子どもの主体性を育む言葉がけの作法

子どもの主体性を育む言葉がけの作法

新刊

主体性を育む言葉がけの秘訣について具体的なエピソードで解説!

子どもの主体性を育むためには、表面的な行動を引き出すだけではなく、子どもの価値観や志向を肯定的にサポートする言葉がけが必要です。「子どもを見守る言葉がけ」「支える言葉がけ」「引き上げる言葉がけ」など、子どもの意欲を高めて伸ばす言葉がけの秘訣を1冊に。


紙版価格: 1,980円(税込)

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電子版予価: 1,782円(税込)

9/25刊行予定

ISBN:
978-4-18-338929-9
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月18日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 子どもの主体性と言葉がけの重要性
1 子どもの主体性とは何か
1 「主体的」とは
2 学術的に見る「主体性」 3層に分けた主体的な学習スペクトラム
3 子どもの主体性と教師の働きかけ
2 子どもの主体性を育む教育の意義
1 子どもの主体性を育む教育の重要性
2 主体性を育む教育がスキルや資質の発展に与える影響
3 教育制度やカリキュラムにおける主体性の重要性
3 言葉がけが主体性に与える影響
1 教師の言葉が子どもの主体性に与える影響
2 教師の言葉がけの留意点
3 言葉がけのための3つの心得
第2章 子どもの主体性を育む言葉がけの基本理念
1 子どもの見取りと言葉がけ
1 子どもの見取り
(1) 子どもの「見取り」とは
(2) どのように見取るのか
2 見取りと教材の関係
3 見取ったその先を見る
4 見取りと言葉がけはセット
2 言葉選びのポイント 一つ一つの言葉を大切に考えながら
1 言葉選びのポイント
(1) 言葉のひき算で簡潔に
(2) 子ども目線で,イメージがわく言葉を
(3) 響きのよい言葉を
(4) 相手を理解しようとし続けることこそ
2 選んだ言葉を子どもに届けるには
(1) 主語は「わたし」。決めるのは「あなた」。
(2) ヒドゥンカリキュラムを意識する
3 子どもと同じ目線でのコミュニケーション
1 尊敬や信頼でつながり合う
2 対等なまなざしで子どもと学び合う
3 子どもの心に響く言葉がけ
(1) Iメッセージが子どもの心に響く
(2) 教師の自己開示が子どもの心を開く
4 ほめ方と励ましの言葉がけの工夫
1 「ほめる」「励ます」とは
2 なぜ「ほめる」「励ます」のか
(1) 子どもたちが人として成長していこうと思えるために
(2) 子どもたちとともに成長するために
(3) 子どもたちの主体的・対話的で深い学びのために
3 「ほめる」「励ます」ときの工夫
(1) 何でもない行動にまなざしを向ける
(2) 周囲の子どもたちとのかかわりの中で
4 子どもはどの子も星
5 勇気づけとポジティブなフィードバック
1 勇気づけとは
(1) 気力を与える勇気づけについて
(2) 人を育てる勇気づけについて
2 勇気づけの在り方
(1) 気力を与える勇気づけ
(2) 人を育てる勇気づけ
6 大切なフォローの言葉がけ
1 フォローとは
(1) 教室に安心感を生み出すフォローについて
(2) 人を育てるフォローについて
(3) 視座の転換を促すフォローについて
2 フォローの在り方
(1) 教室に安心感を生み出すフォロー
(2) 人を育てるフォロー
(3) 視座の転換を促すフォロー
7 子どもに任せる言葉がけのアプローチ
1 幼年期で育まれてきた主体性
2 「放任」と「任せる」は違う
3 待つことの大切さ
4 任せることは子どもの成長を信じること
第3章 子どもの主体性を育む言葉がけのパターンと実践
1 学級経営における言葉がけ
1 学級経営において大切なこと
2 実践事例
(1) つながり合い,認め合える学級を目指すための言葉がけ
(2) みんなのことをみんなで話し合ってよりよいものに変えていく学級を目指すための言葉がけ
(3) 友だちの成長も自分事のように喜べる学級を目指すための言葉がけ
2 学習における効果的な言葉がけ
1 授業中に教師が使う3つの言葉
2 対話型の授業はフリ・オチ・フォローからなる
3 「ねうちづけ」によるフォロー
4 「攻め」の授業から「受け」の授業へ
5 「ねうちづけ」の言葉がけを意識した授業の在り方
(1) 授業冒頭の「ねうちづけ」で教室の空気をあたためる
(2) 「前フリ」による「ねうちづけ」で安心感ややる気を高める
(3) 対話中の「ねうちづけ」で対話を活性化する
(4) 点ではなく,線の「ねうちづけ」で学び方を身につけさせる
(5) 教科の見方・考え方を「ねうちづけ」,深い学びにつなげる
3 学校行事における言葉がけ
1 主体性を育む学校行事の指導のポイント
(1) 行事指導の問題点
(2) 指導の前に
2 学校行事をきっかけに変わった たけし君の場合
3 主体性を育てる言葉がけのポイント
(1) 言葉がけのポイント1 「背中を押す言葉がけ」
(2) 言葉がけのポイント2 「ゴールイメージを共有する言葉がけ」
(3) 言葉がけのポイント3 「ふり返りと評価の言葉がけ」
4 生活指導における言葉がけ
1 生活指導において大切なこと
2 生活指導の在り方
(1) 子どものよいところを見取り,価値付ける言葉がけ
(2) 子どもに思考させる,自己決定させるやりとり
(3) 受けを大切にした言葉がけ
5 気になる子へのサポートと言葉がけ
1 サポートと言葉がけの前に
2 気になる子も含めて,一人ひとりが成長できる場に
(1) 一人ひとりちがっていいという土台をつくる
(2) 友だちを見る目を育てる
3 気になる子への実際の言葉がけとサポート
6 視点を変えた言葉がけ
1 東井義雄と臼田弘蔵のエピソード
(1) ひっくり返したバケツ
(2) かぼちゃの顔
2 視点を変えて気づかせる
3 エピソードからの考察
(1) 「指導」と「理解」のバランス
(2) 自分自身を問い直すこと
(3) 環境の整備と子どもたちの主体性
4 育成の心と生活の土台

