算数教師の言葉かけ変換大全

算数教師の言葉かけ変換大全

子供たちの学びは教師が発する言葉に左右される

一文の中に指示は一つ。不要な言葉は削る。子供たちに通りやすい言葉かけの基本スキルとともに大切なのが、どんな言葉をかければよいのかという言葉かけの中身。子供たちに何を学ばせたいか、何を考えさせたいか。算数授業の具体場面をマンガとともに紹介。


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PDF
ISBN:
978-4-18-363524-2
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2025年12月5日

CONTENTS

もくじの詳細表示

はじめに
Chapter1 子供に伝わる教師の言葉かけスキル
1 教師の言葉を短くする
2 問い返す技術
3 算数用語を使う
4 一人に一回言葉かけをする
5 継続する大切さを伝える
6 発表の言葉を教える
7 似ている考えを引き出す
8 「次は?」で授業が進む言葉かけ
9 苦手な子を励ます言葉かけ
10 得意な子をのせる言葉かけ
11 形式的な言葉かけも必要
12 黒板に書かせる意味21
13 タブレットで言葉かけ@
14 タブレットで言葉かけA
15 タブレットで言葉かけB
16 タブレットで録画指導
17 コース選択もOK
18 子供同士をつなげる言葉かけ
19 おすすめ算数レポート
20 見方・考え方を鍛える言葉かけ
21 アプリを活用する言葉かけ
22 ノート指導の言葉かけ
23 導入の言葉かけ
24 展開の言葉かけ
25 終末の言葉かけ
Chapter2 子供が主体的に動きたくなる!算数教師の変換言葉50
「数と計算」における変換言葉
1 立式した根拠を確認するとき 印をつけます。→ 式を書いた根拠を見付けます。
2 自分に合った問題数を決めるとき 全ての問題を解きます。→ コースを選びます。
3 筆算以外の方法を考えるとき 筆算をします。→ 筆算以外の方法でも解きます。
4 統合的に考察するとき 説明をします。→ 似ているところはどこですか。
5 順序良く説明するとき もう一度言える人?→ ペアの子にもう一度言ってごらん。
6 答えの見通しをもつとき 答えを求めます。→ どんな方法で答えを求めることができますか。
7 筆算の仕方を理解するとき 筆算の手順を読みます。→ 先生の後について言います。
8 式変形の過程を残すとき 式を省略します。→ 途中式を残します。
9 間違えた原因を見付けるとき 間違いです。→ 謎解きタイムです。
「図形」における変換言葉
10 公式について理解するとき 公式を覚えます。→ どうしてこの公式になるのかな。
11 図形に進んで関わるとき この図形は○○です。→ 似ているものを探します。
12 図形の構成の仕方について考察するとき 図形をかきます。→ 動画を見て図形をかきます。
13 平面図形の面積を求めるとき 公式を使って計算をします。→ 線を引いたり付け足したりして面積を求めます。
14 多面的に考えるとき どんな分け方がありますか。→ 何通りの分け方がありますか。
15 筋道を立てて説明するとき 説明します。→ 順序良く説明します。
16 体積の計算の求め方を理解するとき 体積を求めます。→ 体積ビンゴをします。
17 図形の性質を見いだすとき 発表を聞きます。→ 続きを言います。
18 図形の性質に気付かせるとき 図をかこう。→ オリジナルの図をかこう。
19 図形を構成する要素を理解するとき 何ができたかな。→ わかりやすく整理しよう。
「変化と関係」における変換言葉
20 演繹的に考えるとき これで求められます。→ この式はいつでも使えますか。
21 時刻や時間の単位を理解するとき 何時何分ですか。→ 時計のクイズ大会です。
22 基本的な量や長さをはかるとき このくらいの長さです。→ 校庭で確かめます。
23 身近な計器を正しく使うとき はかります。→ 使い方に気を付けてはかります。
24 量の大きさの直接比較や間接比較をするとき どちらが長いですか。→ こちらの方が長いですよね。
25 単位を理解するとき 単位を覚えます。→ 単位の謎を解きます。
26 変化の様子を表すとき グラフができたら見ます。→ 点をうったら見せます。
27 日常生活と結び付けるとき グラフを探します。→ グラフをつくります。
28 比例の関係を理解するとき 比例していますね。→ 比例の矢印を書き込みます。
29 グラフを用いて比例の関係を考察するとき グラフを読みます。→ 赤と青で印をつけます。
30 単位量あたりの大きさを求めるとき 速いのは誰かな。→ 何かをそろえよう。
「データの活用」における変換言葉
31 絵や図を用いた数量の表現を理解するとき どれが多いかな。→ 一番多いのは○○だね。
32 データを整理する観点に着目するとき 表をつくろう。→ 自分が調べたいものをもとにした表をつくろう。
33 適切なグラフを選ぶとき 円グラフを使います。→ どのグラフが使えますか。
34 数を比べることができるとき 数を比べよう。→ マス目を使おう。
35 データを批判的に考察するとき わかることを言います。→ 事実と予想を区別して言います。
授業全般における変換言葉
36 ミニ先生を充実させるとき ミニ先生です。→ 話しかけられてもいい人はミニ先生です。
37 学習の見通しをもたせるとき 自分で考えます。→ 今までどのような解き方をしましたか。
38 知識を定着させるとき 追加問題です。→ 自分で問題をつくろう。
39 学習の過程と成果を振り返るとき 振り返りをします。→「まず」「次に」「これからのこと」を書きます。
40 自分の力を確認するとき テストをします。→ 予想点数を書きます。
41 +αで考え方を示すとき テストを解きます。→ 考え方も示します。
42 学び方を示すとき 問題を解きます。→ 先生,友達,一人コースを選びます。
43 学習の軸を示すとき めあてを書きます。→ めあてを選びます。
44 友達の考えを聞いて説明をするとき 説明を聞きます。→ 説明をつなぎます。
45 自分の考えを広げるとき 話合いをします。→ Aの子の説明を聞きます。
46 間違えを受け入れるとき 違います。→ 考え方が素晴らしいです。
47 進み具合を把握するとき どこまで終わりましたか。→ チェックしましょう。
48 進んで問題に取り組むとき 何度も解きましょう。→ 取り組み方を決めて取り組みましょう。
49 発表のさせ方を工夫するとき 発表をします。→ 先生になりきります。
50 まとめを書くとき まとめを写します。→ 課題に対するまとめは何ですか。

