100万人が受けたい! 見方・考え方を鍛える「中学公民」 大人もハマる授業ネタ

100万人が受けたい! 見方・考え方を鍛える「中学公民」 大人もハマる授業ネタ

新刊

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見方・考え方が楽しく身につく!河原流オモシロ公民授業ネタ

100万人が受けたい!「社会科授業の達人」河原和之先生の最新公民授業ネタ。「日本銀行は校長先生?」「スマホから見えるこんな世界」など、「現代社会の見方・考え方」を鍛える斬新な切り口の教材を豊富に収録。子ども熱中間違いなしの魅力的な授業モデル集。


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ISBN:
978-4-18-371411-4
ジャンル:
社会
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 152頁
状態:
在庫あり
出荷:
2019年7月24日
新学習指導要領解説書籍
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 100万人が受けたい!現代社会の見方・考え方を鍛える授業のポイント
第2章 現代社会の見方・考え方を鍛える「私たちと現代社会」大人もハマる授業ネタ
1 効率と公正 東京の大学定員増禁止
2 AI社会 AIは便利か? それとも脅威か?
3 AI社会 東京オリンピック・パラリンピックとAI
4 現代社会の特色 高所得層は1%! アメリカで格差が広がるワケ
第3章 現代社会の見方・考え方を鍛える「私たちと政治」大人もハマる授業ネタ
1 立憲主義 憲法と結婚は似てる??
2 平等権 女性の校長先生は……
3 平等権 障がい者と健常者の境目とは何か?
4 平等権 観客のいないサッカーの試合
5 自由権 お隣さんの薬局
6 参政権 女性選挙権から見える世界
7 三権分立 国会の議長はなぜ給料が高いのか?
8 三権分立 三権分立はなぜあるのだろう
9 国会 参議院で全国区を復活すれば……
10 裁判所 マイクロディベートで裁判員制度を考える
第4章 現代社会の見方・考え方を鍛える「私たちと経済」大人もハマる授業ネタ
1 インセンティブ やる気をださせる方法
2 市場 東海道本線のグリーン車料金
3 分業・比較優位 人を活かすこんな考え方
4 機会費用 スカイツリー展望台の料金
5 価格 ダイナミックプライシング
6 価格 廃棄されるキャベツ
7 株式会社 なぜ株式会社がつくられたか?
8 金融 あなたはどの銀行に預金しますか?
9 金融 日本銀行は校長先生?
10 財政 財政赤字解消方法は?
11 社会保障 生活保護費を○○に使わないように!
12 行動経済学 高校中退しないために
13 行動経済学 ジェネリック(後発)医薬品が増えてきたわけ
14 行動経済学 人に流されるあなたでも,世の中のために
15 経済課題 世界を変えたプラザホテルでの合意
16 経済課題 “バブル”と浮かれていたあの頃
第5章 現代社会の見方・考え方を鍛える「私たちと国際社会の諸課題」大人もハマる授業ネタ
1 国際連合 国際連合はどんな言葉で話し合ってるの?
2 国際連合 飢餓をなくすために―国連WFP―
3 国際協調 ロールプレーで北方領土問題を考える
4 持続可能性 街の本屋さん
5 持続可能性 エネルギーの過去・現在・未来
6 持続可能性 なぜ都市化が進むのか?
7 持続可能性 移民国家への対応
8 持続可能性 パリ協定から日本がすべきことは?
9 持続可能性 スマホから見えるこんな世界
あとがき

まえがき

 私の実家である京都府木津川市の木津駅近くにマフィンを提供するステキなカフェがある。国道24号線沿いにあり,隣は田園地帯だ。カフェができるまでは,冬場の田園は農業従事者以外は,誰も見向きもしなかった。年末に墓参りに行ったおり,たまたま入ったカフェの窓越しから見える景色が実に素晴らしかった。ときおり走るJR奈良線の列車と田園地帯のコントラストが,店の風情を高め,客のささやかな和みの時間をつくっているようだった。

 カフェと田園そしてJRのつくる見事な空間に「授業」を考えるヒントがあるように思う。「田園を走るJRの列車」という題材には,これまでは,誰も見向きもしなかったが,カフェ,そして美味しいマフィンを介することにより,素晴らしい情景がつくり上げられた。授業では,一つ一つの何ら脈絡のないモノを繋ぎ,関連性を紐解き,「へっ!」「ウソ!」「ホント!」という驚きや知的興奮を与えることが不可欠である。学ぶ場を提供していく教師や教材は,このカフェと同じ役割を担うべきではないだろうか。

 また,この田園とJRの列車を別の視点から見てみよう。この二つは,誰からも忘れられていたものが,カフェとマフィンにより復活したものである。私たちは,目立たない生徒やヤンチャな生徒を,おきざりにしたまま授業を展開してこなかっただろうか? 多少,こじつけがましいが,そんな自問自答をしてみた。

 私は2012年から『100万人が受けたい「中学社会」ウソ・ホント?授業』シリーズを世に出した。そのおり,本来「学ぶ」とは“新たな発見”をし,“知的興奮”を喚起し“生き方”をゆさぶるものでなくてはならないとした。しかし「学力低位層」や「学習意欲のない」生徒にとっては,『抑圧装置としての授業』になっているのではないだろうかと自問自答した。ここで,ドラマ『塀の中の中学校』の刑務所に収監されている,中学校を卒業していない服役者(千原せいじ)が,学び直す物語を紹介した。「わからない」授業に耐えられず,「俺をやめさせてくれ。もう耐えられない。俺はいじめなどしたことがなかったが,今,俺はいじめをしている。このまま,ここにいたら,どんどんイヤな人間になってしまう」(要旨)と叫び,自殺しようとした物語である。再度,学ぼうとする服役者の気持ちを生かすことができなかった物語の世界が,現実の学校にも,事実として存在することは否めない。いわゆる「できない子」に光をあて,この「カフェ」のようなモノ(授業)があれば救われるのに……と。

 その後,約10年が経過したが,いわゆる「学習意欲」のない生徒への眼差しは,いっこうに変わらないのではないだろうか? 「主体的・対話的で深い学び」がキーワードになっているが,彼らの「学習意欲(主体性)」は問題視されず,「対話」においても「疎外」されている現状がある。また,「思考力,判断力,表現力等」「見方・考え方」を問う「深い学び」は,「知識」「理解」ですらあやうい彼らにとっては埒外であろう。私は,「学習意欲」のない生徒が活躍できる授業への工夫をライフワークとしており,授業力は,このような生徒により鍛えられてきたと思っている。「できる」生徒だけが主役なのではなく「すべての生徒」が意欲的に参加できる「学力差のない」授業を追究するのがプロとしての教師の“仕事の流儀”であろう。

 本書は「見方・考え方」を軸にすえた授業事例をまとめたものである。「できる生徒」=「活用・探究」,「できない生徒」=「習得」ではなく,「すべての生徒」が「思考力,判断力,表現力等」「見方・考え方」である“汎用力”を身につける,そんな授業が広がることを願ってやまない。


   /河原 和之

著者紹介

河原 和之(かわはら かずゆき)著書を検索»

1952年,京都府木津町(現木津川市)生まれ。

関西学院大学社会学部卒。東大阪市の中学校に三十数年勤務。

東大阪市教育センター指導主事を経て,東大阪市立縄手中学校退職。

現在,立命館大学,近畿大学他,8校の非常勤講師。

授業のネタ研究会常任理事。経済教育学会理事。

NHKわくわく授業「コンビニから社会をみる」出演。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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