はじめに

 2023年8月11日,私たち執筆メンバーは兵庫県但東町にある「東井義雄記念館」と東井義雄生家を訪れました。東井裕子氏におもてなしいただき,東井の書斎に足を踏み入れた瞬間,私たちは東井実践の深さ,理想の教師像を目の当たりにしました。無言で東井と子どもの日記や実践記録を読むメンバー,時折漏れるため息,これらは私たちが感じたものを物語っています。そこには,教師の言葉がけが子どもたちの主体性をどのように育むかのヒントが多くありました。


 本書では,第1章で子どもの主体性の本質とその重要性を探り,第2章では言葉がけの基本理念を,そして第3章では実践的なパターンと具体例を紹介しています。子どもたちの主体性を育むためには,教師の言葉がけがいかに重要であるかを,様々な視点から解き明かしていきます。


 また,本書を執筆する過程で,私たちは「言葉がけ」の本質について深く考えさせられました。教師の言葉がけは単なる技術ではなく,教師自身の「あり方」や「心もち」から生じるものです。本書タイトルにある「作法」もそのような意味を込めています。教師としての「あり方」や「心もち」がどのように言葉がけに影響を与えるかを示しました。


 臼田弘蔵は,『圡生が丘』(1)第1号の冒頭で,次のように述べます。


 子供を育てる仕事は,なんといいましても,地味な,そしてむずかしい事ではありますが誰もが念ずることは,どうすれば子供たちがしあわせになれるかということであると信じます。


 臼田が言うように,子どもたちを幸せに導く仕事は地味で難しいものですが,根底には「子どもを幸せにしたい」という共通の願いがあります。その願いがあれば,あとにくる方法は人それぞれです。諭す言葉がけが得意な方もおられれば,強く引きつける言葉がけが得意な方もおられるでしょう。このような言葉がけをすればうまくいく,という必勝法のようなものはありません。自分自身の「観」を高め,その時その場でその子に応じた言葉をかけていくしかありません。本書では,教師としての「観」を大切にした言葉がけを意識しています。


 言葉がけは,その場面だけでなく,文脈の中で感じること,受け止めること,つながり,個々の想いや願い,すべてを含んでの言葉がけです。そこにはそれぞれのエピソードがあり,そのエピソードの中で,かけられる言葉がけが重要になります。本書ではそのようなエピソードを多く紹介します。読者の皆様とまったく同じエピソードはないと思いますが,その本質的な部分を読み取っていただけると幸いです。


 執筆メンバーの久後龍馬氏,木上徹也氏,井紳輔氏,岡佑樹氏,岡実咲氏は,目の前の子ども達の幸せを願いながら,誠実に子どもと向き合い,「観」と「技」を磨いています。日々のくらしの中で「言葉」の重要性を実感しながら教育実践を行なっています。本書が,言葉がけの真の意味を理解し,言葉がけを通じて教育実践のあり方を考えるきっかけとなることを願います。


   /宗實 直樹

著者紹介

宗實 直樹(むねざね なおき)著書を検索»

関西学院初等教諭。1977年兵庫県姫路市夢前町に生まれる。大学では芸術系美術分野を専攻し,美学と絵画(油彩)を中心に学ぶ。卒業論文は「ファッションの人間学」。大学卒業後,兵庫県姫路市の公立小学校,瀬戸内海に浮かぶ島の小学校を経て,2015年より現任校へ。研究主任を務める。2023年兵庫教育大学大学院学校教育研究科修了。修士(教育学)。修士論文は「ESD(Education for Sustainable Development)を意識した図画工作科〈ものつくり〉の教育――廃材・余剰材の教材活用を巡って――」。様々な場所でフィールドワークを重ね,人との出会いを通じて独自の教材開発を進めている。社会科教育,美術科教育,特別活動を軸に,「豊かさ」のある授業づくり,たくましくしなやかな子どもの育成を目指して,反省的実践を繰り返す。ブログ「社会のタネ」において,社会科理論や実践を中心に日々発信中。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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