学級経営サポートBOOKS
気になる子どもの心に寄り添う 教師のための心理術

学級経営サポートBOOKS気になる子どもの心に寄り添う 教師のための心理術

総合30位

心理術で劇的に変わる!子どもに寄り添った学級経営

子どもの「困った行動」も、視点を変えて読み解くと行動の理由と本当に必要な指導が見えてくる。生活態度・教師との関係・友達との関係・授業態度、4つの場面によくある40のケーススタディで心理術のすべてがわかる!


紙版価格: 1,980円(税込)

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電子版予価: 1,782円(税込)

1/26刊行予定

ISBN:
978-4-18-365822-7
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
在庫あり
出荷:
2021年10月25日
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Contents

もくじの詳細表示

はじめに
Chapter1 子どもの心に寄り添う心理術を知ろう
1 心理学の視点から子どもを理解する
2 子どもの望ましい行動を増やす
3 子どもの心に寄り添うために〜心理術 20の視点〜
1 受容的な態度で,多面的に子どもを理解する
2 学年特有の難しさを理解する
3 子どもの特性に応じた,オーダーメイドな対策を用意する
4 子どもの学び方の多様性に応じる
5 身近なモデルを示したり,不安感を和らげたりして行動を支える
6 子どもが理解しやすいゴールとルートを設定する
7 授業中のアウトプットの場を増やす
8 「ほめる」・「叱る」行為を機能から考え,理解する
9 「ほめず」にほめる・「叱らず」に叱る
10 子どもは教師(=自分)の鏡であることを意識する
11 受容と要求(指導)のバランスをとる
12 仲間関係の築きやすい優しく開放的な集団をつくる
13 「困った事態」を「発達課題」として家庭と連携する
14 行動の原因を見抜き,意味のあるアプローチをする
15 感情のセルフコントロール力を育む
16 認知機能を高める
17 一人で抱え込まず,学級の荒れを未然に防ぐ
18 個に合わせて「ポジティブ」にひいきする
19 ユーモア感覚を磨く
20 心の内側を表現しやすい機会をつくる
Chapter2 子どもの心に寄り添う心理術ケーススタディ40
生活態度
ケース1 忘れ物が多い子 家庭の協力を得る+ワーキングメモリの弱さを克服する
ケース2 落ち着きがなく,すぐ立ち歩いたりおしゃべりしたりする子 立ち歩いて意見交流をする時間(オープンタイム)を設定する
ケース3 退屈すると教室から脱け出してしまう子 「教室にいると楽しい」という気持ちに結びつく対応を続ける
ケース4 話が聞けない子,うまく聞き取れない子 キーワードは板書し,視覚的に認識できるようにする
ケース5 周囲の刺激に敏感で注意が集中できない子 位置の工夫や道具の使用で刺激を軽減・制限する
ケース6 苦手意識が強い子,自信がもてない子 安心して取り組めるスモールステップと,身近に感じられる目標としてのコーピングモデルを活用する
ケース7 パニックを起こしたりキレたりしやすい子 パニックが起きる前と最中の具体的な対応を決めておく
ケース8 「ひいき,ひいき」と騒ぐ子 「みんなをひいきします」宣言でポジディブなひいきをする
ケース9 給食の好き嫌いが激しい子 無理して食べさせず,自己調整する力を養う
ケース10 掃除当番や係の仕事をサボる子 きちんと仕事をしている子をほめて,クラスにやる気の渦を起こす
ケース11 苦手な活動があると登校を渋りがちになる子 ユーモアを交えたエピソードで,「苦手があっても大丈夫」の安心感をもたせる
ケース12 頻繁に腹痛や頭痛を訴える子 辛さの原因に応じた対処法を伝え,改善を目指す
ケース13 お母さんから離れられない子 ハンドパペットやマスコットで小学校生活にわくわく感・安心感をもたせる
ケース14 親子関係が悪く,学校でイライラをぶつける子 子どもの変化を通して,親の接し方にも変化を起こす
教師との関係
ケース15 いくら注意しても行動が改まらない子 時間をかけてプラスの行動をほめて増やす
ケース16 うそや言い訳ばかりする子 真っ向から否定せず,どうすればよかったかを一緒に考える
ケース17 教師に反抗しがちな子 客観的によい行動に目を向けまずはほめる
ケース18 教師に怒りをぶつける子 子どもの怒りを言語化させる
ケース19 叱られても納得せず聞き流す子 教師が叱りたいことを子どもに考えさせる
ケース20 自分から教師に話しかけられない子 話しかけやすいような「隙」と子どもにあわせた「間」を意識する
ケース21 ほめられることが少ない子 学校でも家庭でもほめられる機会を意識してつくる
友達との関係
ケース22 グループ間のトラブルを起こしがちな子 トラブル原因の「見える化」で対立関係を協働関係に導く
ケース23 陰で悪口を言ったりいたずらしたりする子 指導と並行して,劣等感などの背景を聞き取り本人のよさを伸ばす働きかけを工夫する
ケース24 けんかやトラブルが多い子 子ども自身が言動をみなおすきっかけをつくる
ケース25 すぐに手や足が出てしまう子 暴力以外の手段で対処できるように切り替えさせていく
ケース26 仲間に加われない子・孤立しがちな子 子どもを支え子ども同士をつなぎ,学級集団の環境を整える
ケース27 被害者意識が強い子 トラブルを図解化し客観的に理解しやすくする
ケース28 いじめられても明るくふるまう子 隠しきれないSOSを敏感にとらえる
ケース29 友達を独り占めにしがちな子 教師が少しずつ介入し「独り占め」状態を解消していく
ケース30 真面目で友達に厳し過ぎる子 ユーモア感覚を生かした指導で笑顔と落ち着きを取り戻す
授業態度
ケース31 勉強につまずいている子 「つまずき」の本質を捉えて支援する
ケース32 「わかっているから授業がつまらない」と言う子 ティーチャーズ・セレクト課題とルーブリックでチャレンジしたくなる気持ちを促す
ケース33 学習場面でやる気が出ない子 まずは得意な教科で意欲をひきだす
ケース34 授業開始までに自分の席に戻らない子 子どもの遅れた理由を明確にし,理由にあわせて手立てを考える
ケース35 いつも宿題を忘れる子 その子だけの特別な宿題で取り組むきっかけをつくる
ケース36 授業中,わかっていても手を挙げない子 発言の仕方にいろいろなパターンを用意しのびのび表現できるようにする
ケース37 授業中,自分の考えをすぐ口にしてしまう子 発問から挙手・発言までに少し間を置いてみる
ケース38 グループ学習で自分の意見が言えない子 緊張しにくい環境づくりと楽しいトレーニングで発言しやすくする
ケース39 ノートやワークシートに書くのが苦手な子 書くこと以外の選択肢とハイブリッドな評価基準を用意する
ケース40 中学受験による負荷がかかり授業を乱す子 受験の大変さを理解し,学校でも活躍できる学習の場をつくる
おわりに
引用・参考文献

