国語学力を測る「到達度」チェックカード 書くこと 小学校1・2年

国語学力を測る「到達度」チェックカード 書くこと 小学校1・2年

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国語学力向上の解決策は到達度チェックに即した授業開発だ。

『到達度』チェックカードで授業が変わる! 子どもが変わる! 個に徹した(習熟度別)指導のため、1・2年生の心に響く「書くこと」のチェックカードを開発した。それに伴い1単位時間ごとの評価規準等を明確にし、生きて働く国語の基礎基本の完全習得を目指した。


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ISBN:
4-18-362863-6
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 136頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

序  文 国語学力向上の解決策は、「到達度チェック」に徹した授業開発が原点 /瀬川 榮志
まえがき /金久 慎一
T 小学校第一・二学年「書くこと」の国語学力到達規準の系統表
1 学習指導要領の内容分析精選による到達基準表
2 到達度チェックカードの作成と活用
3 到達度チェックの結果による補充指導(習熟度に応じた指導)
4 到達度チェックの結果と評定への活用
U 小学校第一・二学年の「到達度」チェックカード
活動名
てがみをかこう  〈一年 書くことエ〉
よく見てかこう  〈一年 書くこと〉
すきな本をともだちにしょうかいしよう  〈一年 書くことエ〉
カレンダーをかこう  〈一年 書くことイ、ウ〉
思い出アルバムを作ろう  〈一年 書くこと〉
今週のニュースを書こう  〈二年 書くことイ、ウ〉
ありがとうの手紙を書こう  〈二年 書くことエ〉
『スイミー』の本を紹介しよう  〈二年 書くことエ〉
生き物かんさつカードづくり  〈二年 書くこと〉
楽しかったことをよく思い出して  〈二年 書くことエ〉
V 到達基準に達しない子への支援策
1 一単位時間内での補充指導
2 単元のまとめでの補充指導
あとがき /金久 慎一

まえがき

 学習指導要領が「表現」「理解」という枠組みから「話すこと・聞くこと」「読むこと」「書くこと」という、いわば行動学力による枠組みへと変わった。これは、学ぶ側の行動・行為そのものに視点を移したと言えるであろう。浅薄な技能・技術主義の風潮、学習者不在の発問研究、形式重視のワークシートを一掃し、真に主体的行為者の育成を目指した方法論を模索していく必要がある。

 「書くこと」の領域のねらいとその言語活動例は次のとおりである。


 「書くこと」の領域では、相手や目的に応じて、必要な事柄を集めたり選択したりして、内容や文章を構成する能力の育成を重視する。そのため、手紙を書くこと、記録や報告をまとめることなどの言語活動例を示す。


 このことを分析してみると、@ 相手や目的に応じること、A 必要な事柄を集めたり選択したりすること、B 内容や文章を構成すること、C 記録や保存等の資料化といった力を身につけさせることの重要性をねらいとしていることが分かる。では、具体的にどのような実践上の工夫が必要なのであろうか。

@ 「相手や目的に応じること」… 意欲的に書きたくなるような相手や目的、内容を具体的に想定できるような学習指導計画の位置づけが必要である。

A 「必要な事柄を集めたり選択したりすること」… これは情報活用能力の育成であるとも言える。「必要な事柄」を収集・選択・活用できる能力を育成するためには、図書館との連携を図ったり、インターネットを活用したりするなどの方法が考えられる。また、目的や意図に応じて的確に読み取る能力の育成とも関連しており、「読むこと」の言語活動との関連も図る必要がある。

B 「内容や文章を構成すること」…これは従来も重要視されてきた内容構成力や文章構成力の育成である。これらの力を育成するために手紙、報告、記録等の文章形式や形態を整える能力の育成が大切となる。

