指導計画から評価まで完全対応!
中学校国語科新授業モデル 書くこと編

指導計画から評価まで完全対応!中学校国語科新授業モデル 書くこと編

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言語活動の充実で実生活に生きる「国語力」を育成しよう!

流れが見える指導計画、授業で使えるワークシート、評価のポイント解説等で構成し、新指導要領に対応した授業づくりに完全対応しています。本書では、取材活動、交流活動を取り入れながら、独力で文章を書き上げる力がつく授業モデルを紹介。


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ISBN:
978-4-18-371119-9
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 120頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 新学習指導要領と新国語科実践上の課題
1 国語科改善の基本方針と「キー・コンピテンシー」
1 社会生活に必要な国語の能力の育成
2 各教科等の学習の基本ともなる国語の能力の育成
3 論理的に思考し表現する能力の育成
4 古典に親しむ態度の育成
5 漢字指導及び書写指導の改善
6 読書指導の充実
7 国語に対する関心を高め,国語を尊重する態度の育成
2 中学校新学習指導要領の目指す国語科の授業
1 学びがいのある授業の創造
2 言語活動の重視
3 学習過程の明確化と評価能力の育成
4 指導と評価の一体化
3 新国語科実践上の課題 「B書くこと」
1 学習過程の明確化
2 言語活動例の活用
3 総合的な言語能力としての書く力という意識
第2章 「書くこと」の指導のポイント
1 「B書くこと」の指導の改善
1 「書くこと」の目標
2 「書くこと」の指導事項における構成
3 各学年の指導事項
4 言語活動例
5 「書くこと」の配慮事項
2 「B書くこと」の指導上の留意点
1 論理の展開を工夫して書くための言語能力の育成
2 推敲・交流(評価)にかかわる言語能力の育成
3 説明・記録を書くための言語能力の育成
4 鑑賞文・詩歌・物語を書くための言語能力の育成
5 案内文・手紙文を書いたり編集したりするための言語能力の育成
6 意見文・批評文を書くための言語能力の育成
第3章 新国語科の趣旨を生かした授業モデル
1 「言語活動例」を生かした授業モデル
モデル1 家の人に文化祭のお知らせを出そう<第1学年>
モデル2 創作文学習(物語づくり)―「豊海の物語」を書こう―<第2学年>
モデル3 雪との暮らし新聞を編集しよう<第3学年>
2 「習得」と「活用」を図る授業モデル
モデル4 「基礎・基本」の確実な習得を図る授業 〈書くことの基礎〉を学びながら執筆しよう―「走れメロス」の学習をもとに―<第3学年>
モデル5 知識・技能の「活用」を通した課題解決型の授業 構成を工夫して,事実や意見を効果的に伝える―「私たちの『地域への提言集』」を作ろう―<第2学年>
3 創造的な思考力(クリティカル・シンキング)の育成を図る授業モデル
モデル6 「交流活動」を生かした授業 意見文を書こう!ゴミ袋から考えるエコ・アクション<第2学年>
モデル7 「発信型」の授業 「1000年後の古語辞典」を編集しよう<第3学年>
モデル8 学校図書館を活用した授業 本と本をつなぎ,考えを伝え合おう<第2学年>
モデル9 新聞を活用した授業 新聞の気になる記事から社説を書こう<第3学年>
第4章 「書くこと」における「目標に準拠した評価」の最前線
1 指導と評価の考え方
1 目標に準拠した評価による観点別学習状況の評価―指導と評価の一体化―
2 目標に準拠した評価による観点別学習状況の評価のポイント
2 「B書くこと」の指導と評価
1 「書くこと」領域の「指導事項の構成枠組み」
3 学力を伸ばすための評価の実際
1 学力を伸ばす評価の考え方
2 「書くこと」におけるポートフォリオ評価
4 「指導と評価の一体化」の実現のためのポイント
第5章 指導計画作成上の留意点とアイデア
1 年間指導計画の意義
2 年間指導計画作成上の留意点とアイデア
1 創意工夫を生かした特色ある年間指導計画の作成
2 各領域の授業時数の配当
3 指導事項の重点化と目標及び評価規準の明確化―何を教え,どのような姿をねらうか―
4 適切な言語活動の設定
5 他領域との関連等
3 単元指導計画作成上の留意点とアイデア
1 実生活とのつながり
2 問題解決的な学習過程
3 多読と交流
執筆者一覧

