- イントロダクション
- あそびを活用してもっと楽しい学級,授業をつくろう! /北川 雄一
- クラス全員安心して参加できる学級あそびUD
- 学級開き
- 楽しみながら友だちを知ろう! 自己紹介じゃんけん列車
- 助け合いながら鬼ごっこを楽しもう! つの取り鬼ごっこ
- 協力して素早く順番に並ぼう! ラインナップゲーム
- 楽しみながらお互いを知ろう! じゃんけんクエスチョン
- 遊びながらお互いの名前を覚えよう! 名前ビンゴ
- クイズに取り組みながらお互いを知ろう! 自己紹介3ヒントクイズ
- ペアと協力して走ろう! 手つなぎ鬼
- 仲間と息を合わせて移動しよう! 瞬間移動
- 楽しみながらお互いを知ろう! 自己紹介ウソホント
- 遊びながらお互いを知ろう! みんなの自己紹介
- 友だちを友だちに紹介しよう! 他己紹介
- だれが撮ったのか考えよう! だれの動画?
- 教室あそび
- 負けるが勝ち!? 縮みじゃんけん
- うまくバランスを取ろう! 新聞じゃんけん
- 全身を使って楽しもう! 体じゃんけん
- 体を動かすことを楽しもう! 体じゃんけんあっち向いてほい
- 変化を楽しもう! 進化じゃんけん
- 仲間と息を合わせよう! チームじゃんけん
- チームでたくさんつなげよう! お絵かきしりとり
- 友だちとの関わりを楽しもう! じゃんけん足開き
- 動きでわかりやすく伝えよう! ジェスチャー伝言ゲーム
- 集中してカップの動きを見よう! スタッキングあそび(けん玉)
- 集中してカップを積み上げよう! スタッキングあそび(タワー)
- 集中力を高めよう! スタッキングあそび(3−3−3)
- 推理力を働かせよう! 答えは何?
- 楽しみながら筋肉をリラックスさせよう! 紙鉄砲
- みんなでドキドキを共有しよう! 爆弾ゲーム
- 重さを想像しよう! 目指せピッタリ100g
- 楽しみながら眼を休めよう! ブラインドタイムアタック
- 言葉を推理しよう! 辞書クイズ
- 楽しみながら覚えよう! 地図記号ビンゴ
- みんなで運試しをしよう! おみくじづくり
- 仲間の考えを想像しよう! 思いは1つ
- とっておきの1枚を共有しよう! 撮影者はだれ?
- 仲間と協力して俳句をつくろう! チームで俳句
- 意外性を楽しもう! チームで文章づくり
- 体育館あそび
- ペアで協力しよう! おみこしリレー
- トランプの順に並び替わろう! トランプならびっこ
- ボール投げが苦手でも安心! フラフープドッジ
- 手に載せた紙を落とし合おう! 紙々の戦い
- 2つのことを同時にしよう! ぞうきんがけボール運びリレー
- 鬼はだれ? ルーレット鬼
- どこに隠せば見つからないかな? ガムテープかくれんぼ
- 協力して暗号を解き明かそう! 暗号解読ゲーム
- 感覚を研ぎ澄まそう! 気配切り
- バランスを崩さず走りきろう! 膝立ちレース
- 全員で協力してボールを突き続けよう! アースボールチャレンジ
- あなたを守ってくれる天使はだれ? ガーディアンエンジェル
- 外あそび
- 竹とんぼをうまく着地させよう! カエデ大作戦
- タッチして仲間を増やそう! 宇宙人鬼
- 最高記録にチャレンジ! 長縄くぐり
- 鬼が追われる!? さかさ鬼
- 歩いて追いかけよう! ペア鬼
- 途中で負けたら一からやり直そう! じゃんけんボウリング
- いろいろな運び方でリレーしよう! はさんでボール運びリレー
- どんどん巨大化していこう! マンモス鬼
- ハンターの投げるボールを避け続けよう! ハンタードッジボール
- みんなの心を1つにしよう! みんなでいっしょ
- 手軽にカバディに挑戦しよう! タグ・カバディ
- 最初に3つのコーンを集めるのはだれ? どきどきコーン集めゲーム
- 先に1列そろうのはどっち? 三目並べリレー
- みんなで帽子をかぶせよう! おじぞうさんリレー
- 投げるのが苦手でも大丈夫! ローテーションドッジボール
- 国語あそび
- なんて言っているのかな? 口パク言葉当てゲーム
- どんな言葉が書いてあるのかな? 文字反転ゲーム
- みんなでつないでいこう! 早口言葉リレー
- 音を言葉で表そう! 何の音ゲーム
- 文字数限定でつなげよう! 3文字しりとり
- 新出漢字を楽しく覚えよう! 漢字ビンゴ
- 国語辞典であそぼう! 逆引きゲーム
- どんな文ができるかな? 主語・述語シャッフル
- 速く正しく書き写そう! 視写競争
- 知っている漢字をたくさん書こう! 「○○の漢字」いくつ書ける?
- すぐに読みを声に出そう! 漢字フラッシュカード
- 全部聞き取ろう! 聖徳太子ゲーム
- 算数あそび
- 5になるお友だちをつくろう! ごまだんご
- 楽しく九九の練習をしよう! かけ算九九ビンゴ
- 影に重ねて同じ形をつくろう! シルエットパズル
- 簡単に計算するコツは? 10個のたし算
- 方眼紙で小さい箱をつくろう! ミニチュア箱づくり
- なんで先生ばかり勝つの? GETラストだんごゲーム
- みんなで問題を考えよう! 計算ビンゴ
- 友だちはどんな図かな? マッチング作図
- 楽しく計算力アップしよう! メイク10
- 進んで計算したくなる! 誕生日がわかる不思議な計算
- 数を多様な見方で捉えよう! 今日の日付になるかけ算の式探し
- 全部の数がわかるのはなぜ? 薬師算
- 英語あそび
- 何時に何をした? 1日物語何でもバスケット
- お気に入りの部屋はどこ? My favorite place is the [ ].
