- まえがき
- 第1章 個別最適な学びと協働的な学びを実現する言語活動のポイント
- 第1節 国語科における「個別最適な学び」と「協働的な学び」とは
- 第2節 「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する「ロングレンジ」の学習活動と学習評価Q&A
- 第2章 読むこと・書くこと教材の言語活動と学習評価のアイデア
- 第1学年
- 第1節 読むこと(物語文)「たぬきの糸車」
- 単元名 大好きな昔話の大好きなところをカードで紹介しよう
- 第2節 読むこと(物語文)「ずうっと、ずっと、大すきだよ」
- 単元名 大切にしたいお話のお気に入りの場面を「大切ボックス」に詰め込んで紹介しよう
- 第3節 読むこと(物語文)「おかゆのおなべ」
- 単元名 お話交流会をしよう
- 第4節 読むこと(説明文)「じどう車くらべ」
- 単元名 自動車クイズをつくってお家の人にクイズを出そう
- 第2学年
- 第1節 読むこと(物語文)「スイミー」
- 単元名 物語の「すてき」を「すてきカード」で紹介しよう
- 第2節 読むこと(物語文)「お手紙」
- 単元名 「とっておきカード」でシリーズの大好きなお話を紹介しよう
- 第3節 読むこと(説明文)「どうぶつ園のじゅうい」
- 単元名 「お仕事紹介カード」でお仕事のすてきなところを説明しよう
- 第4節 書くこと(創作文)「お話のさくしゃになろう」
- 単元名 卵から生まれた生き物のお話をつくろう
- 第3学年
- 第1節 読むこと(物語文)「まいごのかぎ」
- 単元名 「不思議紹介カード」で物語の「不思議」を紹介しよう
- 第2節 読むこと(物語文)「三年とうげ」
- 単元名 民話の面白さを「民話リーフレット」で紹介しよう
- 第3節 読むこと(説明文)「ありの行列」
- 単元名 図鑑や科学読み物で見付けた生き物の「すごい!」を説明しよう
- 第4節 書くこと(紹介文・推薦文)「わたしの町のよいところ」
- 単元名 わたしのおすすめポスターをつくろう
- 第4学年
- 第1節 読むこと(物語文)「白いぼうし」
- 単元名 お気に入りのお話を選んで「あらすじツール」で内容を紹介しよう
- 第2節 読むこと(物語文)「友情のかべ新聞」
- 単元名 ミステリーを読み、「ミステリーロープ」でその謎を解き明かそう
- 第3節 読むこと(物語文)「スワンレイクのほとりで」
- 単元名 読書交流会をしよう
- 第4節 読むこと(説明文)「風船でうちゅうへ」
- 単元名 知ってびっくり!「発見フリップ」で三年生に紹介しよう
- 第5学年
- 第1節 読むこと(物語文)「銀色の裏地」
- 単元名 おすすめ友情本を紹介しよう
- 第2節 読むこと(物語文)「たずねびと」
- 単元名 心に残るイチオシの作品を推薦しよう
- 第3節 読むこと(説明文)・書くこと(調査報告文)「固有種が教えてくれること」「自然環境を守るために」
- 単元名 資料を調べて「環境保護レポート」にまとめて報告しよう
- 第4節 書くこと(調査報告文)「みんなが使いやすいデザイン」
- 単元名 街のユニバーサルデザインを調査して報告書に書こう
- 第6学年
- 第1節 読むこと(物語文)「ぼくのブック・ウーマン」
- 単元名 外国文学の魅力を解説しよう
- 第2節 読むこと(物語文)「海の命」
- 単元名 命について考える読書座談会をしよう
- 第3節 読むこと(説明文)・書くこと(解説文)「『鳥獣戯画』を読む」「発見、日本文化のみりょく」
- 単元名 資料から発見した日本文化の魅力を解説しよう
- 第4節 読むこと(説明文)「『考える』とは」
- 単元名 中学校進学に向けた作戦会議をしよう
まえがき
前著『「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する国語授業モデル―主体的な学びを支える「ロングレンジ」の活動アイデア』、その理論編『国語授業の「個別最適な学び」と「協働的な学び」―主体的な学びを支える「ロングレンジ」の学習活動』に続き、本書を刊行することができ、改めて得難い機会をいただいたことに感謝を申し上げます。
子供たちの実態の多様化が指摘されていますが、日々実践に当たる皆様はまさにそれを実感されているでしょう。指導案通りに進めても、なかなか乗ってこない子供がいると悩む若手の先生、支援を要する子供が増えるなかで個に応じた子供主体の指導へ転換したいと願うベテランの先生、本書はそうした皆様の一助となることを願って刊行したものです。
「個別最適な学び」と「協働的な学び」の実像は必ずしも明確ではなく、それを追究する段階だと考えていますが、私は幸いにも、たくさんの地域・学校の先生方との共同研究を通して、数多くの優れた実践を一緒に具体化する機会に恵まれています。また授業のなかでぐんぐん子供たちが育っていく姿を目の当たりにすることができています。
本書では、特に評価に視点を当て、そうした子供たちの姿を、教師とのやり取り、子供同士のやり取りの形で具体化しています。こうした姿は、いずれも実際の授業のなかで見られたものです。
共同研究を進める機会をいただいたたくさんの小学校、そして授業者の皆様に、この場をお借りして深く御礼を申し上げます。とりわけ、写真等の掲載を許可いただきました、墨田区立第一寺島小学校、京都市立第三錦林小学校、今帰仁村立今帰仁小学校、新宮市立王子ヶ浜小学校、岸和田市立城内小学校、彦根市立金城小学校、京都市立下京渉成小学校、南風原町立翔南小学校、令和七年度水戸部ゼミ四回生、尼崎市立立花西小学校、泉南市教育研究会国語部会、ベルリン・ブランデンブルグ州立学校・メディア研究所、金沢市立小立野小学校、神戸市立名倉小学校、佐用町立三日月小学校、木津川市立棚倉小学校、有田市立港小学校、那覇市立若狭小学校、京都市立岩倉北小学校、貝塚市立中央小学校、大東市立深野小学校、名護市立真喜屋小学校(いずれも掲載順・実践当時の実践校名)の皆様へ、そのご高配に衷心より感謝申し上げます。
本書が、読者の皆様の国語科授業改善の一層の推進の一助となればと願ってやみません。
二〇二五年七月 京都女子大学教授 /水戸部 修治
「ロングレンジ」の視点や子供たちが自分で学びを調整し、次の学習や日常生活へとつなげていく学びの連続性、学年や教材ごとに細分化された24の具体的事例、単なる活動例だけでなく、学習評価の視点が明確に示されていて大変勉強になりました。本書は、日々の授業改善に具体的なヒントと新しい視点を与えてくれます。