- はじめに
- 第1章 小学校 特別支援学級担任の基本の仕事ポイント
- 01 見通しをつくる=安心と信頼の基盤を築く
- 02 「できるが8割,ちょっと挑戦が2割」でいく
- 03 ひとり時間とみんな時間をうまく行き来する
- 04 毎日予定が変わる現場で,子どもと自分を守る
- 第2章 小学校 特別支援学級担任の子どもを伸ばすスキル60
- 学級づくり 仲間づくりや教室環境整備
- 01 初対面で信頼を築くスキル 子どもの小さな行動を見逃さず,ほめる
- 02 1日をスムーズに始めるスキル 朝の基本スキルを根づかせる
- 03 1日を安心して過ごせるようにするスキル 1日・1時間の流れを見える化する
- 04 子どもの様子に合わせた活動を行うスキル 小集団と個別を柔軟に切り替える
- 05 子どもの主体性を育むスキル 子どもに役割を与える
- 06 気持ちの切り替えを促すスキル クールダウンの場所とリラックスタイムを設定する
- 07 子どもが動きやすい教室にするスキル 教室動線と物の配置を考える
- 08 子どもが自分で動ける教室にするスキル 掲示・サインは少なく大きく分かりやすくする
- 09 緊急時に子どもを守るスキル 安全を優先,待つ姿勢で寄り添う
- 10 仲間づくりのスキル 毎日ちょっとつながる活動を積み重ねる
- 11 異学年交流のスキル 多様な学び合いの場をつくる
- 12 交流及び共同学習をうまく進めるスキル@ 予定変更は日常の一部と捉える
- 13 交流及び共同学習をうまく進めるスキルA 部分参加・途中退出OK,基準を決めておく
- 14 校内で情報を共有するスキル 朝の打ち合わせとシンプル&見える化に努める
- 15 課題を成長へつなぐスキル トラブル後は,子どもと振り返る
- 16 学級目標を活用するスキル 短く分かりやすい目標を日々,積み重ねる
- 17 1年間を見通すスキル 年間行事を子どもと確認する
- 18 子どもの学級への所属感を高めるスキル 教室を子どもと一緒に整える
- 学びの「道しるべ」 授業づくりと評価
- 19 教育の方向性を理解するスキル 学習指導要領を「道しるべ」に考える
- 20 授業計画を立てるスキル 行事をもとに単元・週・日案をつなぐ
- 21 集中できる授業をつくるスキル 15分モジュールメソッドで授業を区切る
- 22 異学年で学ぶ授業をつくるスキル 共通課題と個別課題を設定する
- 23 国語で子どもを伸ばすスキル 「話す・聞く・読む・書く」の前段階を大切に育てる
- 24 算数で子どもを伸ばすスキル 体験から数の理解へ導く
- 25 生活科で子どもを伸ばすスキル 身近な体験を学習に生かす
- 26 道徳で子どもを伸ばすスキル 生活場面から考える力を育てる
- 27 音楽・図工・体育で子どもを伸ばすスキル 表現と体験で自信を育てる
- 28 つまずきを取り戻すスキル できる部分を認めながら学び直す
- 29 自立活動@ 健康の保持の指導スキル 健康管理を日常に取り入れる
- 30 自立活動A 心理的な安定の指導スキル 自分なりの落ち着く方法を見つけていく
- 31 自立活動B 人間関係の形成の指導スキル 実生活のさまざまな場面で人との関わり方を磨く
- 32 自立活動C 環境の把握の指導スキル 安全に生活する力を育てる
- 33 自立活動D 身体の動きの指導スキル 運動や作業の基礎を整える
- 34 自立活動E コミュニケーションの指導スキル 自分の思いを伝える手段を広げる
- 35 交流及び共同学習を設計するスキル 「目標設定→役割づくり→振り返り」の流れを意識する
- 36 個別の指導計画を作成するスキル 長期→短期→週案の流れで具体化する
- 37 学習指導案を書くスキル シンプルに,一言で,を意識する
- 38 良い通知表を書くスキル@ 毎日の記録を評価の材料にする
- 39 良い通知表を書くスキルA 肯定・短文・具体を心がける
- チームで支える 保護者・同僚との連携や教師自身のケア
- 40 保護者と信頼関係を築くスキル 最初の出会いを重視する
- 41 毎日,連絡帳を書くスキル 「短く・前向きに」テンプレを活用する
- 42 面談・電話を円滑に進めるスキル 安心→事実→提案の流れをつくる
- 43 苦情・要望に対応するスキル 受け止めて次へとつなぐ
- 44 タイプ別・保護者への関わりスキル 相手に合わせた対応をする
- 45 通常の学級担任と役割分担するスキル 共に子どもの幸せを願い,支える
- 46 支援員・補助員と協働するスキル 日頃から役割分担をする
