中学校国語科 週3時間の授業に対応した授業プラン集

中学校国語科 週3時間の授業に対応した授業プラン集

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言語能力の確実な習得が国語科教師に求められている。

授業時間数の削減が,言語の教育としての国語科の在り方を明確にした。ねらいと評価を明確にし,生徒にしっかりとした言語能力を身に付けさせる週3時間の授業を展開する。


復刊時予価: 2,277円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-365926-4
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 120頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

今日,求められている国語科授業
T 新国語科の授業の創造
1 新学習指導要領における国語科の内容と取扱い
(1) 国語科における生徒の学習状況の現状
(2) 国語科の目標
(3) 領域構成の変更と各領域のねらい
(4) 言語活動例の活用
(5) 指導時数の目安
(6) 指導事項の厳選と目標や内容の複数学年表示
(7) 授業時数の削減
2 これからの国語科教室 ――ねらいの明確な授業と目標に準拠した評価
(1) 指導と評価の計画
(2) 観点別評価の進め方
3 指導内容厳選の視点
(1) 授業時間数削減の影響
(2) 指導目標の焦点化と評価の活用
(3) 指導内容の精選
(4) 本書の特色
U 3時間の授業モデル
1 文学的な文章の授業モデル
第1学年 「大人になれなかった弟たちに……」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第2時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
第2学年 「走れメロス」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第3時)/ 評価/ 発展の学習/ 資料・ワークシート等
解説
2 説明的な文章の授業モデル
第1学年 「魚を育てる森」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第2時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
第2学年 「伝え合い」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第2時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
解説
3 話すこと・聞くことの授業モデル
第1学年 「スピーチを聞く」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第2時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
第2・3学年 「よい対話を学ぶ」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第2時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
解説
4 書くことの授業モデル
第1学年 「ヒートアイランド」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第1時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
第2学年 「走れメロス」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第1時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
解説
5 言語事項の授業モデル
第1学年 「漢字に親しみ,書き慣れよう」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第3時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
第2学年 「助詞・助動詞の働きを知ろう」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第1時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
解説
6 古典の授業モデル
第1学年 「竹取物語」
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第1時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
第2・3学年 「平家物語」「徒然草」「春暁」「絶句」「枕草子」他
教材名/ 教材設定の理由/ 3時間の指導計画/ 厳選の視点(従来の指導計画との比較)/ 本時の展開(第1時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
解説
V 選択教科国語の授業モデル
1 選択教科国語の授業の在り方
(1) 教育課程における選択教科の位置付け
(2) 選択教科の内容
(3) 課題学習,補充的な学習,発展的な学習
(4) 選択教科の現状と課題
2 選択教科国語の授業モデル
課題学習の授業モデル「言葉を広げよう」
教材名/ 教材設定の理由/ 4時間の指導計画/ 本時の展開(第3時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
補充的な学習の授業モデル「ワードマップを使ってスピーチをしよう」
教材名/ 教材設定の理由/ 4時間の指導計画/ 本時の展開(第1〜2時)/ 評価/ 課題/ 資料・ワークシート等
発展的な学習の授業モデル「言葉の力」
教材名/ 教材設定の理由/ 4時間の指導計画/ 本時の展開(第3時)/ 評価/ 課題
解説

今日,求められている国語科授業

 国語科は,言語能力の育成を目指す教科である。国語科は,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育成する教科である。したがって,各中学校における国語科の授業は,その学習を通して生徒に国語の能力をしっかりと身に付けさせるとともに,国語を尊重し,愛護する態度を育てる必要がある。このように国語科のねらいは明確であるにもかかわらず,「国語の授業でどんな力を身に付けたのか分からない」という生徒の声を耳にすることがある。また,国語科の授業が「文学的な文章の詳細な読解」に偏りがちであるという指摘もある。私たち国語科教師は,このような生徒の声や国語科への指摘を真摯に受け止める必要がある。

 平成14年度から全面実施された中学校学習指導要領では,国語科の年間授業時数が各学年35時間の削減となった。今日,この授業時数で生徒に言語能力を確実に身に付けさせることが国語科教師に求められているのである。本書は,このような求めに応えるための授業を創造するために努力を重ねてきた国語科教師たちの実践集である。その実践に共通しているのは,どの授業においても,「育成を目指す言語能力」を明確に意識して指導していることである。すなわち,国語科の使命である言語能力の育成を明確に意識した授業を実現することで,国語科の授業時数の削減に対応しているのである。このことは,本書に収録された実践がすべてその冒頭に「育成を目指す言語能力」を掲げていることにも示されている。そして,ねらいとする言語能力が生徒の身に付いたかどうかを評価する観点もまた明確である。指導と評価は一体的なものである。ねらいの明確な学習指導は,明確な学習評価を可能とするのである。

 年間授業時数の削減という国語科にとって厳しい状況の中で,国語科が本来なすべきことを明確にした授業が生まれつつある。本書に示された国語科教室の生徒たちが,「国語の授業でどんな力を身に付けたのか分からない」などと言うことはあるまい。日々の授業を通して自らの言語能力が高められていくことを実感しているに違いない。そして,そのような実感を与えてくれる国語科の授業を魅力的な時間と感じているであろう。

 生徒にしっかりとした言語能力を身に付けさせるために,多くの国語科教師に本書を読んでいただきたいと思う。

 最後に,本書の発行に際しては,明治図書の石塚嘉典,大場亨両氏に大変お世話になった。記して感謝する。


  平成15年7月   /河野 庸介

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      明治図書

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