はじめに

 A:教科書10ページを開いて,(3)の問題を解いたら,終わったら先生に見せます。

 B:教科書10ページを開きます。(3)の問題を解きます。終わったら先生に見せます。


 どちらの指示が通るでしょうか。私はBです。一文を区切って指示をします。そうすることで子どもが指示の内容を理解します。次はどちらがよいでしょうか。


 C:えー,(3)を,あのー解きたいと思います。

 D:(3)を解きます。


 私はDです。不要な言葉を削ることです。自分の授業を録音して,放課後に聞いて,不要な言葉を削る作業をしていました。少しずつ,短い言葉で言葉かけができるようになりました。

 このような教師の腕を上げるための修業に加えて,何を言うのかも大切となります。学ばせたいことは何か,子供たちに何を考えさせたいのか,これらは全て教師が発する言葉に左右されます。

 本書では,すぐに活用できる言葉かけを小学校学習指導要領解説(算数編)を参考につくりました。領域ごとになっているため,教材研究に生かしていただけるとうれしいです。

 子供に学び方を教える一方で,一斉授業の中でも子供の学びを広げ,深めることが大切です。皆様の力になれればと思います。


  2025年7月   /工藤 俊輔

著者紹介

工藤 俊輔(くどう しゅんすけ)著書を検索»

1986年 鹿児島県生

現在,埼玉県公立小学校教員

教師向けの勉強会や地域の子供向けの体育教室を開催する。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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