論理的思考力を鍛える超シンプルトレーニング
人気国語塾発!「3つの型」で驚異の効果!

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「論理的思考力」って、とにかく複雑で難しそう……そんなイメージがウソのように消えていく、授業で使える超シンプルなワーク集です。あえて「自由を限定」し、論理的思考の「3つの型」の習得を徹底します。シンプルだけど骨太のワーク集です!


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ISBN:
978-4-18-366949-0
ジャンル:
国語
刊行:
15刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 132頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2024年10月4日

目次

もくじの詳細表示

T 国語科で育てる「論理的思考力」とは
1 感覚の国語から、論理の国語へ
2 「国語力を育てる」とは、どういうことなのか?
3 論理的思考力は「三つの力」で構成される
4 「話す・聞く」「書く」「読む」という分類を刷新する
5 「平成二〇年版・学習指導要領」における留意点
6 「論理的思考力」=「三つの力」
7 この本を使用する際の留意点
8 学習指導要領との整合性
U 低学年「論理的思考力」を鍛えるトレーニングワーク
1 低学年 「論理的思考力」を育てる授業づくりのポイント
2 「言いかえる力」を育てるトレーニングワーク
[1] 「言いかえる」れん習をしよう(1) 抽象化・具体化
[2] 「言いかえる」れん習をしよう(2) 抽象化・具体化
[3] 「言いかえる力」を物語文でトレーニング!
[4] 「言いかえる力」を説明文でトレーニング!「サンゴの海の生きものたち」
3 「くらべる力」を育てるトレーニングワーク
[5] 「くらべる」れん習をしよう(1) 対比型短作文
[6] 「くらべる」れん習をしよう(2) 接続語:でも
[7] 「くらべる力」を説明文でトレーニング!「どうぶつの赤ちゃん」
[8] 「くらべる力」を物語文でトレーニング!
4 「たどる力」を育てるトレーニングワーク
[9] 「どうして」「なぜ」をかんがえよう(1) 因果短作文
[10] 「どうして」「なぜ」をかんがえよう(2) 接続語:だから/なぜなら
[11] 「たどる力」を説明文でトレーニング!(1) 「どうぶつの赤ちゃん」
[12] 「たどる力」を説明文でトレーニング!(2) 「サンゴの海の生きものたち」
[13] 「たどる力」を物語文でトレーニング!
5 論理的思考力を発揮して書く短作文
[14] 「くらべる力」と「たどる力」を合わせて書く短作文
V 中学年「論理的思考力」を鍛えるトレーニングワーク
1 中学年 「論理的思考力」を育てる授業づくりのポイント
2 「言いかえる力」を育てるトレーニングワーク
[15] 「言いかえる」練習をしよう(1) 抽象化・具体化
[16] 「言いかえる」練習をしよう(2) 抽象化・具体化
[17] 「言いかえる力」を説明文でトレーニング!(1) 「ありの行列」
[18] 「言いかえる力」を説明文でトレーニング!(2) 「アップとルーズで伝える」
[19] 「言いかえる力」を物語文でトレーニング!(1) 「モチモチの木」
[20] 「言いかえる力」を物語文でトレーニング!(2) 「ごんぎつね」
3 「くらべる力」を育てるトレーニングワーク
[21] 「くらべる」練習をしよう(1) 対比型短作文
[22] 「くらべる」練習をしよう(2) 接続語:でも/ しかし/ それに対して
[23] 「くらべる力」を説明文でトレーニング!「アップとルーズで伝える」
[24] 「くらべる力」を物語文でトレーニング!「モチモチの木」
4 「たどる力」を育てるトレーニングワーク
[25] 「どうして」「なぜ」を考えよう(1) 因果短作文
[26] 「どうして」「なぜ」を考えよう(2) 接続語:だから/なぜなら
[27] 「たどる力」を説明文でトレーニング!
[28] 「たどる力」を物語文でトレーニング!「ごんぎつね」
5 論理的思考力を発揮して書く短作文
[29] 「言いかえる力」と「くらべる力」を合わせて書く短作文(1)
[30] 「言いかえる力」と「くらべる力」を合わせて書く短作文(2)
[31] 「言いかえる力」と「くらべる力」を合わせて書く短作文(3)
W 高学年「論理的思考力」を鍛えるトレーニングワーク
1 高学年 「論理的思考力」を育てる授業づくりのポイント
2 「言いかえる力」を育てるトレーニングワーク
[32] 「言いかえる」練習をしよう(抽象化・具体化)(1) 「言いかえる力」を育てる基礎トレーニング
[33] 「言いかえる」練習をしよう(抽象化・具体化)(2) マトリョーシカ図で「言いかえる力」を育てる
[34] 「言いかえる」練習をしよう(抽象化・具体化)(3) ことわざで「言いかえる力」を育てる
[35] 「言いかえる」練習をしよう(抽象化・具体化)(4) サンドイッチ型の文章で「言いかえる力」を育てる
[36] 「言いかえる」練習をしよう(抽象化・具体化)(5) 抽象的な「図」を「文章」へと具体化する
[37] 「言いかえる力」を詩でトレーニング!「ふしぎ(金子みすゞ)」
[38] 「言いかえる力」を説明文でトレーニング!「生き物はつながりの中に」
3 「くらべる力」を育てるトレーニングワーク
[39] 「くらべる」文を作ろう(1) 対比型短作文
[40] 「くらべる」文を作ろう(2) 接続語:それに対して
[41] 「くらべる力」を詩でトレーニング!「ふしぎ(金子みすゞ)」
[42] 「くらべる力」を説明文でトレーニング!「生き物はつながりの中に」
[43] 「くらべる力」を物語文でトレーニング!「やまなし」
コラム
4 「たどる力」を育てるトレーニングワーク
[44] 因果短作文で「たどる力」を育てる 接続語:だから/なぜなら
[45] 「たどる力」を説明文でトレーニング!「サクラソウとトラマルハナバチ」
[46] 「たどる力」を物語文でトレーニング!
5 論理的思考力を発揮して書く短作文
[47] 「言いかえる力」と「くらべる力」と「たどる力」を合わせて書く短作文(1)
[48] 「言いかえる力」と「くらべる力」と「たどる力」を合わせて書く短作文(2)
[49] 「言いかえる力」と「くらべる力」と「たどる力」を合わせて書く短作文(3)
[50] 「言いかえる力」と「くらべる力」と「たどる力」を合わせて書く短作文(4)