はじめに

 学校現場には,世代交代の波が急激に押し寄せている。20代の教員が半数近くを占める学校や,初任者が複数配置される学校もめずらしくなくなってきた。大学を出てすぐ,一人前の教員として教育実践に取り組むのが当たり前の新人教員。目の前には,難しい課題が山積している。

 かつて指導を担当した新人教員の言葉が,今も忘れられない。「わからないことがあれば,気軽になんでも聞いてほしい」と伝えた私に返ってきたのは,「わからないことが何なのかわからないから,何を聞けばいいのかがわかりません」のひとこと。なるほどなぁと納得しつつも戸惑いを覚えたのが,つい昨日のことのように思い出される。

 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善,授業におけるICT活用,発達に偏りのある子への適切な指導,保護者への対応等々。経験を重ねたベテラン教員でも悩むような日が続く。

 若手教員をどう支えればよいか,いろいろな方向から探ってきた(浦野・丸山,2009,浦野・福島,2013ほか)。その中で見えてきたのが,子どもの側に立ち,子どもに寄り添いながら進める学級経営の重要性だった。

 ただ,ひとことで「子どもに寄り添う」と言っても,学級集団の中で一人一人に寄り添うのは容易なことではない。個への対応と集団への対応の両面からの工夫が必要になる。我が身を振り返れば,子どもたちに寄り添いきれなかったことがいくつも思い出され,その頃の子どもたちに申し訳ない気持ちになる。乗り越えられそうもない状況に直面し,通院を余儀なくされたこともあった。それでも教員を続けてこられたのは,仲間や家族の支えと,心理学のおかげだと思う。


 私は大学・大学院を通して,教育相談室を運営する研究室に軸足を置き教育心理学や臨床心理学を学んだ。教育相談室には,不登校や場面緘黙,夜尿症やチックなどさまざまな課題を抱える子どもたちが訪れた。そんな子どもたちに対するプレイセラピーや行動療法などを経験する中で,「子どもに寄り添うこと」や「心理学の視点を生かすこと」の意義について,少しずつ理解を深めていった。

 ある日,研究室の指導教官に声をかけられ,マンツーマンで読み始めた本のタイトルが“Classroom Management”。学級経営に応用行動分析を生かす方法を説く,米国の教員向けのテキストだ。「学校現場で日々子どもたちと接する教師の手にこそ心理学を!」というのが指導教官の持論だった。

 限られた専門家が限られた場所で生かす心理学から,教員が日常の学級経営の場で生かせる心理学へ。そんな願いを,わずかながら本書で実現することができたかもしれない。


 昨日までの日常が,明日からの日常であるとは限らない。同様に,これまでの優れた実践が,これからも優れた実践であり続けるとは限らない。新しい生き方,社会の在り方が問われている今,過去の経験に頼っているばかりでは教育実践を進化させることは難しい。

 変化が激しく,未来を予測しにくい時代に必要なもの。それは変化に柔軟に応じられる理論,あるいは新たな変化を生み出すことのできる理論なのではないだろうか。そのような理論に裏打ちされた「柔軟で新しい教育実践」は,学校現場にいる私たち教員だからこそ生み出せるものだと思う。

 子どもに寄り添い,子どもたちの学校生活を充実させようと日々,子どもたちに向き合ってきた実践から本書が生まれた。本書を手にしてくださった方々の学級経営に役立てていただければ幸いである。


*Chapter2で取り上げたケーススタディの内容は,プライバシー保護の観点から,すべて複数の事例をもとに作成した架空のものであることをお断りしておく。


  2021年6月   /浦野 裕司

著者紹介

浦野 裕司(うらの ゆうじ)著書を検索»

1983年,東京学芸大学大学院(学校教育専攻・臨床心理学講座)修了。武蔵野市立大野田小学校,武蔵野市立第三小学校,国分寺市立第八小学校を経て,杉並区立桃井第三小学校に勤務。学校心理士スーパーバイザー。

教職に就いて以来,特別支援学級や通常学級の担任として,心理学を生かした学級経営と学習指導に関する実践を重ねてきた。近年はUDL(学びのユニバーサルデザイン)の視点を取り入れた学習活動,授業におけるICT活用などにも積極的に取り組む。現在は新人育成教員として,子どもの多様性に応じられる授業や教育相談的な対応等について,新人・若手教員への助言とサポートに努めている。

<所属学会・研究会>

 日本教育心理学会,日本LD学会,日本学校心理士会

 UDL研究会

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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