国語学力を測る「到達度」チェックカード 書くこと 小学校5・6年

国語学力を測る「到達度」チェックカード 書くこと 小学校5・6年

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国語学力向上の解決策は到達度チェックに即した授業開発だ。

『到達度』チェックカードで授業が変わる! 子どもが変わる! 個に徹した(習熟度別)指導のため、5・6年生が自己評価できる「書くこと」のチェックカードを開発した。それに伴い1単位時間ごとの評価規準等を明確にし、国語の基礎基本の完全習得を目指した。


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ISBN:
4-18-363059-2
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 132頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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序文 国語学力向上の解決策は、「到達度チェック」に徹した授業開発が原点 /瀬川 榮志
まえがき /藤井 英子
T 小学校第五・六学年「書くこと」の国語学力到達規準の系統表
1 学習指導要領第五学年及び第六学年「書くこと」の目標と内容
2 基本的能力を習得させるための作文活動
3 国語学力を確かに身につけるために、評価の観点・基準・方法を体系化する
4 作文における評価基準(到達度)
5 到達度チェックカードの作成と活用
U 小学校第五・六学年「到達度」チェックカード
〈五年〉
1 自己表現の作文
〈障害のある人の生き方〉 「郡司ななえさんと出会って」
2 思考・認識の作文
〈読後の感想を書く〉 「大造じいさんとガン」
3 情報伝達の作文
〈言葉の不思議さを調べ発表会をしよう〉 「言葉の研究レポート」
〈用件や気持ちが相手に伝わるように書こう〉 「依頼の手紙、お礼の手紙」
〈伝え方を工夫して発信しよう〉 「学校新聞でニュースを伝える」
〈六年〉
1 自己表現の作文
〈絵本を作ろう〉 「わたしの小学校生活」
2 思考・認識の作文
〈主張大会に向けて〉 「意見文を書こう」
〈実験記録文を書こう〉 「たばこの害の実験」
3 情報伝達の作文
〈世界の国を知ろう〉 「世界の国旗を調べて」
〈ガイドブックを作ろう〉 「学校紹介のガイドブックを作ろう」
V 到達規準に達しない子への支援策
1 学習過程に自己評価の結果、学習のやり直しの過程を位置づける
2 学習のやり直しのヒントを工夫する
3 シミュレーションによる基礎作文の指導
あとがき /藤井 英子

まえがき

 国語の学力の向上というと、漢字の読み書きが中心にあげられます。漢字の読み書きも国語の学力の一つではありますが、学習指導要領の「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」「言語事項」の内容が確実に習得できて、国語の学力が身についたといえます。

 しかし、最近の国語の授業をみると、学習内容が明確でない、つまり何を指導しているのかわからない授業が多いように思います。また、指導と評価の一体化がいわれてから、評価が先行し、評価のための評価が多いようです。評価規準がひとり歩きしているきらいがあります。

 では、国語の授業をどのようにしたら、子どもたち一人一人に国語の学力をつけることができるのでしょうか。

 私は、まず、学習過程を工夫する必要があると考えます。学習過程の中に評価・学習のやり直しを位置づけることです。次のような学習過程を工夫します。

 1 課題をつくる。

 2 課題を解決するための方法を工夫する。

 3 課題、方法に沿って自己学習をする。

 4 自己学習の結果が適切かどうか話し合い、学習を深める。

 5 評価基準が明らかになったら、チェックカードに沿って自己評価をする。

 6 自己評価の結果、基準に到達しない子どもは、学習のやり直しをする。到達した子どもは深化学習をする。

 7 学習目標に到達する。

 このように学習過程に自己評価を位置づけ、どの子どもも目標に到達させることが大事です。子どもというのは一生懸命学習すればするほど、自己学習の結果が気になります。だから、自己評価が意味をなします。自己評価の結果を自覚できれば、学習に成功しようという意欲が喚起されます。子どもの学習心理に合っていれば学習の効率も高まります。このように、毎時間毎時間学習目標に到達させることが国語の学力の向上につながります。

 自己評価ができるようにするためには、評価基準を子どもに理解させる必要があります。国語科では、評価基準は本時の学習の到達度です。評価基準を明らかにするためには、「何をどこまで学習させるのか」をはっきりさせることです。すなわち、本時の目標に「何をどこまで学習するのか」を設定することです。この目標設定によって、チェックカードも容易に作成することができます。

 このチェックカードによって、自己評価ができればそれでいいのでしょうか。前に記した学習過程を踏みながら自己評価の結果、目標に到達できなかった場合は、学習のやり直しをすることが大切です。ヒントを与えて、学習のやり直しをさせることが大事なのです。学習のやりっぱなし、評価のやりっぱなしでは、確実な国語の学力は身につきません。

 一方、「自己評価をしなさい」「学習のやり直しをしなさい」といっても子どもはやり方がわかりません。自己評価の仕方、学習のやり直しの仕方を指導することが大事です。

 国語の学力をつけるためには、学習目標に明確な評価基準の設定、それに基づき学習内容の明確な授業、そして、学習過程に評価と学習のやり直しを位置づけることであると考えます。この考えに基づき、実践をまとめました。


   /藤井 英子

著者紹介

藤井 英子(ふじい えいこ)著書を検索»

1946年秋田県に生まれる。秋田大学教育学部卒業、日本大学文理学部修了。

現在 東京都渋谷区立山谷小学校校長

瀬川 榮志(せがわ えいし)著書を検索»

現在 中京女子大学名誉教授「全国小学校国語教育研究会」名誉顧問 全日本言語教育学会会長 日本子ども文化学会名誉会長 全創国研名誉会長 21世紀の国語教育を創る会代表

1928年鹿児島県に生まれる。東洋大学国文学科卒業。鹿児島県・埼玉県・東京都の公立学校教諭、東京都教育委員会指導主事、東京都墨田区立立花小学校・中野区立上鷺宮小学校・同鷺宮小学校長を歴任。その間、文部省教育課程教科等特別委員・教育課程調査研究協力者並びに副委員長。学習指導要領指導書作成委員、NHK学校放送教育番組企画委員。現在も全国的規模で授業理論の確立に活躍中。

吉本 清久(よしもと きよひさ)著書を検索»

熊本県八代市立麦島小学校教諭「熊本―21世紀の国語教育を創る会」代表

1964年熊本県に生まれる。熊本大学教育学部卒業。平成元年より熊本県公立学校教諭。

『言語行動観に立つ国語科教育』を実践し、全日本言語学会で論文発表。言語感覚を磨くモデル授業をはじめいろいろな領域テーマで全国大会等において公開している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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