T 国語科で育てる「論理的思考力」とは(冒頭)


 1 感覚の国語から、論理の国語へ


 突然だが、次の三つの項目に「イエス・ノー」で答えてみていただきたい。

・「進学塾の国語の授業より、自分の国語の授業のほうが、子どもたちの国語力向上に貢献できている」

・「私は、国語の授業に自信がある。研究授業でも、保護者の参観する授業でも、ぜひ国語を行いたい」

・「国語力とは何かという問いに、ひとことで答えられる」


 さて、いかがだろう。いずれも「イエス」とは即答できず、「う〜ん……」と弱ってしまったのではなかろうか。

 国語を教えるのは苦手。教師用指導書を使っても、これといった手ごたえがない。退屈そうな子どもたちの顔が気になる。

 ……そんな日々に変革を起こしたいのなら、まずは、国語という教科に対する見方を根本的に変えることが必要だ。

 すなわち、感覚の国語から論理の国語への変革である。そして、内容重視の国語から形式重視の国語への変革である。


 内容重視の感覚的国語とは、どんなものだろうか。

 たとえば、「一つの花」なら、感想を発表して「悲しいね。戦争はよくないね」で終わり。「モチモチの木」なら、紙芝居にするなどして「えらいね。勇気があるね」で終わり。「戦争の悲惨さ」や「勇気の大切さ」などという作者のメッセージ(=内容)を感覚的に味わうことばかりにこだわって、その内容を伝えている言葉(=形式)には目を向けない授業。