まえがき

 中学校新学習指導要領が平成20年3月に告示されてから,2年あまりが経過した。平成21年度からは新学習指導要領の移行期間となり,各学校においてはその対応に忙しいことと思う。移行期間中は,国語科においても新学習指導要領の趣旨の理解だけではなく,言語事項にかかわる指導内容への対応をはじめとして,可能な限り新学習指導要領の目標及び内容を踏まえた指導を行う必要がある。このようなことから,今,国語科教師は,中学校新学習指導要領国語についての理解を確かなものにするとともに,それを日々の国語科授業に反映させることを強く求められている。

 今回の学習指導要領の大きな特徴は,ここ数次の改訂を通して「精選」あるいは「厳選」という考え方の基に削減されてきた指導内容や授業時数が増加に転じたということであろう。ほぼ40年ぶりの大転換である。

 このことは国語科においても例外ではない。中学校第2学年の授業時数は年間で35時間増加したし,「第1学年」と「第2学年及び第3学年」と2つに分けられていた指導事項は,再び各学年ごとに示されることとなり,その数も一挙に増加することになった。また,このような量的な増加だけではなく,新学習指導要領国語の質的な変化も見逃すことができない。

 例えば,領域構成である。新学習指導要領国語の領域構成は従来と同様に「3領域1事項」ではあるが,「言語事項」に代わって〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕が設定された。「伝統的な言語文化」の内実は「古典」であり,このように古典に関する指導事項が明記されたことは特筆に値しよう。

 また,従来は「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」に示されていた「言語活動例」が,「第2 各学年の目標及び内容」に示されたことも重要な改善点の一つである。さらに,指導事項の示し方も基本的には学習過程に沿ったものとなっており,このことを意識した学習指導について十分に検討する必要がある。

 また,国語科における「言語活動例」の充実に端的に示されているように,今回の学習指導要領は,全体を通して「言語活動の充実」が強調されている。言語の能力は学校における全ての教育活動を通して育成されるべき能力ではあるが,言語の教育としての立場を重視する国語科の果たすべき役割は大きい。国語科はその役割の大きさを自覚し,その責任を果たさなくてはならないのである。

 さらに,新学習指導要領国語においては,これら教科目標や教育内容に関することだけではなく,その指導の在り方についても新たな考え方が示されている。

 すなわち,国語科は,「「話すこと・聞くこと」,「書くこと」及び「読むこと」の各領域では,小学校で身に付けた技能に加え,社会生活に必要とされる発表,討論,解説,論述,鑑賞などの言語活動を行う能力を確実に身に付けることができるよう,継続的に指導することとし,小学校で習得した能力の定着を図りながら,中学校段階にふさわしい文章や資料等を取り上げ,自ら課題を設定し,基礎的・基本的な知識・技能を活用し,他者と相互に思考を深めたりまとめたりしながら解決していく能力」(中央教育審議会「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答申)」平成20年1月17日 p.77)の育成を目指さなくてはならないのである。国語科は今日,授業で身に付けた知識・技能を自らの課題を解決するために活用できる能力を生徒に確実に育成するための指導方法の開発を強く求められている。

 本シリーズは,このような特徴を有する新学習指導要領国語科の目指す授業について,その姿を具体的な授業モデルとして示すことを目指して編集されている。そのため,「話すこと・聞くこと」,「書くこと」,「読むこと」,〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕について,それぞれ1巻とし,全4巻構成となっている。各巻は,理論編と実践編からなりほぼ共通の構成となっているが,国語科全体の年間指導計画については,「話すこと・聞くこと」編の巻末にまとめて示してあるので,ぜひご参照いただきたい。

 言語能力を育成するという大きな柱に貫かれている新学習指導要領と国語科が求める授業の在り方について,一つのモデルを提示する本書が,全国の国語科教師の授業づくりにいささかなりとも役立つことができれば幸いである。

 なお,本シリーズは,明治図書出版株式会社の木村悠氏のご協力をいただき,ようやく刊行することができた。記して深く感謝する。


  2011年1月   群馬大学教育学部 /河野 庸介

著者紹介

河野 庸介(こうの ようすけ)著書を検索»

 昭和26年伊豆大島差木地生まれ。明治大学文学部卒。東京都公立中学校教諭。東京都教育庁指導主事,文部省初等中等教育局中学校課教科調査官,国立教育政策研究所教育課程調査官等を経て,平成16年度より群馬大学教育学部教授。平成18年度群馬大学ベストティーチャー。現在,群馬大学教育学部附属小学校長兼務。

門戸 千幸(かど ちゆき)著書を検索»

 広島県生まれ。広島県公立中学校教諭,平成7年より広島県広島教育事務所指導主事・主任指導主事,広島県教育委員会事務局指導第一課主任指導主事を経て,平成18年から広島県公立中学校校長として現在に至る。

 平成20年告示『中学校学習指導要領解説国語編』作成協力者。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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