C 「記録や保存等の資料化」…従来の学習指導の中では、やや手薄の学習内容であったが、情報活用能力を育成する観点からは、重要な学習内容として位置づける必要がある。

 本書「国語学力を測る『到達度』チェックカード」は、こういった考えを基盤に据え、子どもたち一人一人に応じて到達度を高めていくために作成したものである。到達度を高めていくためには、日々の授業での評価規準を明確にするとともに、子どもたち個々の現在地点を把握することが必要となる。また、子どもたちにとっては、相手意識や目的意識に支えられながらも、自らの問題点を自覚するとともに、自らで課題解決していこうとする強い学習意欲の伴っていることが必須条件である。こういった子どもたちの学習意欲と子どもたちに応じようとする教師の願いとが相俟ったとき、「子どもたちの心に響くチェックカード」となるのである。

 私たちは本書を通して、子どもたちの主体的・創造的な学習態度を育成するための学習指導計画と、それに伴っての評価基準、到達度チェックを位置づけた、いわば、「子どもたちの心に響くチェックカード」の開発をめざした。具体的には、評価規準として、「国語への関心・意欲・態度・書く・言語事項」といった観点を明確にした記載をするとともに、一単位時間内における学習の評価基準の設定、加えて、評価方法と教師によるチェック欄を設けている。

 今、子どもたちの学力低下が問題視されているが、子どもたち個々の学力を向上させるためには、国語学力の到達度を明確にして完全習得できるような指導が待たれていると言えよう。今後の授業の中で個に徹した習熟度指導を行うためにも基礎・基本の明確化と到達度の的確な設定が必要となることは論をまたない。

 本書が、子どもたち個々に焦点化し、基礎・基本の力を身につけさせたいと願って悩んでいる多くの教師の方々に対して参考になれば幸いである。


   福岡県北九州市立守恒小学校 /金久 慎一

著者紹介

金久 慎一(かねひさ しんいち)著書を検索»

現在 福岡県北九州市立守恒小学校校長 北九州国語教育研究会研究調査委員長

1948年大分県に生まれる。福岡教育大学卒業 昭和47年より北九州市立学校勤務。

さらに、奈良や全国国語教育学会での作文実践発表、全国小学校国語教育研究大会北九州大会での授業公開、理論提案発表を行った。その他、全国国語教育学会西日本大会での分科会、九州小学校国語教育研究会の分科会での指導助言も行った。

瀬川 榮志(せがわ えいし)著書を検索»

現在 中京女子大学名誉教授「全国小学校国語教育研究会」名誉顧問 全日本言語教育学会会長 日本子ども文化学会名誉会長 全創国研名誉会長 21世紀の国語教育を創る会代表

1928年鹿児島県に生まれる。東洋大学国文学科卒業。鹿児島県・埼玉県・東京都の公立学校教諭、東京都教育委員会指導主事、東京都墨田区立立花小学校・中野区立上鷺宮小学校・同鷺宮小学校長を歴任。その間、文部省教育課程教科等特別委員・教育課程調査研究協力者並びに副委員長。学習指導要領指導書作成委員、NHK学校放送教育番組企画委員。現在も全国的規模で授業理論の確立に活躍中。

榊原 良子(さかきばら よしこ)著書を検索»

全国小学校国語教育研究会副会長 全国創造国語教育研究会副会長 東京創造国語研究会顧問 日本子ども文化学会理事 全日本言語教育学会役員 元中京女子大学客員教授

また、NHKテレビ・ラジオ教育番組関係出演やモデル授業等を通しての研究活動を展開。

吉本 清久(よしもと きよひさ)著書を検索»

全巻情報提供・編集進行担当・3・4年「話すこと・聞くこと」編著者

現在 熊本県八代市立麦島小学校教諭「熊本―21世紀の国語教育を創る会」代表

1964年熊本県に生まれる。熊本大学教育学部卒業。平成元年より熊本県公立学校教諭。

『言語行動観に立つ国語科教育』を実践し、全日本言語学会で論文発表。言語感覚を磨くモデル授業をはじめいろいろな領域テーマで全国大会等において公開している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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