小学校国語科3・4年全単元の絶対評価
評価の工夫と実際

小学校国語科3・4年全単元の絶対評価評価の工夫と実際

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現在各学校現場の大きな研究課題となっている絶対評価。求められる評価とはどのようなものか。この問いに国語科3・4年の全単元でその実際を簡潔に示して答えた。


復刊時予価: 2,244円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-365728-8
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 116頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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まえがき
1章 国語科における絶対評価の基本
§1 観点別学習状況の絶対評価
§2 評価・評定の絶対評価(絶対評価にした意味と進め方の課題)
§3 評価計画と評価のポイント
§4 授業の中の絶対評価(絶対評価の進め方と活用)
2章 国語科3・4年評価規準活用の全単元 絶対評価の実際
§1 「話すこと・聞くこと」の絶対評価の実際
1 適切な言葉遣いで話す 「グループのみんなにしょうかいしよう」(学校図書3上)
2 聞いて自分の感想をまとめる 「大砲の中のアヒル」(学校図書3下)
3 進んで話し合う 「もうどう犬の訓練」(東京書籍3下)
4 話題についてスピーチをする 「自分のことを友だちに知ってもらおう」(東京書籍3上)
5 メモを取りながら聞く
6 説明したり報告したりする
§2 「書くこと」の絶対評価の実際
1 相手や目的に応じて書く 「しょうたいじょうを作ろう」(光村図書3上)
2 書く事柄を収集し選択する 「パンフレットを作ろう」(光村図書3下)
3 段落相互の関係を考えて書く 「せつ明書を作ろう」(光村図書3下)
4 段落と段落の続き方に注意して書く 「たから物をさがしに」(光村図書3下)
5 よいところを見つけ,間違いは正す 「せつ明書を作ろう」(光村図書3下)
6 手紙を書く
7 調べたことをまとめて書く
8 記録文や学級新聞などに表す
§3 「読むこと」の絶対評価の実際
1 いろいろな分野の読み物を読む 「本の世界を広げよう」(光村図書4上)
2 文章の内容を正しく読む 「ヤドカリとイソギンチャク」(東京書籍4上)
3 叙述に即して想像しながら読む 「モチモチの木」(光村図書3下)
4 感じ方や考え方の違いに気付く 「三年とうげ」(光村図書3上)
5 必要な細部に注意して読む 「自然のかくし絵」(東京書籍3上)
6 内容がわかるように声に出して読む 「とっときのとっかえっこ」(東京書籍4上)
7 関連した文章を読む 「つな引きのお祭り」(東京書籍3下)
8 関係ある図書資料を探して読む 「世界一美しいぼくの村」(東京書籍4下)

まえがき

 小学校学習指導要領が改正され,平成10年12月14日に告示となり,平成14年4月1日から施行されることになりました。教育課程の基準の改善に当たっては,完全学校週5日制の中で,ゆとりのある教育活動を展開し,児童生徒に自ら学び自ら考える力など「生きる力」を育成することを基本的な考え方としています。

 国語科における改訂の基本方針の中心は,「言語の教育としての立場を重視し,国語に対する関心を高め国語を尊重する態度を育てるとともに,豊かな言語感覚を養い,互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成することを重点に置いて内容の改善を図る」としています。さらにまた,国語科の目標としての資質や能力としては,「特に,文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め,自分の考えをもち,論理的に意見を述べる能力,目的や場面などに応じて適切に表現する能力,目的に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度」を育てることを重視しています。そのために,これまでの2領域と[言語事項]から3領域と[言語事項]で内容を構成することにしています。

 完全学校週5日制や総合的な学習の時間が第3学年以上に週3時間新設されたことにより,年間総授業時数が削減されることになりました。他の教科と同様に,国語科においても年間各学年ともにおよそ14%の削減となりました。こうしたこともあり児童の「学力が低下している」ということが言われ,話題となりました。しかし,まだ新しい学習指導要領による教育課程の実践は,一学期を経過しただけであり,現時点での学力低下が新学習指導要領の実施によるとはとうてい言えないところです。

 新しい学習指導要領の下の評価について,平成12年12月の教育課程審議会の答申において,学習指導要領に示す目標に照らしてその実現の状況を見る評価(いわゆる絶対評価)を一層重視し,観点別学習状況の評価を基本として,児童生徒の学習の到達度を適切に評価することが重要であるとしています。また,従前の「集団に準拠した評価」(いわゆる相対評価)ではなく,絶対評価及び個人内評価を柱とすることを示唆しています。

 絶対評価を確実に進めるためには,単元における評価の観点や評価規準を明確にしていくことが必要になります。このときの問題としては,学力の評価においては一般的な言い方で「見える学力」「見えない学力」ということがあります。「見えない学力」となれば「見えない」のであるから学力を評価することはできないことになります。ですから国語科では「見えない学力」ではなく,「見えにくい学力」としてとらえていきたいと考えます。「見えにくい学力」をいかに確かに見取って評価するか,どうしたら客観的で正確な評価ができるかを具体的に工夫していかなくてはならないと考えます。なぜなら,国語科で評価規準を設定して評価していこうとする能力や技能は,他の教科に比べて,その多くが「見えにくい学力」であると言えるからです。

 絶対評価を確かに実施していくためには,単元ごとの評価の観点や評価の内容を明らかにし,単元及び毎時間の評価規準を明確にすることが必要になります。また,評価の工夫改善を進め,学習指導の過程や一人一人の児童の学習の結果を継続的に把握して,総括できるよう進めることが必要です。このことのためには各学校において,年間の評価計画を作成することやそれにそった単元における評価規準,一時間ごとの評価規準の具体が明らかに設定されていることが大切になります。

 評価規準を設定する最初の段階では,設定までの過程の理解や計画の作成に多くの時間と手数がかかります。実際のところ,新しい学習指導要領による実践が始まり一学期が経過しましたが,具体的に準備ができた学校は必ずしも多いとは言えません。

 本書では,1章において,評価規準の設定のための基本的な考え方や手順を示しています。国語科の目標や各学年の目標,内容の評価の観点の趣旨については,国立教育政策研究所より参考資料として示されています。それを参考にしながら,単元及び一時間における評価規準の設定及び評価の方法を明らかにしています。

 2章においては,「話すこと・聞くこと」「書くこと」・「読むこと」の領域別に構成しています。新しい学習指導要領では,2学年まとめて内容を示していますが,低・中・高学年に分け,指導内容にそった主たる単元及び本時の指導における評価規準の具体を設定しています。特に,観点別評価の進め方の中でも,「十分満足できる状況と判断した児童の状況」や「単元の観点別評価表」の作成については参考にしていただけるよう工夫しています。

 各学校においては,年間指導計画にそった全単元における評価規準が整えられることが求められています。作成に当たり本書を積極的に活用されることを願ってやみません。

 終わりに,本書の趣旨を理解していただき執筆にご協力くださいました先生方に心よりお礼申し上げます。また,企画・出版にご尽力いただきました編集部の安藤征宏氏に深く感謝申し上げます。


  平成14年10月   編者 /清水 健

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