- まえがき
- 1 教室のための読書術,教師のための読書術
- (1)教室のための読書術,教師のための読書術
- (2)教室のための読書術
- (3)教師が学び続けていくための方法としての読書術
- 2 出会わなければ,違う人生だったと思える本が10冊はある
- (1)現場で読む
- (2)人生を揺り動かした著者と会う
- (3)著者と授業をする
- (4)作家追悼の授業をする
- (5)読書で故人と再会する
- 3 「術」ではなく,「人生」
- (1)読書は人生
- (2)雑読こそ読書
- (3)若いころの教育書
- (4)ノートに書く
- (5)「積ん読」という読書
- (6)自分にとっての読書とは
- (7)いつ,どこで読むのか
- (8)本のソムリエ
- (9)僕の人生の5冊
- (10)書店の散策
- 4 ただ読書をするだけではダメ!―読書したことが生きる工夫を―
- (1)若い頃は,専門書を徹底的に読むべき!
- (2)隙間の時間を使え!
- (3)速読ではなく,精読で!
- (4)必ず何かを掴みとれ!―読書をしたことを生かす工夫を―
- (5)自分だけでなく,人様のお役にも!
- 5 問い
- (1)転勤の効用
- (2)読書の効用
- (3)4色ボールペンの効用
- (4)引用可能性文書フォルダの効用
- (5)引用可能性文書整理の効用
- (6)5冊並行読みの効用
- (7)多様なジャンルの効用
- (8)死角意識の効用
- (9)書斎の効用
- (10)「人生を貫く問題意識の効用
- 6 読書術の「お通し」
- (1)読書術の在り方
- (2)申し訳ないが,死んでしまったら「追悼読み」
- (3)ポケットに名言ではなく「Kindle」を
- (4)おいしいところだけ食べちゃう「切り抜き」本
- (5)入門とは「つ」ばなれ。専門とは「つ」ばなれ×10
- (6)“Can you recommend something for me”「何かおすすめしてくれませんか?」(読書編)
- (7)本屋さんの知られざる上手な使い方
- (8)読書における「自分ルール」をちゃんとつくろう
- (9)たった1日3円!?【PR誌】の秘密
- (10)ひそかな人気の読書会のひそかな活用術
- (11)定期購読の「よしあし」 続ける基準/止める基準
- (12)寺山修司のせいで
- (13)【読書メーター】取り扱い説明書
- 7 「運命の一冊」と出会うための読書術
- (1)私の「運命の一冊」体験
- (2)読書術はなぜ必要か
- (3)本をどこで入手するか
- (4)本をどう評価するか
- (5)「心の置き竿」のすすめ
- あとがき
まえがき
本の話をするのが好きだ。
「これまで読んだ本のなかで,自分に与えた影響の大きい3冊を上げるとしたらなに?」
これまで,数十人にこんなふうに問いかけた。話をしているうちにその人が本好きだとわかると,すぐにこう問うてしまうのだ。その3冊を聞くと,なんだかその人のこれまでの人生を聞いているようで楽しい。もちろん,それは今日思う「人生の3冊」であって,来週同じ質問をすればその人はまったく違う3冊を挙げるかもしれない。そんなことはこちらもよくわかっている。それでも,いま僕と話しているこの瞬間に思いつく3冊を聞くのが好きなのだ。今週と来週で同じ3冊を挙げるような人は,かえって本好きじゃないような気さえする。たくさん読んでいればいるほど,その日の気分や今日の出来事やこの瞬間の話し相手を触媒として,顕在化されてくる読書体験は異なってしまうものだ。そのくらい膨大に読んでいないと「本好き」とはいえない。
本好きにとって読書とは人生そのものである。人生に大きな影響を与えた過去の出来事がその瞬間瞬間に変わるように,人生に影響を与えた出逢いがその瞬間瞬間で変化するように,「人生の書」もこれと一つには決められない。そこにこそ本質がある。そう感じます。
本好きの教師のみなさん,本書を純粋に楽しんでいただければと思います。それが本書の正しい読み方です。
インプットとアウトプットの仕方が参考になりました。