国語科到達度・絶対評価ワークシート
第2巻
基本・言語事項編

国語科到達度・絶対評価ワークシート 第2巻 基本・言語事項編

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国語科の絶対評価の基準は「言語技術」であるとの観点から漢字の読み書き、言葉のきまり、品詞、主語と述語、文節、係り受け、敬語、事実と意見等を5〜10分問題に構成。


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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-363717-1
ジャンル:
国語
刊行:
3刷
対象:
小・中
仕様:
B5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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到達度絶対評価の理論と技術 /国府田 祐子
言語事項 1 漢字の読み書き・部首・画数・書き順等
1 なまえのじ       小学一年 5分問題 /国府田 祐子
2 たべもの        小学一年 10分問題 /国府田 祐子
3 みたこと、きいたこと  小学一年 10分問題 /佐藤 公
4 よみがな        小学一年 5分問題 /斉藤 かおり
5 かきましょう(1)     小学一年 5分問題 /佐藤 公
6 かきましょう(2)     小学一年 10分問題 /増田 泉
7 かきましょう(3)     小学一年 10分問題 /増田 泉
8 はんたいのことば(4)   小学一年 10分問題 /佐藤 公
9 はんたいのことば(5)   小学一年 10分問題 /佐藤 公
10 はんたいのことば(6)   小学一年 10分問題 /増田 泉
11 はじめのばしょ     小学一年 10分問題 /斉藤 かおり
12 かん字(1)        小学一年 10分問題 /国府田 祐子
13 かん字(2)        小学一年 10分問題 /国府田 祐子
14 はなしたことば     小学一年 10分問題 /斉藤 かおり
15 ひらがなをかんじに   小学二年 10分問題 /西山 悦子
16 ただしいほうを     小学二年 10分問題 /西山 悦子
17 どんなことばが     小学二年 10分問題 /国府田 祐子
18 読みがな(1)       小学三年 10分問題 /山田 和人
19 メールを送ろう     小学四年 10分問題 /岩井 奈美枝
20 何画ですか       小学四年 5分問題 /岩井 奈美枝
21 何画目ですか      小学四年 5分問題 /岩井 奈美枝
22 かんむりとへん     小学四年 5分問題 /岩井 奈美枝
23 てがみ         小学四年 10分問題 /岩井 奈美枝
24 漢字に直そう      小学五年 10分問題 /国府田 祐子
25 読みがな(2)       小学六年 5分問題 /深谷 幸恵
26 読みがな(3)       小学六年 5分問題 /国府田 祐子
27 読みがな(4)       小学六年 5分問題 /岩井 信康
28 漢字を正しく      小学六年 10分問題 /岩井 信康
29 漢字を書く       中学二年 5分問題 /渡辺 真由美
30 漢字をひらがなに    中学二年 5分問題 /渡辺 真由美
31 同じ部首を       中学三年 10分問題 /田辺 泰
言語事項 2 (言葉のきまり・品詞・主語と述語・文節・係り受け等)
1 主語と述語(1)      小学五年 10分問題 /国府田 祐子
2 まるで…        小学六年 10分問題 /深谷 幸恵
3 かなづかい       小学六年 5分問題 /岩井 信康
4 主語と述語(2)      小学六年 10分問題 /岩井 信康
5 主語と述語(3)      小学六年 10分問題 /中村 ひろみ
6 かなづかい       小学六年 5分問題 /小澤 真由美
7 主語と述語(4)      中学三年 10分問題 /田辺 泰
8 助動詞         中学三年 5分問題 /渡辺 真由美
言語事項 3 (語句・語彙・四字熟語・ことわざ・慣用句・同音異義語・類義語等)
1 ことばのくみ合わせ   小学三年 5分問題 /山田 和人
2 ことわざ(1)       小学五年 5分問題 /国府田 祐子
3 ことわざ(2)       小学六年 5分問題 /中村 ひろみ
4 熟  語        小学六年 10分問題 /中村 ひろみ
5 ことわざ(3)       中学三年 5分問題 /山崎 真弓
6 慣用句(1)        中学三年 5分問題 /山崎 真弓
7 慣用句(2)        中学三年 5分問題 /山崎 真弓
8 慣用句(3)        中学三年 10分問題 /山崎 真弓
言語事項 4 (その他・敬語・事実と意見等)
1 事実と意見(1)      小学四年 5分問題 /岩井 奈美枝
2 事実と意見(2)      小学四年 5分問題 /岩井 奈美枝
3 敬語(1)         小学四年 10分問題 /岩井 奈美枝
4 敬語(2)         小学四年 10分問題 /国府田 祐子
5 敬語(3)         小学四年 10分問題 /国府田 祐子
6 漢  字        小学六年 5分問題 /小澤 真由美
7 敬語(4)         小学六年 10分問題 /小澤 真由美
8 事実と意見(3)      小学六年 5分問題 /中村 ひろみ
9 敬語(5)         小学六年 5分問題 /岩井 信康
10 敬語(6)         小学六年 5分問題 /深谷 幸恵
11 敬語(7)         中学三年 5分問題 /山崎 真弓
12 事実と意見(4)      中学三年 10分問題 /田辺 泰

