- はじめに
- Chapter1 子供に伝わる教師の言葉かけスキル
- 1 褒めることからはじめる
- 2 言葉かけの基本原則
- 3 話すこと・聞くことの言葉かけ計画
- 4 書くことの言葉かけ計画
- 5 文学的な文章の言葉かけ計画
- 6 説明的な文章の言葉かけ計画
- 7 言葉に厳しくなる
- 8 主語と述語
- 9 学習用語をおさえること
- 10 日記を書かせるときの言葉かけ
- 11 聞かせるための言葉かけ10
- 12 声の小さい子にスポットを当てる
- 13 ネーミング@「たくあんタイム」
- 14 ネーミングA「分け分けタイム」
- 15 音読で使える言葉かけ
- 16 暗唱に挑戦しよう
- 17 業者テスト(丸と線)
- 18 漢字が楽しくなる言葉かけ
- 19 評価の基準を決める
- 20 自分のペースで進める自由進度学習レポート
- 21 書写〜硬筆の授業〜
- 22 習字〜音で教える〜
- 23 ICT×国語
- 24 伝統文化に百人一首
- 25 読書に親しむ
- Chapter2 子供が主体的に動きたくなる!国語教師の変換言葉50
- 「言葉の特徴や使い方」における変換言葉
- 1 語彙力を高めるとき 気持ちを書きます。→ 別の言葉で言い換えます。
- 2 助詞の使い方を学習するとき このように書きます。→ ○○はここに書きますよね。
- 3 漢字を覚える手順を教えるとき たくさん練習をします。→ 覚え方の手順があります。
- 4 漢字テストで伸びを実感させるとき 漢字をたくさん練習します。→ どのくらい努力することができますか。
- 5 語彙を豊かにするとき 国語辞典で調べます。→ 国語辞典引き競争をします。
- 6 言語文化に触れさせるとき 季節を表す言葉を書きます。→ 五感を使って書きます。
- 7 文や文章の構成に関することを理解させるとき 文をつくります。→ 点数をつけます。
- 8 敬語を学ぶとき 丁寧な言葉を使います。→ この場合は何と言いますか。
- 9 表現の技法を学ぶとき こんな表現があります。→ 表現方法を探してごらん。
- 10 音読の仕方を評価するとき 姿勢よく音読をします。→ 姿勢は肩,声は背中をタッチします。
- 「話すこと・聞くこと」における変換言葉
- 11 目的を意識して話すとき 話す内容を決めます。→ 話す目的を決めます。
- 12 目的に合った材料を集めるとき 意見を出します。→「たくあんタイム」です。
- 13 集めた材料を比較・分類するとき 意見を分けます。→「分け分けタイム」です。
- 14 話し手が伝えたいことを聞くとき きちんと聞きます。→ 反応します。
- 15 必要なことを質問するとき 質問をします。→ カードで質問をします。
- 16 話合うとき 大事なのはどれですか。→ Aですか。Bですか。
- 17 質問を促すとき ○○さんに質問はありますか。→ 語尾に「どうですか」をつけます。
- 18 聞いたことをメモするとき メモします。→ メモ1つにつき10点です。
- 19 上手な話合いを評価するとき 上手だったよ。→ ○○がA評価です。
- 20 相手に伝わるように話すとき 伝わる工夫をします。→ 資料を使います。
- 「書くこと」における変換言葉
- 21 構成を検討するとき 構成を考えます。→ お手本を写します。
- 22 構成を考えるとき 構成のメモを書きます。→ 5つの部屋に書きます。
- 23 書き表し方を工夫するとき 書き終えたら見せます。→ 段落ごとに確認をします。
- 24 推敲をするとき 書き終えたら見直しをします。→ 次の観点で見直しをします。
- 25 書いたものを共有するとき 友達の文章を読みます。→ 甘口,中辛,辛口を決めて読んでもらいます。
- 「読むこと(文学的な文章)」における変換言葉
- 26 物語を予想するとき どんなお話でしょうか。→ 中心人物がどうなるでしょうか。
- 27 中心人物の気持ちの変化を問うとき 初めて読んだときの感想を書きます。→ 中心人物の気持ちはプラスですか。マイナスですか。
- 28 設定の確認をするとき 登場人物は誰ですか。→ いつ,どこで,誰が出てくるのか設定を確認します。