 作文でも同じだ。運動会のあとの作文なら、「がんばったか」「協力できたか」などといった感覚的な内容ばかりを重視して、その内容を読み手に対してどう伝えるか、言葉をどう使うかといった形式は軽視する授業。

 こういった授業をいつまで続けようとも、子どもたちは変わらない。国語力が育ったという手ごたえは、永遠に得られない。

 そんな授業とは今すぐサヨナラすることだ。


  国語は、「何を読み、何を書くか」(内容)ではない。

  国語は、「どう読み、どう書くか」(形式)である。


 これまでの国語は、言葉が運ぶメッセージに目を奪われ過ぎてきた。これからは、そのメッセージを運んでいる言葉そのものに、目を向けていく必要がある。

 言葉に目を向ける。それが国語である。自明の理だ。


 では、言葉に目を向けるとは、どういうことなのか。

 たとえば、次のAとBを読み比べてみていただきたい。


 A……赤組は一位です。白組は二位です。

 B……赤組は一位です。でも、白組は二位です。


 両者は、意味する「内容」に大きな違いが生じている。

 Aは結果を淡々と伝えているだけだが、Bは赤組と白組をあからさまに比較している。運動会のアナウンスでBが校庭に流れたら、白組の子たちはムッとしてしまうだろう。

 両者の意味内容を決定的に変えた要因は何か。

 それは、「でも」というひとことである。

 きわめて「形式」的なこのひとことによって、意味する「内容」が大きく変わったわけだ。

 つまり、形式をコントロールすれば、内容をコントロールすることができるのである。

 そして、その形式操作のために不可欠なもの、それが「論理的思考力」である。


 2 「国語力を育てる」とは、どういうことなのか?


 ここで「国語力」や「論理的思考力」を定義しておきたいところだが、それは少しあとにして、もう少し根本的なことを確認しておきたい。

 国語力、思考力、などにみられる「力」という言葉。

 そもそも、「力」とは何なのか?

 それは、なんらかの「技術」を使いこなすための「能力」のことである。

 「計算力」とは、「計算の技術を使いこなすための能力」である。同様に、「論理的思考力」とは、「論理的思考の技術を使いこなすための能力」である。

 だから、子どもたちの論理的思考力を高めようと思う教師は、次のような意識を明確に持ち続けなければならない。


 「私は、国語の授業を通して、子どもたちに論理的思考の技術を与え、それを使いこなすための能力を育てるのだ」


 このような意識(あるいは覚悟)を持たずして、子どもたちに「力」をつけることはできない。

 「技術を与える」という言葉に引け目を感じつつ、「教師はあくまで支援に徹し、子どもが自分からその気になるのを待つべきだ」などと考えてしまっているうちは、新しい国語授業へのスタートを切ることは不可能だ。

 むろん私は、「待つ」ことを否定しない。

著者紹介

福嶋 隆史(ふくしま たかし)著書を検索»

1972年,横浜市生まれ。早稲田大学文学部中退。創価大学教育学部(通信教育部)児童教育学科卒業。日本言語技術教育学会会員。公立児童館・学童保育職員,公立小学校教師を経て,2006年,ふくしま国語塾を創設。


ふくしま国語塾では,「国語力とは論理的思考力である」という明確な定義のもとで,日々の授業を行っている。自由度の高い作文をただ漠然とだらだら書かせるのではなく,また,長文読解問題をただ漠然と次々解かせていくのでもない。あえて「自由を限定」し,論理的思考の「型」の習得に重点を置き,短い文章の読み書きを徹底的に行うことによって,子どもたちの言語技術を高める。その結果として,子どもたちは「自由に」読み書きできるようになる。このような,受験にこだわらない一貫した国語力育成法が高く評価され,他都県からの通塾生も多く,キャンセル待ちが続出している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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