到達度絶対評価の理論と技術

1 これまで用いられてきた相対評価


(1) 「相対評価」とは

 相対評価とは「集団準拠テスト」と呼ばれ、「子どもの学力の個人差を集団の中で相対的位置によって測定し識別しようとするもの」(水川)であり、「到達点を限りなく遠方に設定し、そこにいたる道程において子どもの個人差を評価する」(深沢)という性質を持つ。指導の方向を示す評価であるから、到達度を評価することはできない。


(2) 相対評価の利点

 このような相対評価は、第二次世界大戦後まもなく、厳密な正常分布曲線にしたがった5段階評価として盛んに使われた。しかし、「通知票」の記載について5段階評価によることは批判が多く、一九七一年二月に当時の文部省は通知表の評価形式には何ら法的規制がないこと、5段階評価の機械的割り振りをしないことを通達で指示した。さらに一九八〇年には、(1)小学校一、二年では3段階評価、(2)観点別学習状況欄を設けて到達度評価を導入する、(3)指導要録の様式や評価基準の作成に創意・工夫をこらすこと、を指示した。

 このような経過を見ると、教室では相対評価の5段階評価がいかに根強く使われていたか、特に入学試験の内申書を作成する小学校(私立中学受験)、中学校(高校受験)では、その客観性の「保証」として5(10)段階評価がいかに広く使われていたかがわかる。

 このように相対評価が学校教育に深く入りこんだ理由は、二点ある。

 第一は、たくさんの児童・生徒数である。現在と異なり、戦後のベビーブーム時代は一クラス五〇人編成であり、受験競争も激しかった。その状況の中では客観的な評価方法が何より重視された。また、標準偏差値を相対評価に利用する方法も案出されて、正常分布曲線による成績処理が、公平で科学的な方法であるという考えが浸透した。

 第二は、偏差値の「合理性」である。指導内容に応じて児童生徒の成績を点数化したとき、平均点が常に六〇点になるとは限らない。そのとき、偏差値によって「偏差値50または5段階の3」と換算すると、前回の位置づけと比較できる。この偏差値による換算は、テストの品質、難易度などとは関係なく、集団内の位置づけを常に安定的に表示する。この「合理性」が、入学試験の合格・不合格の予想に重宝されている(大学入試合否予想のためには一〇万人規模の基礎データが必要である。このために予備校はデータを得るために格安の料金で模擬試験を行う)。


2 今なぜ絶対評価か


(1) 「絶対評価」とは

 「絶対評価」は、「目標に準拠した評価」と呼ばれ、「発達の基礎として欠かせない学力を到達目標として明確にし、それに照らして到達度を評価するもの」(水川)であり、「習得すべき内容についての到達度を評価する」(深沢)性質を持ち、到達目標の設定と密接な関連を持っている。集団に依拠した相対評価とは違い、「絶対評価」は、すべての児童・生徒の学力が、指導目標に対してどの位置にあるかをそれぞれに示す評価方法である。


(2) 今なぜ絶対評価か

 これまでの相対評価に代わって、絶対評価が取り上げられることになった背景には、社会における価値観の多様化、情報化・国際化・少子化などさまざまな要因が考えられる。教育課程審議会が二〇〇〇年一二月四日に出した答申の中には、このような現状に対応しようとしたと見られる以下のような文章がある。

