やさしさ最強論
すべてを包み込む新時代の学級経営

やさしさ最強論すべてを包み込む新時代の学級経営

新刊

「やさしさ」を選んでみませんか?

多様な価値観に囲まれている教育現場の今。そんな中で、学級経営の軸を「やさしさ」にしたら、どんな複雑な状況でも道が見えてきた。何年も担任をしてきた筆者が最後にたどり着いた結論として、やさしさを頂点とした新しい学級経営の手法を公開します。


紙版価格: 2,420円(税込)

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電子版予価: 2,178円(税込)

3/4刊行予定

ISBN:
978-4-18-371837-2
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 224頁
状態:
在庫あり
出荷:
2026年2月10日

Contents

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 やさしさは最強の学級経営力
1 やさしさを頂点に置く
やさしさは最強だ
やさしさをものさしにするシンプルさ
先頭を譲ると気分がいい
「やっつけたい気持ち」が分かれ道
「やったー」の裏には「やだー」がある
教室は社会へつながる縮図
やさしさは性格ではなく覚悟
やさしさは最強
2 やさしさの反対概念
「やさしい先生」は甘い先生?
「一緒に考えるよ」というスタンスで
やさしさの反対は「意地悪」
正しさよりやさしさ
やさしさは覚悟
3 やさしさが知恵や力を導く
まずは大前提:知恵や力って中立なんです
知恵や力が刃物になるとき
教室の中の「権力」について
やさしさで救えた場面
教室の外に目を向けてみると……
最後に:やさしさは道しるべ
4 やさしさが織りなす学級文化
やさしさの包容力
やさしさを基準にした声かけ
やさしさの多面性と「そうあろう」とすること
自己肯定感の循環
ささやかなハッピー
5 ご機嫌と自然体をつくるもの
やさしさ最強、もう一度
なんとなくご機嫌の教室
自然体は結果
やさしさは文化になる
社会につながる「なんとなく」
未来に向けて
第2章 やさしさで紡ぐ教室
第1部 人間として、教師として
1 「黄金の三日間」にダウト!
三日間で完璧にしようとした私
三日で学級が決まるわけないだろう!
先生も人間でいい
インスタントではなく煮込み料理
ダウト!と叫んでよかった
2 ルールのない教室
ルールとは?
ルールよりマナー
先生の行為が変わる
子どもの許容範囲が広がる
「やさしさ」と「マナー」で秩序をつくり出す
3 「子どもの自治」にダウト!
「子どもの自治」は難しい……
そうは言っても子どもって……
担任が責任を放棄してはいけない
「疑似自治」をデザインする
「ダウト!」とつぶやきながらも
4 先生の弱みはしっかり見せる
子どもと離ればなれにならないように
得意なこと
苦手なこと
教師だってカンペキではない
5 教師が進んで高笑い
威厳よりも笑い声を
先生の失敗は学級の宝
笑いと真剣さの線引き
真剣な場面でも「先生のせい」
高笑いが文化をつくる
笑いは安心のサイン
6 仕事は笑って引き受ける
頼まれ事に湧くネガティブ感情
できるかできないかを冷静に判断する
笑って引き受けると人は集まる
子どもと先生へのメッセージ
仕事が楽しくなる
7 モヤッと始める
教師の「気合入れ」が空回りする瞬間
教師が意味を先回りしすぎるリスク
モヤッと始めると気づきが生まれる
教師の役割は「前説」ではなく「仕掛け」
見栄えの悪さを引き受ける覚悟
「モヤッと」を受け入れる勇気
第2部 信頼が、教室を動かす
8 「一事が万事」で信じる力
「一事が万事」で決めつけない
「一事が万事」で叱らない
「一事が万事」で信じる力
「一事が万事」で信じる教師
9 このクラスに、そんな人はいません!
子どもはすぐに「悪意」と捉えたがる
信じると決める覚悟
誤解をほどくのは先生の役目
失敗を笑い飛ばす空気感
保護者会でも「いません!」と宣言する
「そんな人はいません」
10 子どものせいか、家庭の事情か
忘れ物や遅刻の裏側
態度や言葉に出るとき
宿題も家庭の事情を考慮して出す
想像力が関係をつくる
自分?子ども?家庭?
11 髪型の変化には敏感に
担任兼ヘアスタイリスト
小さな変化に気づくアンテナ
声に宿る心を聴く
アンテナは常に「強」、その翻訳センス
人を大切に思うサイン
12 子ども同士の注意は禁止
「子ども同士の注意は禁止」の理由
正しい人が悪者になる
授業中の「は〜?」「えっ!」も禁止
注意は先生の仕事
13 正論は子どもを傷つける
正論が残すのは「勝敗」だけ
子どもの言い訳を潰さない
論破という言葉の意地悪さ
正論より信頼を
14 「おどし」になってない?
口から出るのは「指導」?それとも「おどし」?
気をつけていても出てしまう「おどし」
子どもの受け取り方
つくり出したい教室の雰囲気
15 「行き当たりばったり」と「臨機応変」は同じ意味
「行き当たりばったり」宣言?
「行き当たりばったり」が生む臨機応変力
軽やかさの奥にあるしなやかさ
16 理屈より感情で
正論では子どもは動かない
ルールより気持ち
「見ているよ」と伝える感情のサイン
17 「何でも言っていい関係」なんてない
「何でも言える関係性」って?
学校は「安心を深掘りする場所」
教師は「安心を支える人」
小さな気遣いを積み重ねる
気を遣い合うからこそ
第3部 幸福を、共に創る
18 ねらって「ひいき」、全員「ひいき」
「ひいき」宣言
その子の得意分野を見極める
「ひいき」するタイミングは難しい
「クラス旗」制作のエピソード
19 リーダーを固定しない
脱!「エース」が引っ張るクラス
リーダーという名の「係」をつくる
「本当のリーダー」は「名誉職」とする
20 小さなことでもすぐ電話
学校からの電話って、落ち着きませんよね
「見ていたよ」を伝える一本の電話
電話一本が生む笑顔の連鎖
全員に電話!「担任の宝探し週間」
よさを探すアンテナが鍛えられる
悪い報告のときも「子どもを守る盾」に
「いいところ探しの名人」へ
21 他の先生の言葉で子どもを伸ばす
担任の言葉
「外からの目」がつくる誇り
特別な瞬間をクラスの財産にする
マメに伝えることが承認の循環を生む
22 習い事をクラスの力に
習い事は「武器」になるけれど
あえて最初は活躍させない
活躍させない理由をきちんと伝える
ここぞ!でクラスのために大活躍
23 こっそり呼んで大いに褒める
「呼ばれる=叱られる」とは限らない
こっそり届く、心への直球メッセージ
秘密ミッションを頼まれる快感
「見ているよ」のシグナル集め
4:6のリアル
24 スペシャリストを見つける
居場所は「役割」から生まれる
特技をクラス全体の強みに
普段の見取りこそが財産
担任の独断は子どもを救う
一人の特技をクラスの力に
25 くじ引きができる幸せ
くじ引きが成立する学級とは
誰とでも活動できる関係性
担任が決めるときの責任
安心感を支えるもの
くじ引きができる幸せ

