- まえがき
- 序章 学習指導要領から基礎・基本を知り,授業に生かす
- /井上 一郎
- 1.中央教育審議会答申及び学習指導要領の改訂趣旨を授業に生かす
- 2.国語科の指導内容から基礎・基本を明確にし,授業に生かす
- 第1章 「読むこと(物語文)」の教え方・学び方ポイントシート
- 第1ステージ
- 1.物語の世界へ出発!
- 2.昔話に出てくる人っておもしろい
- 3.出かけるお話かな? やって来るお話かな?
- 4.読書BINGOでお話を楽しもう
- 5.感想を書くために,メモしながら読もう
- 6.物語を声に出して楽しもう
- 7.お気に入りの物語を見付けて,紹介しよう
- 8.読書の記録を付けよう
- 第2ステージ
- 9.シリーズを読もう
- 10.ファンタジーを楽しもう
- 11.登場人物カードゲームをしよう
- 12.物語の展開と場面の変わりめを知ろう
- 13.主人公や登場人物のつながりの変化を見付けながら読もう
- 14.何のために引用するのかをはっきりさせて,引用しよう
- 15.目的をはっきりさせてあらすじにまとめよう
- 16.3つのステージで読み,感想を深めよう
- 17.読書紹介や読書案内を読んで,読みたい本を探そう
- 第3ステージ
- 18.読んでいる本につながる複数の資料を読める勇者になろう
- 19.「語っている人の視点が動く時」をスクープしよう
- 20.登場人物の関係を図にまとめて,つながりを考えよう
- 21.心情=「内面にある深い思い」を読み取ろう
- 22.作者の表現の工夫を見付けよう
- 23.作者と対話してみよう
- 24.作品を比べて読んで,考えを深めよう
- 25.この本,おすすめです 読んでみませんか?
- 第2章 「読むこと(説明文)」の教え方・学び方ポイントシート
- 第1ステージ
- 1.説明文にはどんなといがあるの?
- 2.時間や事柄の順序を考えて,内容の大体を読もう
- 3.説明文に使われている「言葉」を見付けよう
- 4.本の表紙を読もう
- 5.メモの取り方やまとめ方を工夫しよう
- 6.文章の内容と自分の経験とを結び付けて考えをもとう
- 7.読んだ本について好きなところを紹介し合おう
- 第2ステージ
- 8.説明文や科学読み物の題名はどうやって付けているの?!
- 9.段落のつなぎ方に注目して文章を読もう
- 10.事例の挙げ方や理由の説明の仕方に注目しよう
- 11.文章と図表や写真などの資料を確かめながら読もう
- 12.目的にしたがって,文章の大事な言葉や文をとって要約しよう
- 13.引用の部分を見付けよう
- 14.内容と関係する他の本や文章などを読み,感想を書こう
- 15.報告の文章をリーフレットにまとめよう
- 第3ステージ
- 16.文章の構成を考えながら,要旨を捉えよう
- 17.いろいろなことを予想して,考えながら黙読しよう
- 18.いくつかの本を比べてみよう!どんな特徴が見付かるかな?
- 19.パラフレイズをして,深く読もう
- 20.科学読み物を読み,感想や評価の言葉を上手に使って感想文を書こう
- 21.伝記を読み,自分の生き方を考えよう
- 22.目的に応じて速読し,知りたいことをつかもう
- 23.本を参照したり参考にしたりして,自分の考えをまとめよう
- 24.本を読んで,推薦の文章を書くための手順をはっきりさせよう
まえがき
平成29年3月31日に改訂された学習指導要領は,中央教育審議会『幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)』(平成28年12月21日)に基づいて改訂されたものです。国語科の授業改善に至る経緯を示すと,次のようになります。
〔中教審答申→学習指導要領改訂→国語科改訂→国語科教科書の改善→国語科の授業改善〕
今は,改訂方針に基づく教科書が配布され,新国語科の授業が始まっています。ただし,教育現場では,学習指導要領の趣旨や改訂内容の理解が進んでいません。そこで,国語教育学者として約35年間勤務した経験と知見を生かし,教師の教え方と子どもの学び方についてまとめることにしました。その約35年間には,大学を離れ,文部科学省教科調査官として平成20年版国語科の改訂及び『小学校学習指導要領解説国語編』を執筆をした時期も含みます。
教育現場と授業が変わるためには,次のような資料の理解が不可欠となります。
@中央教育審議会答申→A学習指導要領の総則→B国語科学習指導要領本文→C国語科解説書→D教科書編集の趣旨と体系・系統→E担当学年の1年間の指導計画→F評価
このようなことを各教科等に適用する教師は,大変でしょう。そこで,学習指導要領に込められた国語科の基礎・基本を解説するとともに,どのように教材及びポイントシートとして示せばよいのかを考えて本書を構成しました。
「読むこと」編(第1巻),「話すこと・聞くこと」「書くこと」編(第2巻)として,内容については,若い教師が多くなったこと,長年勤務してきた教師が新しい学力観をfollowすることが難しくなっていることを考慮して編集しました。小学校教師は,以前のように教科教育を研究対象として優れた実践を追究する環境にはいないと推察しています。そこで,序章において,第1巻で学習指導要領の改訂から授業改善を図る方法,第2巻で学習評価の方法について具体的に解説しておきます。各ステージでは,指導事項について,左頁で基礎・基本となる内容を解説し,右頁に児童に示すべき内容をポイントシートとしてまとめました。
[左頁] ポイントシートのねらい・解説・活用法
[右頁] 教材として使用できるポイントシート
なお,「ステージ」とする能力段階の示し方は,イギリスの「ステージ」による考え方などを参考にしています。国語科教育の基礎・基本となる指導事項を理解するとともに,子どもの成長や能力の発達段階を踏まえた個別の指導が出来るようにという願いを込めています。
本書は,「全国国語教育カンファランス」会員とともに,改訂後4年間の長きにわたる研究によって完成しました。研究会員,編集者の方々に,改めて謝意を表します。多くの方が自信をもって授業に取り組めるよう本書をご活用くださることを強く願っています。
2020年11月 /井上 一郎
-
- 明治図書
- 教員向けの本ですが、見開きの右側のページは子どもに示してもいいと思います。コピー可なのか教えていただきたいです。2021/2/1930代・小学校教員
- 井上一郎先生の指導による実践書です。わかりやすい構成で実に読みやすく、読解力向上のポイントが身につく一冊です2021/1/1650代・准教授