主体的な子ども、自治的なクラスを育む! 学級会

主体的な子ども、自治的なクラスを育む! 学級会

学級会、クラス会議に挑戦したいと思ったら読む本

主体的な子ども、自治的なクラスを目指すなら、「学級会」は最適な成長の機会。とはいえ、なんの指導もなく話し合いができるようにはなりません。発表する、決定する…などの具体的なスキルの育て方から、会の進め方、おすすめの議題まで、全てが詰まった1冊です。


紙版価格: 2,046円(税込)

送料・代引手数料無料

電子版予価: 1,841円(税込)

12/25刊行予定

ISBN:
978-4-18-336636-8
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
四六判 192頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年12月9日

もくじ

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第1章 なぜ、今「学級会」なのか
1 自治的な学級の中核に学級会を
2 学級会のすばらしさ
3 今の教室と学級会
4 クラスがなんかいい感じ
第2章 学級会を成立させるための下準備
0 学級会は、急にはできない
1 聞く練習―――静かに聞けない教室で学級会は成立しない
2 発表する練習―発表できないのは慣れていないから
3 肯定する練習―自由に議論をする雰囲気づくり
4 反対する練習―反対意見を言うことにも練習が必要
5 正反する練習―実は多くの反論は反論になっていない
6 決定する練習―多数決には丁寧な説明と練習が必要
7 時間を確保する
第3章 学級会づくりの10のステップ
0 ぶれない「型」と「意志」をもつ
1 進行表や司会文をつくる
2 アイスブレイクを行う
3 はじめは教師主導で行う
4 話し合いに必要性をもたせる
5 それぞれの意見をかみ合わせる
6 議論の落としどころをはっきりさせる
7 こまめに多数決を取る
8 「先生の話」で話し合い方を評価する
9 議題提出のルールを提示する
10 提案実行委員会を組織する
第4章 学級会を成功に導く10のポイント
1 子どもたちに趣意説明をする
2 相談タイムを多めに取る
3 無理に終わらせない
4 ディベートを取り入れてみる
5 相手に嫌な思いをさせない言い方を考える
6 話し合いのルールを決める
7 トラブルシューティングを用意する
8 デリケートな問題は丁寧に取り上げる
9 学校の年間指導計画をチェックする
10 他のクラスの学級会を参観する
第5章 学級会の実際 1年間の成長を比較する
6学年1学期の学級会 議題「1学期のお楽しみ会を開きたい」
6学年3学期の学級会 議題「長縄大会が近いのに練習をしなくてもいいのか」
第6章 学級会の議題集
クラスのマスコットキャラクターを決めよう
クラスに増やしたい「あったか言葉」を決めよう
クラス解散パーティを企画しよう
学級花壇に植えたいお野菜(お花)を決めよう
おうちでできるお手伝いについて考えよう
得意なこと発表会について話し合おう
友だち倍増大作戦について話し合おう
リコーダー・鍵盤ハーモニカ上達大作戦について話し合おう
はじめての宿泊学習(社会科見学)を成功させよう
教室リフォームについて話し合おう
スポーツ大会を開こう
どんな6年生(中学生)になりたいか話し合おう

はじめに

 こんにちは。須永吉信といいます。


 本書のテーマは「学級会の指導」です。

 この「はじめに」を書いているのは3月下旬なのですが、先日、とても印象に残る出来事が2つありました。


 1つは、20歳を迎えた卒業生たちとの同窓会での出来事です。

 「小学校で一番覚えていること」が話題になりました。

 「私は、やっぱり学級会だな。計画書とかをグループでつくって、みんなで討論して。学校イベントも開いて。いろんなこと話し合ったよね」

 「そう、私もそれ! 中学、高校に行ったときに学級会の話をしても、だれにも通じないから、こういうのってうちのクラスだけだったんだって、卒業してから気づいた」

 修学旅行や卒業式ではなく、真っ先に学級会の話が出てきたことに驚きました。


 もう1つは、先日送り出した6年生の卒業式当日の出来事です。保護者の方々がこんなふうに話してくださったのです。

 「うちの子は、毎週学級会の日になると、張り切って学校に行ってたんですよ。なんでも子どもたちの手で話し合ったり企画したりして、本当に楽しそうでした」

 「6年生になって(代表委員会などで)学校イベントをたくさん開いていたじゃないですか。毎日本当に楽しそうでした」

 私はこれにも驚きました。


 「学級会指導に力を入れて一番よかったことは何か?」と問われれば、私は「クラスが個性豊かに、かつ集団として一丸となったこと」をあげるでしょう。

 子どもたちがのびのびと、自由闊達にいきいきと毎日を過ごし、トラブルがあればみんなで丸くなって真剣に話し合う。それぞれの個性や特技を生かしながら、ダイナミックに自分たちの学級・学校を自分たちの手でつくり上げていく。

 そして、その「実感」は卒業生の中にも、保護者の皆さんの中にも連綿と息づいているのです。

 私は先述のような生の声を聞くたびに、喜びと同時にいくばくかの安堵を覚えます。なぜなら、学級会は成果が見えにくい活動だからです。こうした実感(成果)は何年も経ってからやってくる、ということが少なくありません。私自身「このまま続けてもよいものか…」といった苦悩や挫折をたくさん経験してきました。

 もしかしたら、本書を手に取った先生方の中にも、日々の多忙も相まって、学級会指導に力を入れることに躊躇している方がいるかもしれません。

 しかしながら、身銭を切って本書を手にするほど、心から「いいクラスをつくりたい!」と思っている先生にこそ、私は学級会指導に力を入れてほしいと願っています。

 本書が、「明日のクラスを少しでもよくしたい」と真摯に子どもたちと向き合う先生方のお役に少しでも立つなら、本当に幸せに思います。


  2024年3月   /須永 吉信

著者紹介

須永 吉信(すなが よしのぶ)著書を検索»

1986年生まれ。群馬大学教育学部卒業。

栃木県栃木市立岩舟小学校勤務。おやま教育サークル代表。「授業道場野口塾」青年塾生。山中伸之氏に師事。

サークルの理念「良いものは良い 良いものは続く 良いものはいつか受け入れられる」をモットーに、日々授業や学級経営に励んでいる。研究分野は国語教育、道徳教育、学級経営など。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 自身の学級で学級会を行うにあたり、勉強したいと思い、購入しました。基本的なことから学ぶことができて活用できました。一方で理解はできても子どもたちにどのように活用していくと良いのか難しい点もあったので、子どもとともに学級会を行いながら教師としての力量も上げていきたいと思います。
      2024/11/820代小学校教諭初任者
    • あらためて、主体的な、自治的な、を考えさせられました。若い先生方にぜひ、読んでもらいたい1冊です。
      2024/7/3150代・小学校教員
    • よかった
      2024/7/24小学校教員
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