   新しい学習指導要領においては、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむことを目指し、学習指導要領に示された基礎的・基本的な内容の確実な習得を図ることを重視していることから、学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価(いわゆる絶対評価)を一層重視し、観点別学習状況の評価を基本として、児童生徒の学習の到達度を適切に評価していくことが重要となる。(同答申、第一章第二節二。傍線は国府田)

 この教育課程審議会の答申は、これまでの集団内の位置づけという大づかみな相対評価から、児童・生徒の一人ひとりの実体を表す評価に向けてさらに一歩踏み出した、と言うことができる。


(3) 絶対評価の利点

 絶対評価では、相対評価で測ることのできなかった学力を測ることができるほか、いくつかの利点がある。

  1 到達基準が明確に限定されているため、子ども一人ひとりに即してどの程度到達目標を達成したのかを示すことができる。

  2 教育目標の達成度が評価されるので、教師の指導計画、指導法の決定やカリキュラムの効果の判定やその改善のための有効な資料にできる。

  3 相対評価でしばしば利用される正規(正常)分布曲線の考え方は必要としないから、いわゆる段階点に占める人数の割合を厳守しなくてもよいことになる。したがって他人をけ落とさなければ自らの成績を上げることができないといった敵対的競争に陥ることなく、子ども自身の学習への努力を正当に評価することができる。        (深沢)

 13は、児童・生徒の側に立った利点である。児童・生徒の基礎的・基本的な学力を保障し、やる気を起こさせることができるというのである。児童・生徒自身は、努力すれば努力した分だけ伸びが期待でき、自分の伸長を客観的に把握することができる。相対評価は個人と個人の差異性が問題にされるが、絶対評価は「個人と目標」の関係が重要になる。

 2は、教師側の利点である。教師は一人ひとりの良い点や可能性、進歩の状況について直接把握することができる。教師自身に対しては、目標を達成するための授業の質が問われ、授業改善につながる。


3 絶対評価採用のときの留意点


 教授学的可能性が大きい絶対評価であるが、その方法的限界もこれまでいくつか指摘されてきた。その主なものは次のようなものである。

 1 瑣末な知識の獲得を主としたテストの点数のみが、その子の絶対的な価値の表現になる。

 2 細切れに到達目標をつぶしていくという、「目標つぶし」の授業になりがちである。こういう授業では、児童・生徒の学習意欲や主体的学習が失われる。学習の総合的な目標を児童・生徒に提示する必要がある。

 3 学力・能力の発達を保障する教育目標のすべてを「到達目標」として示すことができるわけではない。必要かつ精選した教育目標が大切になる。

 4 クラス全体の中の位置づけを明示する「相対評価」によって、学習意欲を呼び起こす場合もある。

 5 相対評価と絶対評価とを単純に折衷した「絶対評価を加味した相対評価」は、一見理想的に見えるが、実質は目標別の相対評価である。そのため「選別と差別のための評価」に陥りやすい。


4 国語科における絶対評価の基準は「言語技術」である


 到達目標とは、すべての児童・生徒に身につけさせたい学力を具体的な言葉で表現したものである。今までの国語科は、「主人公の気持ちを豊かに想像する」「自分の思ったことを素直に表現する」といった曖昧な目標が主流であった。新しい学習指導要領でも、方向目標(相対評価)と、到達目標(絶対評価)の言葉が混在しているので、学習指導要領の文言をそのまま授業で具体化することは困難である。

 そこに、国語科における到達目標、すなわち基礎・基本を明確にする必要が生じる。その基準には、「言語技術の体系化」が有効である。「言語技術」を明確にした授業は、児童・生徒の学力を客観的に評価でき、児童・生徒自身、自分に学力がついた、と実感できる授業となる。

 日本言語技術教育学会東京神田支部では、「言語技術」を「基礎」と「基本」に分け、それぞれを「視写・聞き取り・音読」(基礎)、「言語事項・説明文・文学・古典」(基本)として設定し、さらに各学年の到達目標を明らかにした。