- どんなアルファベットが隠れているかな? アルファベットハンター
- 数を英語で伝えよう! How many?
- 自分の推しになろう! 推しの誕生日は?
- 何文字書けるかな? アルファベットリレー
- 行きたい国はどこ? パスポートビンゴ
- 自作メニューで注文を取ろう! ご注文は何?
- 図工あそび
- 体全体を使って楽しもう! 新聞紙でワクワク体操
- 「こんなふうに見えたよ」を伝え合おう! 何に見えるかな?
- 膨らませたビニール袋の感触を楽しもう! ふわふわあそび
- 文房具を並べてつくろう! ならべて,見てみて,かおかお発見
- おもしろい写真を撮影しよう! 不思議&驚きショット
- 鏡の中の世界を楽しもう! 映して,のぞいて,ミラクルミラー
イントロダクション
あそびを活用してもっと楽しい学級,授業をつくろう!
東京都公立小学校 /北川 雄一
1.あそびにもユニバーサルデザインを
ユニバーサルデザイン(UD)とは,「すべての人のためのデザイン」を意味します。UDは年齢,障害の有無,体格,性別,国籍にかかわらず,できるだけ多くの人が理解し利用できるように設計されています。
教育現場でもこの考え方は非常に重要で,例えば,黒板まわりをすっきりさせることで視覚的な刺激をコントロールしたり,いすの足にテニスボールをつけることで聴覚的な刺激を和らげたりと,様々な取組が行われています。
クラスでのあそび(レクリエーション)においてもUDを意識し,すべての子どもたちが安心して楽しめるように工夫することが必要です。あそびは,子どもたちにとって自然な学びの場であり,楽しみながら様々なスキルを育むことができます。
しかし,ドッジボールのように,身体能力の差によって全員が同じように楽しめないあそびもあります。他にも,ハンカチ落としで一度も落とされなかった子や,いすとりゲームで最初に脱落した子は,心から「楽しかった」と言えるでしょうか。さらに,「罰ゲーム」と称して,負けた子がはずかしさを味わうような活動までセットになっていることがあります。
子どもたちは,よくも悪くも体験から学びます。罰ゲームを行うことで「敗者に恥をかかせる」「失敗した人をみんなで笑う」といった文化がクラスに根づいてしまったら,どうなるでしょう。ゲームを通して体験的に学んだことが,知らず知らずのうちに学級生活に影響を与えてしまうのです。
こういったことを踏まえて,本書で紹介するあそびは,能力や性別の違いを考慮し,だれもが参加しやすい工夫がされています。すべての子どもが楽しく参加できることが,安心・安全な学級を実現する第一歩になると考えています。
2.学級あそびのよさとポイント
授業の導入やまとめはもちろん,授業が5分早く終わったときや,休み時間の学級活動など,意外と子どもたちとあそべる時間はたくさんあります。学級あそびには多くの利点がありますが,あそびをすること自体が「目的」ではないことに留意してください。学級あそびは,よりよいクラスをつくり,子どもたちが成長するための「手段」です。
@学級あそびのよさ
1 学習とのメリハリがつけられる
2 ルールや時間を守る力が育まれる
3 子どもたちが仲良くなり,信頼関係を築ける
4 問題解決能力やコミュニケーション能力が育つ
5 勝敗や失敗を受け入れる心が育つ
Aポイント
あそびを通じて子どもたちが成長するためには,いくつかの重要なポイントがあります。中でも,計画的なねらいをもつこと,振り返りの時間を大切にすることが,重要なカギです。
まず,計画的なねらいをもつことです。どのような力を育てたいのか,どのような体験を子どもたちに与えたいのかを考え,活動を計画します。例えば,「緊張をほぐす」「名前を覚える」「集中力を高める」などです。「協力する」力を育てたい場合は,子どもたちが互いに支え合う場面が出るようなあそびを選びましょう。ねらいをもつことで,あそびがただの娯楽ではなく,学びの場としての意味をもつようになります。
次に,振り返りの時間を設けることも大切です。「楽しかった!」で終わらせず,子どもたちが感じたことや学んだことを共有する時間をもつことで,経験を深めることができます。この振り返りのプロセスは,子どもたちが自分の成長を実感し,友だちとの関係を再確認するよい機会になります。また,振り返りを通じて次回の活動に向けての改善点や新たなアイデアも見えてくることでしょう。
振り返りは日記のテーマにしてもよいですし,挙手や指名で発表しても構いません。教師からは「どうして楽しかったのかな?」「どんなことを意識していたかな?」「どうしてうまくいった(うまくいかなかった)のかな?」「今日学んだことは何かな?」といった具体的な声かけを心がけるとよいでしょう。
「振り返り」があるからこそ,学級あそびに「失敗はない」と考えることができます。時にはケンカになったり,教師が叱って終わったりすることもあるでしょう。しかし,そのようなときも「なぜこうなったのか」「同じようなことが起こったら次はどうしたらよいか」と考えることで,子どもたちの成長につなげていきます。
クラス全員が安心して参加できるあそびを通じて,楽しく,そして実りある学びの時間を共に創造していきましょう!
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- 明治図書