資質・能力を育てる授業をデザインするための
算数教材づくり大全

資質・能力を育てる授業をデザインするための算数教材づくり大全

新刊

汎用的な「教材づくりの見方・考え方」が身につく

教材は、算数授業の核。置き換える、架空の単位を使う、条件過多の問題にする、対戦ゲームにする、2か所をマスキングする、三者三様のグラフを提示する…等々、日常の授業で使えて、資質・能力が確かに育つ、多種多様な算数教材のつくり方、アレンジの仕方を完全収録。


紙版価格: 2,640円(税込)

送料・代引手数料無料

当日発送

電子書籍版: 未販売

電子化リクエスト受付中

電子書籍化リクエスト

ボタンを押すと電子化リクエストが送信できます。リクエストは弊社での電子化検討及び著者交渉の際に活用させていただきます。

ISBN:
978-4-18-351922-1
ジャンル:
算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 256頁
状態:
在庫あり
出荷:
2021年11月30日
テキスト採用品見本お申込みはこちらから

Contents

もくじの詳細表示

第1章 資質・能力を育てる授業をデザインするための算数教材づくりのポイント
教科書を見比べ,「同じ」と「違う」をあぶり出す
(5年「四角形と三角形の面積」など)
教科書を「マイナーチェンジ」する
(3年「わり算」など)
「3つの視点」から,オリジナル教材づくりを始める
(1年「図を使って考えよう」など)
「問題の構成要素を組み立て直す」ことで,オリジナル教材を生み出す
(6年「分数のかけ算」など)
「子どものつまずき」を,授業デザインの中心に置く
(2年「水のかさの単位」など)
「状況が変化し続ける教材」で,問いが持続する授業をデザインする
(2年「かけ算」など)
第2章 「数と計算」領域の教材づくりと授業デザイン
「答えを出せない問題」で,自ら図を活用する態度を養う
(1年「3つの数の計算」,5年「小数のかけ算」など)
「問題づくり遊び」「計算リレー」で,楽しく計算技能を高める
(2年「ひき算の筆算」,4年「わり算の筆算」など)
「同じを見つけるゲーム」で,数の関係の理解を深める
(5年「分数と小数,整数の関係」など)
「置き換え」で,数の概念を豊かにする
(1年「10より大きい数」,5年「割合」など)
「学習内容を混ぜる」ことで,正しく演算を判断する力を育てる
(3年「たし算とひき算の筆算」など)
「見積もる場」を散りばめて,間違いに気づく力を育てる
(3年「2けたの数のかけ算」など)
「条件過多の問題」で,式表現の力を育てる
(6年「分数のかけ算」など)
「数づくりゲーム」で,楽しく数についての理解を深める
(1年「3つの数の計算」など)
「○進法」に変えることで,十進位取記数法の理解を深める
(2年「たし算の筆算」など)
「架空の単位」で,単位を大切にする態度を養う
(2年「水のかさの単位」,3年「分数」など)
「何かを使えなくする」ことで,工夫して計算する態度を養う
(4年「計算のきまり」など)
「2あたりの量」を提示することで,数直線に表して考える態度を養う
(数直線を扱う様々な単元)
第3章 「図形」領域の教材づくりと授業デザイン
「アナログプログラミング」で,作図の仕方を考える力を育てる
(6年「対称な図形」など)
「ある・なしゲーム」で,図形の概念や関係の理解を深める
(2年「三角形と四角形」など)
「未知の単位」を用いて,単位面積の見方を豊かにする
(4年「面積のはかり方と表し方」など)
「予想」を取り入れ,図形の構成要素の見方を豊かにする
(2年「はこの形」,4年「直方体と立方体」など)
「単元の再構成」で,構成要素に着目して捉える力を育てる
(4年「垂直,平行と四角形」など)
「長さの情報を提示しない」ことで,求積公式の理解を深める
(5年「四角形と三角形の面積」など)
「図の一部分を可変にする」ことで,求積公式を知識として定着させる
(5年「四角形と三角形の面積」など)
第4章 「測定」領域の教材づくりと授業デザイン
「めざせ!◯pゲーム」で,量感を豊かにする
(2年「長さの単位」など)
「別の単位を用いさせる」ことで,普遍単位の理解を深める
(3年「重さの単位とはかり方」など)
「対戦ゲーム」で,楽しく測定技能を高める
(4年「角の大きさ」など)
「問題と答えの単位をそろえない」ことで,単位の関係の理解を深める
(単位を扱う様々な単元)
第5章 「変化と関係」領域の教材づくりと授業デザイン
「2か所をマスキングする」ことで,きまりに着目する態度を養う
(1年「たし算」など)
「関係する量を多く見つけさせる」ことで,きまりを活用する力を育てる
(4年「変わり方調べ」など)
「何を求めるのかを隠す」ことで,数量の関係を整理する力を育てる
(5年「単位量あたりの大きさ」,5年「割合」,6年「比」など)
「範囲を求める問題」で,自ら表を活用する態度を養う
(4,5年「変わり方調べ」など)
「目的地だけを提示する」ことで,きまりに着目して考える力を育てる
(6年「比例と反比例」など)
「比べる場面にする」ことで,割合の意味理解を深める
(5年「割合」など)
第6章 「データの活用」領域の教材づくりと授業デザイン
「データが流れていくようにする」ことで,データを収集する力を育てる
(3年「棒グラフと表」など)
「目的と項目を決めさせる」ことで,必要なデータを考える力を育てる
(4年「折れ線グラフと表」など)
「目盛り設定へのしかけ」で,グラフの細部まで目を向け,考える力を育てる
(4年「折れ線グラフと表」など)
「データを選ばせる」ことで,目的に合わせて資料を活用する力を育てる
(5年「割合」など)
「三者三様のグラフを提示する」ことで,分析的にグラフをみる力を育てる
(4年「折れ線グラフと表」,6年「データの調べ方」など)
「1つの資料では判断できない問題」で,複合的に分析する力を育てる
(5年「帯グラフと円グラフ」など)