(1) 基礎/初歩の段階で核心となる内容

1 視   写

 手本の文章をそのまま原稿用紙に書き写す学習である。指導事項は、第一に「丁寧さ」、第二に「正確さ」、第三に「速さ」、である。

 児童・生徒が視写をしようとするとき、一文字ずつ書き写すことはほとんどない。何文字かをまとめて眺め、言葉のまとりまりとして認識して記憶し、それを書き写すという手順をたどる。語彙の多い児童・生徒や、普段から文章の生活に慣れている児童・生徒は、視写が丁寧で速い。反対に一文字ずつ書き写す児童・生徒はスピードも遅く、字形も不安定である。視写がよくできる児童・生徒は、国語の学力があると判断してよい。視写は、国語の基礎的な力が総合的に身についているかどうか客観的に測ることのできる評価方法である。

 視写は繰り返し指導することによって向上する技術であり、児童・生徒自身にも伸びが実感できる技術である。教室では一回三分、一〜二週間に一回くらい繰り返して指導するとよい。何文字くらい写すことができれば基準に到達しているかという目安は、これまでの指導経験によるとだいたい次のとおりである(一分間の目安)。

 小学一年/一〇字  小学四年/二〇字  中学一年/二五字

 小学二年/一五字  小学五年/二〇字  中学二年/三〇字

 小学三年/二〇字  小学六年/二〇字  中学三年/三〇字

 右の文字数は、当該学年程度の文章を、初めて読んだ際に視写する場合の「目安」である。その学年より下のレベルの文章を写す際には、文字数は多くなる。この「目安」は、今後多くの研究や指導経験を積み重ねることによって、修正が必要になるかもしれない。

2 聞き取り・聴写

 教師が音読する文章の内容を記憶して設問に答えたり、教師が読み上げる文章をそっくりそのまま聞き書きする(聴写する)学習である。指導事項は、第一に「丁寧さ」、第二に「正確さ」、第三に「速さ」である。聴写は、相手の話の要点を聞いて理解する、「メモ」の学習の基礎でもある。

 聴写は、視写に加えて、「音声を既知の言葉に変換する」「漢字やカタカナに直す」「記憶を保持する」「書きながら聞く」などの手順が付加される。視写は写す文章の範囲を見渡すことができるが、聴写はいつ終わるのか分からないという不安もあり、児童・生徒には難しい学習に映る。

 初心の生徒に聴写の学習を行うときの注意は、以下のとおりである。

 A これから聴写する文章の長さを行数で予告する(「だいたい五行あります」等)。

 B 聞き逃しをしたらその行は空白にして、その先を書き続けるように言っておく。

 C 手本の文章は、滑らかにはっきりと、淡々とした声で読む。

 D 片仮名や、キーワードの言葉は、二、三回繰り返してやる。

 E 句読点は、区切って読む方がよい。句読点でも「まる」「てん」と読んで聞かせる。

 F 漢熟語の説明は口頭で行う(例「共生、ともにいきる」「非分離、分離しない」等)。

 採点方法としては、教師が回収する場合と、児童・生徒に自己採点させる方法がある。小学校高学年以上なら、手本の文をプリントして配り、赤鉛筆で自己診断させる。そのとき、漢字の書き方や送り仮名にはあまりとらわれず、空白になっている箇所を重点的に書き加えさせる。二回、三回と行うと、目に見えて上達する。

3 音   読

 与えられた文章を、声に出してすらすらと滑らかに読む学習である。音読が遅い児童・生徒は、黙読のスピードも遅い。小学校高学年以上でも、音読を訓練すれば黙読を速くすることができる。音読を訓練するのは、黙読の正確さと速さを高めるためであり、児童・生徒に将来の読書量を保障するためである。視写や聞き取りと同様に、音読も繰り返し練習することによって、上達することが可能な基礎的言語技術である。

 一分間に何文字読めれば到達しているかの目安は、だいたい以下のとおりである。

 小学一年/一〇〇字  小学四年/二五〇字  中学一年/三五〇字

 小学二年/一五〇字  小学五年/三〇〇字  中学二年/四〇〇字

 小学三年/二〇〇字  小学六年/三五〇字  中学三年/四五〇字

 右の速さは、音読の対象となる文章が文学教材か説明文教材かによっても異なる。文学教材の描写の部分では音読は遅くなる傾向にある。音読は、速ければ速い方がいいというものではなく、「意味を理解しながら速く読む」という読み方が望ましい。


