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イントロダクション
小6担任の学級経営 3つの鉄則
京都府公立小学校 /坂本 良晶
1 行動や学びの意味を見いだせるようにする
「先生,これ何のためにするん?」
6年生にもなると,子どもたちは学ぶ意味を見いだそうとします。このような質問を受けることもしばしばです。ただただ授業を受けて,ただただテストを受けて…という繰り返しに意味を見いだせない子どもがいるのは当然のことだと感じます。
そのときに,「そういうもの」という押し付けをしてしまうと,多感な子どもたちの心は離れていってしまうかもしれません。そうなると学級の雰囲気も悪くなってしまうでしょう。
学校生活において多くの時間を占めるのが「授業」です。その授業の中で学級の子どもたちが学ぶ必然性にドライブされ,教室で躍動する,そのような授業をつくることが,学級経営における最強のカードになると考えます。
私は,GIGA スクール構想が始まって以降,1人1台端末を活用することによる「プロジェクト化」を打ち出し,継続して実行してきました。プロジェクトというと仰々しいですが,最もシンプルな形は発表会です。例えば運動会は日頃のがんばりを見てもらうプロジェクトで,音楽発表会は歌や合奏の成果を見てもらうプロジェクトだといえます。
2 教科の学習をプロジェクト化していく
同じように,通常の教科学習をプロジェクト化していくことで,子どもたちには確かな目的意識と相手意識が生まれます。そのプロジェクト達成のために子どもたちが協働的に活動していくという一連の学びの営みは,子ども同士の関係性をよりよいものへと導いていくと,私自身の経験からも感じています。
6年生というと多感な時期です。否が応でもまわりを意識し,疑心暗鬼になりがちです。同じ教室の中にいても,接点がない状態になることもあるでしょう。しかし,そんな中でも何か共通の目的があり,協力し合うシーンが連続的に発生することで,コミュニケーションが生まれます。
単純接触効果(ザイオンス効果)というものをご存じでしょうか。これは心理学の用語で,コミュニケーションの回数が増えるほど相手に対する印象がよくなっていくというものです。
これまでの一斉授業ベースでの学級規律の場合,子ども同士が自由に話し合うようなシーンは指導者側が意図しないと生まれませんでした。勝手に喋ることは許されなかったからです。
しかし,常に子ども同士が協働し,話し合いながら活動していくようなあり方へシフトすれば子ども同士の関係性にポジティブな効果を与えることができます。それは学級経営をよりよいものにしてくれるでしょう。そうなると,自然と理想とする教室のあり方は変わっていきます。私は「子どもたちがつながり合う活動が常時的に表出する教室」と,自分なりに結論づけています。そういった学びの姿を価値づけることを意識し続けました。
3 子どもたち同士で向かい合って学ぶ時間を増やす
全員が前を向いて教師の話を聞く時間は最小限にし,子どもたちが向かい合って学ぶ時間を最大限にしていく。そんなあり方を目指す学級経営についての具体例を,実際の様子とあわせてお伝えしていきます。
@国語の授業をプロジェクト化
難解とされる国語の物語教材「やまなし」では,チームごとに協働してオリジナルの幻灯を創作する活動をしました。使用したツールは Canva のスライドです。
宮沢賢治さんの作風をまずは知ることから。表現技法に着目してチームのみんなで読み取りをします。そして,好きな月を選び,カニの兄弟を主役にし,宮沢賢治さんの作風をオマージュして創作し,できた幻灯をVR空間に配置してシェアしました。クラウドでの共同編集機能を活用することにより,子どもたちの話し合い活動は活発化していきます。
A社会の授業をプロジェクト化
6年生の社会科では多くの時間を歴史の学習に費やします。しかし,どうしても教え込みや暗記といった要素が多くなりがちでした。
そこで,単元の最後に「クイズプロジェクト」というゴールを設定します。これは教育用クイズ Kahoot! でグループごとに歴史上の人物をテーマにクイズを作問するものです。ここで作成されたクイズは一般公開されるため,日本中の6年生に歴史の学習クイズをしてもらうという相手意識と目的意識が芽生え,プロジェクトへの意欲につながります。
B音楽の授業をプロジェクト化
勤務校では,伝統的に6年生のクラス全員で「三宅太鼓」という太鼓の演奏をしていました。ここでも子どもたちがチームごとに分かれてテーマを設定し,自分たちで考えたリズムでの打ち方を創作しました。
発表会に向けて,よりよい演奏を全校の児童や保護者に聞いてもらおうという相手意識や目的意識が芽生えます。また,協働的に創作を進めることでたくさんの話し合いが起き,意見を伝え合い,互いに教え合う姿が見られるようになります。
C体育の授業をプロジェクト化
運動会の表現運動では,ダンスとフラッグに取り組みました。いずれも子どもたちが中心となり,曲や振り付けを協働して考えます。
6年生の子どもたちはこれまでの6年間の学校生活でたくさんのことを学んできたのです。教師が示した通りの演技で終わらせることは非常にもったいないと考えます。せっかくの成長を発揮する舞台で,子どもたちが自分たちで考え,自分たちでつくり上げたものを表現してこそ,真の成長だと確信しています。
本書の特典は、下記よりダウンロードできます。
※下表のをクリックするとダウンロードが始まります。
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内容 | ファイル名 | サイズ | |
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イラストカット (主に小学校低学年) |
illust_tei.zip | 19,393KB | |
イラストカット (主に小学校中・高学年) |
illust_chukou.zip | 21,778KB | |
イラストカット (カラー、グレー、ぬり絵) |
illust_cut.zip | 35,270KB |
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