自閉スペクトラム症のある子の「できる」をかなえる!構造化のための支援ツール 集団編

自閉スペクトラム症のある子の「できる」をかなえる!構造化のための支援ツール 集団編

重版出来

好評4刷

環境・時間・活動の見える化アイデア36

構造化のための支援ツールを物理(環境)・時間・活動別に紹介しています。作り方に加えて支援ツールに生かせる身近な素材や基礎用具も解説。パーティションや収納からどの子も楽しめる余暇グッズまで、まさに「モノを介したコミュニケーション」が始められます!


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ISBN:
978-4-18-358829-6
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
4刷
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月19日

もくじ

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推薦の言葉
はじめに
準備編
支援ツールに活かせる身近な素材
支援ツール制作に役立つ基礎用具
第1章 構造化の利点とポイント
01 集団生活の場で構造化を活かすためには
02 構造化の具体的な手立てとは
第2章 構造化のための支援ツール
物理的構造化
01 活動に集中できる 段ボールのパーティション
02 見てエリアを理解できる 床へ線で示す枠組み
03 安定して生活できる 窓にカーテン・鏡にシーツ
04 使ったものを正しく戻せる スポンジ・タワシ収納
05 理解に応じて共用物を管理できる 掃除道具が帰る場所表示
06 ひと目で場所と位置がわかる ゴミ箱位置の環境設定
07 迷わずに気持ちよく収納できる 用途に合わせた段ボール棚
08 自分の力で整理整頓ができる 所有物の居場所づくり
09 刺激が少なく安心できる シンプルに見渡せる教室空間
10 視覚的な安心を導く 刺激軽減☆収納術
11 自他の存在を確認できる 出退勤・役割確認表
12 「褒められる」を理解できる 頑張りコイン投入ボード
13 特性に応じた「報告」ができる 外出報告表ツール
14 対面によらずに「報告」できる 係活動確認表
15 自分に必要な情報へアクセスできる 教室正面黒板情報の取捨選択
16 必要なことへ集中できる ニーズに応える教室掲示
17 刺激を遮断できる ハウス型カームダウンルーム
18 提出・持ち帰りがわかる 連絡帳BOX・配布物入れ
19 見ただけで教室の場所と意味がわかる 教室表示板
20 自分の教室を間違えない ピンクの目安箱
21 視界に入る刺激を抑える 適所に用いるシーツ布
22 机の位置や配置を理解できる シンプル・シンメトリーに配す机の位置表示
23 行動障害のある友達と一緒に生活できる 学級のエリアづくり
24 安全に管理・活用できる ピッタリ収納箱
時間の構造化
25 時間が見える タイマーのあれこれ
26 日にちだけを確認できる 手作りシンプルカレンダー
27 色や枠が手がかりになる 黒板の日付掲示
28 「適度な」手洗いができる 「ノータッチタイマー」(SATO)
活動の構造化
29 楽しく順番を決められる 給食配膳ルーレット
30 どの子も加わり決められる ジャンケンの代替ルーレット
31 勝敗体験を通じて対人関係スキルを学ぶ テーブルホッケー
32 人気ゲームで余暇活動を楽しむ コインでポン!
33 どの子も楽しく参加できる カーリング・ゴルフ
34 身近に面白スポーツを楽しめる ハエ叩ミントン
35 数の理解がなくても楽しめる 色すごろく
36 空白時間に目的をもって活動できる 子どもを褒める機会づくり
第3章 支援ツールの作り方
段ボールのパーティション(→01)
スポンジ・タワシ収納(→04)
掃除道具が帰る場所表示(→05)
ゴミ箱位置の環境設定(→06)
用途に合わせた段ボール棚(→07)
所有物の居場所づくり(→08)
シンプルに見渡せる教室空間(→09)
刺激軽減☆収納術(→10)
出退勤・役割確認表(→11)
頑張りコイン投入ボード(→12)
外出報告表ツール(→13)
係活動確認表(→14)
ニーズに応える教室掲示(→16)
ハウス型カームダウンルーム(→17)
連絡帳BOX・配布物入れ(→18)
教室表示板(→19)
ピンクの目安箱(→20)
適所に用いるシーツ布(→21)
シンプル・シンメトリーに配す机の位置表示(→22)
学級のエリアづくり(→23)
ピッタリ収納箱(→24)
手作りシンプルカレンダー(→26)
黒板の日付掲示(→27)
給食配膳ルーレット(→29)
ジャンケンの代替ルーレット(→30)
テーブルホッケー(→31)
コインでポン!(→32)
カーリング・ゴルフ(→33)
ハエ叩ミントン(→34)
色すごろく(→35)
子どもを褒める機会づくり(→36)