はじめに

 筑波大学附属小学校への赴任が決まったとき、当時お世話になっていた校長先生から、「どんなに研究が大変になっても、子どもから離れなければ大丈夫」と声をかけていただきました。音楽専科になるときには「笠原先生は、担任でこそ力を発揮するんだけどなぁ」というお言葉をいただきました。どちらも、私の教師人生に深く残る言葉です。

 教育現場は今、多様な価値観に囲まれています。子ども一人ひとりの背景も各家庭の思いも違い、担任という仕事は年々難しさを増しています。だからこそ、その違いを包み込んで教室をつくりあげることには、大きなやりがいを感じています。そして、そんな子どもたちとつながる担任業は、やっぱり幸せな仕事だと思うのです。

 本書は、担任としての試行錯誤を重ねる中で私がたどり着いた答え、「やさしさこそ最強の学級経営力だ」という思いをまとめたものです。ただし、ここに書かれていることが「唯一の正解」だとは思いません。むしろ、長い歴史の中で培われてきた学級経営の常識に、いくつかのアンチテーゼを唱えています。声を荒らげない、ルールを減らす、子ども同士の注意を禁じる…… そんなやり方は、従来の定説からすれば「うまくいくわけがない」と思われるかもしれません。けれども実際に試してみると、やさしさを軸にした教室は想像以上に豊かに動き出します。

 本書の総論5本では学級経営の哲学を、各論25本では実際のエピソードを紹介しました。小さな工夫とやさしさが重なるとき、教室は驚くほど変わります。忙しい日々の中で「やさしさを選んでみよう」と感じてもらえたら、これ以上の喜びはありません。

 明日も子どもたちがやってきます。クラスのドアを開ければ、きっと今日も騒がしく、予定通りには進まないでしょう。……まあ、黒板の前でいちばんバタバタしているのは私なんですけどね(笑)。

 でもそれでいいのです。思い通りにならない毎日こそ、担任の醍醐味。

 そこでまた、私は「やさしさ最強論」を試していこうと思います。


  二〇二六年二月   /笠原 壮史

著者紹介

笠原 壮史(かさはら そうし)著書を検索»

筑波大学附属小学校教諭。国立音楽大学声楽学科卒業後、イタリアへ留学し現地でオペラデビューを果たす。6年間の歌手活動ののち帰国。2008年に新潟市公立小学校教諭として採用される。新潟市立味方小学校、新潟大学附属小学校勤務を経て現在に至る。小学校における歌唱教育の在り方を主な研究領域とし、子どもが歌うという行為そのものの素晴らしさを体験できる授業を目指して実践を重ねている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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