- 29 中心人物の気持ちの変化を問うとき どこで変わりましたか。→ 中心人物を変えたアイテムは何ですか。
- 30 全体像を具体的に想像するとき 主題は何ですか。→ この物語が伝えたいことは何ですか。
- 31 物語の様子や場面を想像するとき 場面@を読みます。→ 場面@とAで変化したことは何ですか。
- 32 感想や考えをもつとき 感想を書きます。→ なるほどな,面白いなと思ったことを書きます。
- 33 共有するとき 友達に伝えます。→ 友達に伝えた後が大切です。
- 34 山場を検討するとき 何が変化しましたか。→ クライマックスは場面○のどこですか。
- 35 自分で物語文を読むとき 今まで通り学習をします。→ 自分でレポートに取り組んでごらん。
- 「読むこと(説明的な文章)」における変換言葉
- 36 順序を捉えるとき 何段落ですか。→ 全部で何段落です。
- 37 大体の内容を捉えるとき 何度も読みます。→ この絵は何段落のことですか。
- 38 内容の大体をつかむとき 段落ごとに音読をします。→ 一文目に線を引きます。引いたところだけ読みます。
- 39 問いと答えをおさえるとき 何を聞いていますか。→ 問いと答えに線を引きます。
- 40 文章の構造を理解するとき はじめ・なか・おわりはどこですか。→ おわりは,何段落ですか。
- 41 文章の構造を理解するとき 筆者の考えたことはどこですか。→ わかったこと,気付いたこと,思ったことは何ですか。
- 42 要旨をつかむとき 筆者の考えを写します。→ 筆者の考えに賛成ですか。反対ですか。
- 43 要約するとき 要約します。→ 20字以内に要約します。
- 44 事実と感想,意見などの関係をおさえるとき 写します。→ これは事実ですか。意見ですか。
- 45 課題を設定するとき 題名から想像したことを書きます。→ 題名から問いをつくります。
- 「読むこと(詩や俳句)」における変換言葉
- 46 想像したことをまとめるとき 感想を書きます。→ 出てくるものは何ですか。
- 47 俳句をつくるとき 俳句をつくります。→ 5文字の言葉を書きます。
- 48 色を問うとき 何色ですか。→ 出てくる色は何ですか。
- 49 大切なことを問うとき どんなことを言いたいのかな。→ 一番重要な言葉(文・連)はどれかな。
- 50 作者の言いたいことを想像するとき 伝えたいことは何ですか。→ 作者はどんな人ですか。
はじめに
「話の長い授業は,子供が退屈します」
「何をしていいのかわからない授業は,子供が混乱します」
私が初任者時代に学年主任から言われたことです。
特に国語の授業では,算数のような明確な答えがなくて授業づくりに困っていました。
「このときのスイミーは,どのような気持ちですか」
「自分だったらどのように言いますか」
登場人物の気持ちばかりを聞いていました。どれも正解です。理由は,本文に書いていないからです。このままでは,国語の授業がつまらなくなると思い,多くの学習会に参加しました。
そこで学んだことが「明確な発問・指示」という概念です。さらに,小学校学習指導要領解説(国語編)を読み込むことでした。例えば「C 読むこと」では,構造と内容の把握,精査・解釈,考えの形成,共有という学習過程が示されています。これらに関することを子供に問うことで学習の質が高まることがわかりました。では,どうやって教師の言葉に置き換えればよいのでしょうか。このことについて本書では国語授業の言葉かけとして紹介をしています。
本書では,小学校学習指導要領解説(国語編)に書かれている資質・能力の三つの柱をベースとした言葉かけをはじめ,全国学力・学習状況調査と関連しています。授業の流れがわからなくて困っている先生方にもおすすめです。皆様のお力になれればと思います。
2025年7月 /工藤 俊輔
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明治図書















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