- はじめに
- 一年
- 01 おおきなかぶ
- 絵本「おおきなかぶ」には、教科書の挿絵には描かれていない様子もあります。あてはまらないのはどれ?
- 02 やくそく
- アゲハチョウは、タマゴからチョウになるまでどのくらいかかる?
- 03 くじらぐも
- 中川李枝子さんの物語で、くじらぐもが出てくる物語はどれ?
- 04 おとうとねずみチロ
- 「おとうとねずみチロ」シリーズで、どの物語にも出てくる一文はどれ?
- 05 たぬきの糸車
- 「たぬきの糸車」はどの地域の民話?
- 06 ずうっと、ずっと、大すきだよ
- 「ぼくたちまたなかよしさ!」の物語で、「ぼく」の妹が逃がした「ぼく」のペットはどれ?
- 二年
- 07 風のゆうびんやさん
- スズメは、どうして春に巣作りをするの?
- 08 スイミー
- 小さな魚はどうして群れになって泳ぐの? ちがうものはどれ?
- 09 名前を見てちょうだい
- 女の子のぼうしが飛んでいってしまうあまんきみこさんの物語はどれ?
- 10 ミリーのすてきなぼうし
- きたむらさとしさんの町に買い物に行く物語はどれ?
- 11 お手紙
- 「がまくんとかえるくん」シリーズで、がまくんがかえるくんの手紙を読む物語はどれ?
- 12 ニャーゴ
- 物語の中で、ねずみたちがかんちがいした「ニャーゴ」の意味はどれ?
- 13 スーホの白い馬
- 大塚勇三さんが再話した「スーホの白い馬」。もともとは、どこの国の何という物語?
- 三年
- 14 すいせんのラッパ
- 「すいせんのラッパ」の物語が収録されている工藤直子さんの作品集の名前は?
- 15 ワニのおじいさんのたから物
- ぼうしをかぶったおにの子は物語の初めでどんなことを考えていた?
- 16 ちいちゃんのかげおくり
- 日本のカラー写真の技術が普及したのはいつ頃?
- 17 サーカスのライオン
- 日本で、サーカスが初めて公開されたのはいつ頃?
- 18 モチモチの木@
- 物語の時の豆太の年齢はいくつぐらい?
- 19 モチモチの木A
- 初期の「モチモチの木」の物語では、山の神様のお祭りはいつあると言われてた?
- 20 ゆうすげ村の小さな旅館
- 茂市久美子さんの「茂市」という名前は何に由来している?
- 21 おにたのぼうし
- さまざまな色の鬼がいる中で、青鬼にはどんな意味がある?
- 四年
- 22 白いぼうし@
- 「白いぼうし」が初めて世に出た時代に日本で発売・普及した電化製品はどれ?
- 23 白いぼうしA
- 「白いぼうし」に出てくるものの中で、春を表す言葉はどれ?
- 24 一つの花
- 第二次世界大戦中の日本政府が国民に禁止していたことはどれ?
- 25 ごんぎつね@
- 大人になったきつねに見られる行動はどれ?
- 26 ごんぎつねA
- 江戸時代の農民たちはどんな時に火縄銃を使っていた?
- 27 スワンレイクのほとりで
- 小手鞠るいさんは、現在どこに住んでいる?
- 28 世界一美しいぼくの村
- 「ぼくの村」シリーズ三部作の中で、後書きがついているのはどれ?
- 五年
- 29 銀色の裏地
- イギリス発祥の昔話はどれ?
- 30 世界でいちばんやかましい音
- ベンジャミン・エルキンさんのもう一つの物語「ねむれないおうさま」の王様はどうやったら眠れるようになった?
- 31 注文の多い料理店@
- 「注文の多い料理店」とともに宮沢賢治さんの初めての童話集に収録されていた物語はどれ?
- 32 注文の多い料理店A
- 現在の日本の文化として定着しているものの中で、西洋から伝えられた文化ではないものはどれ?
- 33 大造じいさんとガン@
- 「大造じいさんとガン」が初めて世に出された時、椋鳩十さんは何歳ぐらいだった?
- 34 大造じいさんとガンA
- 「大造じいさんとガン」と同様、銃を撃てる状況で人間が動物に銃を撃たなかった物語はどれ?
- 六年
- 35 風切るつばさ
- 「風切るつばさ」の物語ができる一年前に起こった出来事はどれ?
- 36 やまなし
- 宮沢賢治さんの作品の中で、「幻灯」が出てくる物語はどれ?
- 37 ぼくのブック・ウーマン
- ブック・ウーマンという仕事が生まれるきっかけになったアメリカ大統領はだれ?
- 38 海の命@
- 立松和平さんの原型となる物語「一人の海」で、与吉爺さがしていた漁の仕方はどれ?
- 39 海の命A
- 物語のどの場面の太一が小学校六年生の年齢に一番近い?
- 参考文献
はじめに
私は小学校の教師をしています。子どもたちとともに学んでいく国語の物語の学習が大好きです。子どもたちは、大人の私が考えもしなかった疑問をたくさんくれました。
「先生、ガマガエルもカエルの仲間じゃないの?」
「先生、江戸時代の農民って本当に火縄銃を持っていたのかな?」
そこで、物語に出てくる自分では当たり前だと思っていた言葉についても調べるようになりました。すると、物語の世界の解像度が高くなり、物語に隠れていた新たな世界が見えるようになりました。
例えば、ネコについて調べました。「ネコの世界史」(キャサリン・M・ロジャーズ著 渡辺智訳・エクスナレッジ)によると、ネコはもともと日本にはいなかった動物だそうです。タイでは大切な仏教の経典をネズミから守ってくれるものとして寺院で飼われており、中国から日本にネコが伝えられたのも遣隋使や遣唐使のあった七世紀頃だと言われているので、「ネズミを退治するもの」としてネコは日本に来たのでしょう。現代の私たちの暮らしではネズミが身近にいないことからネコとネズミの対立関係を希薄に捉えがちです。しかし、ロシア民話の「おおきなかぶ」や日本に伝わる「十二支」の話、宮西達也さんの「ニャーゴ」やドラえもんの世界などに描かれているこのネコとネズミの関係は、ネコが日本に来た時から一四〇〇年にも及ぶ因縁関係だと考えると、味わい深いものを感じませんか。
本書にある考察は物語の世界観を壊さないものだと考えております。本書を読んでくださった小学校の先生には、ぜひ国語の時間の中で子どもたちに紹介していただきたいと思います。また、どの作品も小学校の国語の教科書に載っている名作です。名作を振り返るきっかけにしていただければ幸いです。授業の導入に使いやすいよう、クイズもご用意させていただきました。
発刊にあたって、これまで私に関わってくださった先生方、私とともに国語の授業についてたくさん考えてくださった仲間の先生方、先生方のおかげで今の私がいます。これからも私は、国語の授業を子どもたちとともに楽しんでいこうと思います。
著者 /星野 克行
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- 明治図書