- 47 特別支援教育コーディネーターと連携するスキル ハブとなって周囲を巻き込む
- 48 交流先の学級担任と連携するスキル 情報共有で安心して送り出す
- 49 校内で孤立しないためのスキル 情報共有・発信でつながり,信頼を得る
- 50 外部機関と連携するスキル 子どもを中心に,ゆるやかにつながる
- 51 学校全体へ理解を広げるスキル 支援を共有し,仕組み化する
- 52 ICTを活用するスキル デジタルで効率と理解を高める
- 53 時間を管理するスキル 短時間でも区切って仕事を整える
- 54 書類・資料を短時間で作成するスキル 雛形・定型句・3行ルールを活用する
- 55 気持ちを回復させるスキル 休んで心を整える
- 56 自身をケアするスキル 休む勇気と休める仕組みをもつ
- 57 教師として成長するスキル 学び続け,つながり続ける
- 58 自身のキャリアを描くスキル 自分の人生を前向きに考える
- 59 学校内外で居場所をつくるスキル 気軽な会話を力に変える
- 60 先生も子どもも笑顔でいるためのスキル 応援のメッセージ
- 参考文献
はじめに
特別支援学級の教室に立つ時,胸の中に緊張を抱えている先生は多いのではないでしょうか。子どもたちがどんな表情で登校してくるか,今日は落ち着いて学習に入れるのか,それとも予想外のトラブルが起きるのか――。そんなことを考えながら一日が始まるのは,決してあなただけではありません。
実際,私も初めて特別支援学級を担任した時は,毎日が試行錯誤の連続でした。計画通りに授業が進まないのは当たり前。子ども同士の関わりにハラハラしたり,保護者からの要望に戸惑ったりしながら,「これでいいのかな」と自問自答していたのを覚えています。
私は現在,特別支援学級担任の先生方のコーチングを行っています。そこに寄せられるご相談は多岐にわたりますが,特に深刻で繰り返し語られるのは,大きく分けて3つのしんどさです。
先生たちの3つのしんどさと本書のねらい
1つ目は,先生自身の自己犠牲です。「自分がやらなければ」と抱え込み,疲れ果ててしまう先生は少なくありません。休むことに罪悪感を抱き,無理を重ねるうちに心身を壊してしまうケースも見てきました。短い休息や周囲に頼る工夫が,実は大きな意味をもつのです。
2つ目は,子どもの実態の多様さです。同じ教室にいても,文字が書ける子とまだ鉛筆を持てない子が並び,集中できる時間も数分単位で違うことがあります。「一斉授業ができない」「そもそも学習に入れない子がいる」という悩みは,担任にとって日常的です。小さなグループ分けや15分ごとの区切りなど,工夫が求められます。
3つ目は,保護者や同僚との連携の難しさです。生活リズムや学習習慣は家庭の協力なしには改善できません。しかし保護者の中には支援が必要な立場にある方もいて,学校の思いを十分に理解してもらえないことがあります。また,校内の同僚や管理職との温度差に悩む声も多く,「孤立している」と感じる担任も少なくありません。
こうした3つのしんどさに直面する先生方に向けて,本書は「明日からできる具体的な工夫」と「先生自身を守る視点」をまとめました。
第1章では,特別支援学級で大切にしたい4つの基本姿勢を扱います。第2章では,授業や評価,自立活動に関する具体的なスキルを紹介します。国語や算数の基礎的な支援から,交流及び共同学習の設計,個別の指導計画や記録・通知表の工夫まで,実践に直結する内容を集めました。相談の仕方や気持ちのリカバリーなど,長く続けられる働き方を一緒に考えます。
読者の先生へ
特別支援学級の担任は,子どもの成長を間近で感じられる一方,とても孤独で責任の重い立場でもあります。だからこそ,「一人で抱え込まなくてもいい」「小さな工夫が支援になる」と知ってほしいのです。
この本は,すべてを完璧にこなすためのマニュアルではありません。むしろ,「ここまでできれば十分」「一歩進めばそれでいい」と肩の力を抜けるようなヒントを集めました。
先生が安心して子どもと向き合えること。それが結果的に子どもの安心と成長につながります。どうかページをめくりながら,「これは試してみよう」と思えることを一つでも見つけていただければ幸いです。
著者 /安藤 あきこ(ぷーた)
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明治図書














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初めてでもできる!大丈夫!工夫と支援](/db/book/376223/cover.jpg)