はじめに

 アクティブ・ラーニング,資質・能力,見方・考え方,深い学び,GIGAスクール構想に,個別最適な学び…。

 ここ数年,これまでにないほどの新しいキーワードが登場し,そのたびに,様々な立場からの解釈論が巻き起こってきた教育界。

 1つの言葉をきっかけに,子どもたちにはぐくむべき力や授業の在り方,これからの時代に必要な教育の姿を語り合うのは,とても大切なことだと思います。

 一方で,そうした議論の場が,「流行」に踊らされない,地に足着いたものになっているのかについては,常に省みる必要があります。

 特に,昨今,話題となっている「1人1台端末」の導入による学び方の変革については,「PCを使わせる授業をどのように実現すればよいのか」といった,手段が目的化した話題も少なくありません。大型書店の教育書コーナーでは,「GIGA」の文字が前面に出た書籍が,そのスペースの大半を占めるようになってきました。

 こうした背景には,新型コロナウイルスの感染拡大による休校措置や,withコロナの新しい学びのスタイルが求められているといった状況もあるのでしょう。

 しかし,私たちが子どもたちにはぐくみたい力とは,果たしてPCを使いこなす技能なのでしょうか。

 決して,そうではないはずです。あくまで「目的」は,教科における深い学びを実現し,子どもに確かな力をはぐくんでいくことです。そこに,1つの「手段(文房具)」としてPCを有効に活用していくことが大切なわけです。流行に踊らされ,「手段」を「目的」と取り違えてはなりません。

 これまでにも教育の歴史では,たびたび様々な「大改革論」が巻き起こってきました。しかし,それらが本物の改革論であったのか,そうでなかったのかは,改革の目指す方向が「本質的な目的」に向いていたのかどうかで見分けることができます。

 今回のGIGAスクール構想も,目的が「PCを使うこと」になってしまったのなら,「エセ改革論」で終わってしまうでしょう。

 一方で,目的を見失わず,教科の本質的な学びを実現することから私たちがぶれなければ,1人1台のPCは1つの強力な道具として有効に活用され,今後の授業の在り方の幅を大きく広げる有用なものとなり得るはずです。


 では,教科の本質的な学びを実現するための「核」となるものとは,いったい何なのでしょうか。

 それは,まさしく「教材」そのものです。

 教科として,どのような力をはぐくむために,どういった内容を,いかなる過程を通して学ぶのか。

 誤解を恐れずに言うのなら,それらが凝縮され,1つにパッケージ化されたものが「教材」だと私は考えています。


 本書は,「教材づくり大全」と銘打ち,算数科における重要な学習内容について,「教材をどうつくるか」という視点からアプローチしています。

 その際,「視点」だけではなく,実践例を通して具体的な「方法」を示すとともに,そうした方法を取る理由もできるだけ詳しく解説しました。

 それは,読者の皆さんが,教材のもっている意味を置き去りにし,「方法」だけを身につけてしまうことを防ぎたいという筆者の切なる思いがあるからです。


 おもしろい授業をしたい。

 子どもがワッと湧くような盛り上がる授業をしたい。


 それだけならば,いわゆる授業実践だけを集めた「ネタ本」を飛び道具的に使えばできるでしょう。


 しかし,本書で目指しているのは,読者の先生方が,「算数科としてどんな力をはぐくんでいくべきなのか」という本質的な目的を捉え,そこに,どのようにアプローチするべきかという具体的な「方法」を身につけられるようにすることです。

 1つの授業でしか使えない「使い捨て」の道具ではなく,「目的」と「手段」がセットになった,様々な学習場面で応用できる,汎用的な「教材づくりの見方・考え方」を身につけていただきたいと考えているのです。


 本書では,あえて,まだ十分に力が育っていない子どもが学級にいることを想定し,一つひとつの手法をできるだけ丁寧に解説しています。

 ですから,先生方の日々の教材づくりにすぐに取り入れていくことができるはずです。

 ご自身の「教材づくりの見方・考え方」や,学級の子どもの力が十分にはぐくまれてきたと感じたなら,少しずつ,子どもに委ねていく部分を大きくしてみてください。

 もしも,そこにPCを活用することが有用ならば,もちろん積極的に取り入れていただいてもよいと思います。

 「教材づくりの見方・考え方」がしっかりと身についたなら,「目的」がぶれたり,教科の学びの本質を外したりすることは決してないからです。

 本書をお読みいただいた先生方が,1人でも多く教材づくりのすばらしさを実感し,エセ改革論に踊らされることなく,子どもに真に寄り添う学びを実現されていくことを心から願っています。


  2021年11月   /瀧ヶ平 悠史

著者紹介

瀧ヶ平 悠史(たきがひら ゆうし)著書を検索»

1980年千葉県流山市生まれ。

北海道教育大学札幌校卒業。札幌市立西小学校、札幌市立日新小学校を経て北海道教育大学附属札幌小学校に勤務。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書
読者アンケート回答でもれなく300円分のクーポンプレゼント!

ページトップへ