させる
定期的な「振り返り」で成長を実感させる
慣れてきたら、「びっしり埋める」感覚を身につけさせる
軌道に乗ってきてから評価をする
「お楽しみ」的な要素を取り入れる
教科学習の底上げを図る
独習の方法を身につけていくための情報を与える
状況に応じて個に応じた指導を行う
第2章 2学期 それぞれの「もう一歩先」を目指す
0からのスタートと覚悟してやり直す
指導のやり直しは2学期スタート3日以内で行う
できる子、やりたい子から先に進ませる
新たな評価段階を開放する
「すごいレベル」のノートを見せる
子ども同士で改善のためのアドバイスをさせる
子どもたちに自身の変容に気づかせる
アイデア週間を設ける
授業と自主学習を連動させる
第3章 3学期 本物の「独習」の世界に踏み込む
PDCAサイクルを自分で回せるようにする
自分で評価項目をつくらせる
「守」を生かしながら「破」を模索させる
次学年の予習を奨励する
成長を喜び合うイベントをしかける
おわりに

はじめに

 こんにちは、須永吉信です。

 本書は「自主学習」に焦点を当てた、いわゆる「実践本」ですが、「『A』したら『B』になった」というような、単なる「報告(自己満足?)本」ではありません。

 「なぜ自主学習に取り組むのか」といった原理的な問いから、「どうして自主学習がうまくいかないのか」といった根源的な問題まで、できる限り「なぜ」「どうして」のところまで掘り下げて書きました。

 それは、読者の先生方に、「今の自分は何がしたいのか」「そのためには何が必要なのか」といった具体的な行動の指針を得ていただきたいからです。

 もしかしたら、本書の内容はまったく自主学習指導の経験がない先生にとって、少しハードルが高いかもしれません。または、本書の通りに指導しても、同じような結果は得られないかもしれません。

 もちろん、だれにでも一から指導していけるよう書いたつもりですが、同じ人間が指導するのではないのですから、これは仕方がないことです。

 ただし、壁にぶつかったときに、確固たる行動の指針をもっていれば、迷うことなく、歩みを止めることなく進んでいけます。

 かく言う私も、自主学習の指導で悩んだ1人です。

 いいえ、自主学習はおろか、学級経営のイロハも知らないような教師でした。同期と会っては皆の活躍ぶりに肩を落とし、肩身の狭い思いをしてきたことをよく思い出します。

 才能もない、経験もない、能力もない…、ないないづくしの私にできることは、「実行」のみでした。

 実行し、反省し、改善する。ただそれだけを愚直に繰り返す。

 その10年間の蓄積が本書です。


 改めて正直に書きますが、本書は、読んで実践したからといって、すぐに身になるような内容ばかりではありません。

 今の教育界には「○○ですぐにできるようになる」「○○で解決」といったキャッチフレーズが満ち溢れています。それらの真偽のほどはわかりませんが、技術の習得は本来即席ラーメンのようにはいきません。

 むしろ、本物の技術を身につけようとすれば、「できない、うまくいかない」という壁に何度もぶち当たるのが普通です。

 大切なのはそのたびに「考える」ことです。

 本書は10年間の実践のまとめなので、たくさんのことが集約されていますが、それらをどう生かし、どう選び、どう使うかを「考える」こともまた、読者の先生方ご自身に託されています。


 自主学習について、忘れもしないエピソードがあります。

 ある学校で、何度目かの6年生を担任したときのことです。

 展示してある自主学習ノートを過去の6年生の保護者が見る機会がありました。

 保護者の方々はノートを見て、

 「私たちの代(卒業生)よりも見違えるほど成長していますね」

と驚かれ、

 「先生の教え方も磨きがかかっていますね。ノートを見ればすぐにわかりますよ」

 何気ないひと言でしたが、私には忘れられない言葉となりました。

 技術を磨くことで、私たち教師もまた成長するのです。

 私自身、本書をまとめながら「ここは最近できていないな…」「これとこれを組み合わせればもっとよくなるかもしれない…」といった新しい気づきをたくさん得ました。

 ですから、本書を通じて、「ここはこうした方がよい」「もっとこう工夫するべきだ」とアイデアや工夫を凝らし、アレンジしていただけたら、これ以上にない喜びです。

 本書は決して完成品ではありません。ぜひ、読者の先生方の手でよりよい作品に仕上げてくださればと思います。


 教育とは流れる水の上に文字を書くような儚いものだ。

 だが、それを岩壁に刻み込むような真剣さで取り組まなくてはいけない。森 信三


 本書を通じて、自主学習を実践するためのささやかなお手伝いができたら幸せです。


  2020年3月   /須永 吉信

著者紹介

須永 吉信(すなが よしのぶ)著書を検索»

1986年生まれ。群馬大学教育学部卒業。

栃木県・小山市立寒川小学校勤務。おやま教育サークル代表。「授業道場野口塾」青年塾生。山中伸之氏に師事。

サークルの理念「良いものは良い 良いものは続く 良いものはいつか受け入れられる」をモットーに、日々授業や学級経営に励んでいる。研究分野は国語教育、道徳教育、学級経営など。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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