(2) 基本/学習の各段階で核心となる内容

4 言語事項

 この本では、到達基準をわかりやすく提示するために、次の四項目に分けてある。

 「言語事項1(漢字)」 漢字の読み書き、部首、画数、書き順等

 「言語事項2(言葉のきまり・文法)」 品詞、主語と述語、文節等

 「言葉事項3(語句・語彙)」 四字熟語、ことわざ、慣用句、同音異義語、対義語・類義語等

 「言葉事項4(その他)」 敬語、季語、事実の文と意見の文の区別等、その他1〜3に属さないもの

5 説 明 文

 説明文の学習において絶対評価到達基準として示した言語技術は、以下のとおりである。

 「話   題」/提示された話題をとらえる。

 「文章構成」/文章を意味段階で区分したり、段落の役割を理解する。

 「キーワード」/意味段落のキーワードをとらえる。

 「要   約」/文章を要約する。

 「筆者の主張」/筆者の主張が書かれている段落を指摘したり、文中から抜き出す。

6 文学・古典(物語・詩・小説)

 文学・古典の学習において絶対評価到達基準として示した言語技術は、以下のとおりである。

 「登場人物」/登場人物を挙げる。

 「あらすじ」/あらすじを述べる。

 「会   話」/会話の内容や効果を理解する。

 「描   写」/人物描写・情景描写・自然描写・心理描写等の効果を理解する。

 「詩の技法」/擬人法や倒置法、暗喩・比喩等の技法を理解する。

 「語句の意味」/語句の意味を理解する。

 「旧仮名遣い・現代仮名遣い」/旧仮名遣いを現代仮名遣いに変換できる。


5 本書の使い方


(1) 「診断ワークシート」とは、学年始めに行うワークシートである。進級(進学)した児童・生徒が、前学年の学習内容をどこまで理解しているかを測るものである。

  これに対し、「到達度ワークシート」は、単元・学期・学年等の区切り目に実施し、学習内容を習得している程度を測るものである。

(2) この本では、学年表示は「到達度ワークシート」で統一しているが、これはそのまま「診断ワークシート」としても使うことができる。

  例えば「小学四年到達度ワークシート」は、同時に「小学五年診断ワークシート」となる。同様に、「小学六年到達度ワークシート」は「中学一年診断ワークシート」となる。

(3) ワークシートは、見開き二ページで構成してある。右ページが「問題」、左ページが「解答、解説、診断、出典」である。右ページを児童・生徒に印刷して配布することができる。(四ページ構成のものもまれにある)

(4) 右ページの第一行「5分問題」「10分問題」とは、児童・生徒が自力で問題を読んで答える時間の目安である。だいたいの目安であるので、学級の実態によって弾力的に扱う。

(5) ワークシートをいくつか組み合わせることによって、実力テストとして使用することもできる。

(6) 小学校三年生くらいまでは、教師が問題を音読して理解をしやすくしてもよい。

(7) 採点は、教師が行ってもよく、教師の監督の下に児童・生徒が採点し合ってもよい。

(8) 本ワークシートは、学習内容をより良く理解するための手がかりとなるものである。そのため、答え合わせをした後、学習内容の確認の時間を取ることは極めて有意義なものである。実施後、新たに印刷したワークシートを配り、児童・生徒同士で話し合わせながら答えを記入させる。その後、採点がすんだ各自のワークシートを返却して自分の誤答と照らし合わせる作業は、極めて有効な指導になる。


 参考文献

○吉本均編『現代授業研究大事典』明治図書・一九八七年三月

○水川隆夫『国語科基礎的指導事項の到達度評価』明治図書・一九八七年一一月

○学校運営研究二〇〇一年一月号臨時増刊bT20『新学習指導要領学力評価はこう変わる 教育課程審議会答申の解説と資料』明治図書・二〇〇一年一月

○『現代教育科学・bT34(二〇〇一年三月号)』明治図書・二〇〇一年三月

○『授業研究21・bT34(二〇〇一年八月号)明治図書・二〇〇一年八月

○『教室ツーウェイ・bQ34(二〇〇一年八月号)』明治図書・二〇〇一年八月

○文部科学省ホームページ「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」(二〇〇〇年一二月 教育課程審議会答申)

○その他、文部科学省各ホームページを参照した。


   /国府田 祐子

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