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イントロダクション
小1担任の学級経営 5つの鉄則
佐賀県唐津市立入野小学校 /小倉 美佐枝
1 担任の先生の明るさと元気さが「心の支え」になる
1年生の子どもたちにとってはじめてがたくさんで,ドキドキ(不安)とワクワク(期待)が入り混じっている状態です。それは入学したてに限らず,1年生としての時間が終わるまでの間,いくつもの「はじめて」の場面に出合います。
そんなとき,子どもたちの心の支えになるのは,やはり,「担任の先生」です。子どもたちは,先生の明るい笑顔や優しい声かけ,元気な立ち振る舞いを見ています。子どもたちが失敗するかもしれない,うまくいかないかもしれないと,先生自身が不安そうな顔をしていると,子どもたちにもその気持ちは伝わってしまうものです。
私が子どもたちと一緒に「はじめて」に向かうときは,「よーし! やるぞぉ! エイエイオー!」と明るく元気にかけ声をかけていました。学級や教室内の雰囲気をまずは,担任の先生からつくっていくように心がけていくことです。不安そうにしていた子どもたちも,私と一緒に,「エイエイオー!」と言いながら手をあげていました。学級の雰囲気も明るくなりますね。
2 言葉と絵(イラスト)をいつもセットで指示を出す
学校(教室)は,言葉だけでの口頭指示が飛び交いやすい場所です。学年が上がるにつれて学校生活で経験することが増えていくと,「あ,あのことね!」とわかるのですが,1年生の場合,ものの名前も場所も,はっきりと覚えていなかったり想像しづらかったりすることがあります。黒板やホワイトボードに言葉で指示を出すことで視覚的にわかりやすくなるのは確かです。
ただし,書いているのに,何度説明してもわからないという状態に出合うでしょう。文字をまだ読めない状態の子も多くいます。子どもたちは一度やったことがあったとしても,わからなくなることもあります。
そんなときに,言葉とともに,絵やイラスト,写真があると,「あ! そういうことか!」と理解しやすくなり,子どもたちも安心して行動できるようになります。最近では,タブレット端末もありますから,動画やスライドも視覚的に捉えるためのツールとして役に立つでしょう。登校してからの準備,帰りの用意の手順,給食や掃除の手順など,毎日取り組むことはカードにしておくとよいですよね。
「先生の伝えたいことが,子どもたちに伝わるために何を用意したらよいのか」ということを念頭に置くと,指示の出し方もよりよくなっていくことでしょう。
3 「難しいだろうけど,やってみよう」の精神をもつ
小学生になった! という前向きのモチベーションが,1年生の活動の背中を押してくれるようにいつも感じています。どの学年よりも勢いとやる気があるといっても過言ではありません。
でも,どうしても「1年生には難しい」「1年生にはできないだろう」と,担任の先生が物怖じしてしまう場面に出くわすこともあります。何事も経験ですから,やってみることが大切です。1年生には1年生なりのがんばりが見られます。
担任の先生が想像するような「理想の姿や行い」ではないかもしれません。でも,1年生の子どもたちが一生懸命取り組んだのならば,それでオールオッケーです。「できる・できない」の評価ではなく,「よくがんばった!」と認めることを大切にしてほしいと思います。
1年生で経験したことを積み重ねながら成長していきます。小学校生活6年間の1年目であることを念頭に置き,結果よりも過程を丁寧にしていきたいものです。
4 うまくいかないときこそ,さあどうしようかと一緒に考える
先ほど,「できる・できない」の評価よりも,「よくがんばった!」と認めることを大切にするように書きました。もちろん,どんなにがんばっても,うまくいかないこともあります。先生も「どうしたらいいのだろう」と困ってしまう状態になることもあるでしょう。
そんなときこそ,先生自身は冷静に,少し離れて様子を観ることです。その場を離れるということではなく,「客観的に状況を分析する」ということです。大人から見ると,子どものトラブルは何気ない些細なことばかりです。でも,生まれて6〜7年の子どもたちは成長の途中で未熟ですから,教室で起きることはどんなことでも一大事なのです。感情的になって,言い合いになったり泣いたりします。その姿も「子どもらしさ」だと私は思います。絵本の『いいからいいから』(長谷川義史作)のおじいちゃんのように,「まあまあ,落ち着いて」と穏やかに接して,場を治めましょう。
もちろん,その後が大切です。どんなに感情的になっていたとしても,落ち着いたら,一人ひとり話を聞いて,「困ったことになったねえ」「何がよくて,何がよくなかった?」「どうしたらよかったと思う?」などと状況を整理することです。先生が怒ったり,声を荒げたりする必要もありません。「よくなかったところをどうしていくか」それが何より大切です。
その後の学校生活で,子どもなりに改善しようとしている姿を見つけたら,ほめましょう。そうやって,子どもたちは成長していきます。1年生のときから,トラブルにも丁寧に向き合っていくと,子どもたち自身で,自分の行動や言葉づかいに向き合おうとするようになります。
学級はみんなでつくるものですから,学級の中でのトラブルは,みんなが成長するための宝物です。学級全体でも「さあ,どうしようか」と伝えて,アイデアを出し合い,やってみよう! と前に進むといいですよね。子どもたちの今と向き合って一緒に考えて,明るい未来を信じることを忘れたくないなあと思います。
5 保護者とのつながりは,担任からの先手でつくる
学級の中には,「はじめて小学校に通わせます」という保護者の方もいます。1年生の子どもたちと同じ状態です。学校行事も,学級の様子も,子ども自身のことも,子どもから聞いた話に頼ることになります。
いい話ならばよいのですが,時にはうまくいっていないことや友だちと困ったことなど,不安や心配が募る話もありますよね。実は,幼稚園や保育園,こども園に通っているころ,担任の先生と保護者の方は,毎日の連絡ノートに子どもの様子を事細かにやりとりされている場合が多いのです。そのため,1年生の担任から伝わる情報が少ないと,保護者の方が「1年生の先生がなかなか教えてくれない,学級の様子がわからない」と不安に思うことがあります。よいこともそうでないことも,担任の先生から「先手を打つ」ことです。
伝える方法は,連絡帳に書いたり,電話をしたり,家庭訪問したりと様々です。連絡事項や子どもたちのよいことを伝えるならば学級通信もあります。あまりよくない内容のときには,「取り急ぎ伝えたい」という気持ちを表すために,連絡帳に「今日,お電話いたします」と一筆書き,子どもたちの下校後すぐに着信を残すということをしてきました。たいていの保護者の方は仕事中なので,なかなか電話に出られません。でも,その行動1つで,先生自身がその子を思う気持ちは伝わると思います。保護者の方も安心する環境づくりも大切ですね。
本書の特典は、下記よりダウンロードできます。
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内容 | ファイル名 | サイズ | |
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イラストカット (主に小学校低学年) |
illust_tei.zip | 19,393KB | |
イラストカット (主に小学校中・高学年) |
illust_chukou.zip | 21,778KB | |
イラストカット (カラー、グレー、ぬり絵) |
illust_cut.zip | 35,270KB |
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