推薦の言葉

 私がはじめて佐々木先生にお会いしたのは,東京都教育委員会による「知的障害特別支援学校における自閉症教育の充実事業」において,都立港特別支援学校のコンサルテーションにおうかがいしたときでした。

 研究担当の先生から各教室を案内され,佐々木先生の教室を訪問したときに,作成された支援教材の多さに驚かされました。後で美大出身だとおうかがいし,「なるほど」と納得したのを記憶しています。

 あるとき,コンサルテーションを行う中で,言葉によるコミュニケーションが困難な一人の自閉スペクトラム症(以下ASD)の子どもがいました。彼はのどが渇いたときにお茶を飲みたいことを伝えたいのですが,うまく伝えることができませんでした。教室の壁にやかんの絵が描かれたカードが貼られていたのですが,そのカードをうまく使えることができませんでした。なぜ使えないのかを検討した結果,自分の机から離れたところに貼られているからではないかと考え,その子どもの机の上に絵カードを置くようにしたところ,お茶を飲みたいときに,その「やかんの絵カード」を佐々木先生に渡すことができるようになりました。

 このときに,佐々木先生と私の気持ちが通じ合えたような気がしました。

 その後,佐々木先生は本格的にASD児者の教育について勉強をされるべく早稲田大学大学院に内地留学され,ノースカロライナTEACCH Autism Programツアーにも参加されて,熱心に構造化の勉強をされました。

 本書ではそのような長年の実践経過を踏まえ,臨床の現場で生じた様々な問題を解決されている様子がわかりやすく説明されています。

 ドアノブ拭きと雑巾の違いや,音を遮断するためのテニスボールの使用などは,まさに現場の臨場感が伝わってきます。

 とりわけ,バスの乗降者確認Bookは,やることがない(わからない)ときに問題行動が生じやすいASDの子どもの特徴を見事にとらえ,素晴らしい教材となっています。

 本シリーズは,個別編と集団編に分かれていますが,いずれも構造化の実践における説明の後に,具体的写真が提示されているため,簡潔でわかりやすい流れになっています。

 一つひとつの事例が,まるで実際にASDの子どもとかかわっているような臨場感があり,単にわかりやすいだけではなく,専門的知識がいたるところにちりばめられており,初心者からベテランの先生方にまで参考になるものと思います。

 本シリーズは,知的障害を伴うASDの子どもの構造化による指導の基本的実践マニュアルとして,極めて参考になる良書だと考えます。私自身,本書を読みながら現場で使える構造化の考え方を再度勉強しなおすことができました。

 研究意識の高い臨床家としての佐々木先生の今後の実践がさらに楽しみになってきました。


   早稲田大学教授 /梅永 雄二

著者紹介

佐々木 敏幸(ささき としゆき)著書を検索»

東京都立港特別支援学校 研究主任。修士(美術/教職)。青年海外協力隊(エジプト・美術)を経て現職。

縄岡 好晴(なわおか こうせい)著書を検索»

大妻女子大学人間関係学部人間福祉学科 助教。修士(教育学)。社会福祉士,精神保健福祉士,臨床発達心理士。千葉県発達障害者センター係長などを経て現職。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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