- はじめに―終わりよければすべてよし!?
- 第1章 冬休み ゴールを意識した準備を
- ラスト3か月に向けた学級づくり
- [意識づくり] ラスト3か月に目指す子ども像を再設定する
- [意識づくり] 自立≠フ視点をもつ
- [集団づくり] 一人ひとりが活躍する場を仕掛ける
- [学習づくり] 3つの観点をチェックする
- [学級事務] いつ、何をするのかという見通し≠もつ
- 第2章 1月 最後に伸びるか停滞するかの勝負所
- 1月の学級づくり
- [意識づくり] 学級目標を再確認し、具体的な行動を促す
- [集団づくり] 一人ひとりの自立を促す問いかけをする
- [学習づくり] 班対抗バトルで漢字と九九を楽しく徹底させる
- [学習づくり] 年始には干支のことを教える
- [学級事務] 計画的に3学期の通知表を作成する
- 第3章 2月 あわただしいときほど冷静に
- 2月の学級づくり
- [意識づくり] 教師が不在でも自律的に動く子どもを育てる
- [意識づくり] 最初が肝心! 委員会活動の心構えをつくる
- [集団づくり] 個々の力を集団の力へ高める
- [集団づくり] 縦割り班の6年生へメッセージを贈る
- [学習づくり] 学年末の「まとめのテスト」の効果を最大限に高める
- [学習づくり] おろそかになった学習のルールと規律を再構築する
- [学級事務] 教材費の集金トラブルを未然に防ぐ
- 第4章 3月 別れは軽やかに
- 3月の学級づくり
- [意識づくり] カウントダウンカレンダーで「最後」に向けた意識をつくる
- [意識づくり] 卒業式を最後の成長の場≠ノするという意識をつくる
- [集団づくり] 集団の力を発揮してお別れ集会(6年生を送る会)に取り組む
- [集団づくり] 歌で集団のつながりをつくる
- [学習づくり] 1年間の漢字・計算の総復習をする
- [学習づくり] 最後の授業参観のプランを練る
- [学級事務] 「最後の懇談会」を計画する
- [学級事務] 子どもの「よさ」を認める賞状をつくる
- [学級事務] データファイルを整理整頓して次の担当へ引き渡す
- 第5章 「学級最後の日」を演出する
- ラスト1週間の学級づくり
- [ラスト1週間] 学級文集・卒業文集で一期一会の証をつくる
- [ラスト1週間] 慣用句で自分を戒める心構えをもたせる
- [ラスト3日間] 子どもが企画するイベントで忘れられない思い出をつくる
- [ラスト3日間] 教師が企画するイベントで忘れられない思い出をつくる
- [最後の日前日] 1年間使った教室に感謝の気持ちを表す
- [最後の日前日] 継続することとリセットすることを自覚させる
- [最後の日前日] 黒板に最後のメッセージを書く
- [最後の日] 最後の学級通信を書く
- [最後の日] 「最後の5分」に担任の最後のメッセージを語る
- [最後の日] 学級解散! 「その瞬間」を演出する
- [最後の日] 子どもが帰ったその後に……
- おわりに
はじめに
――終わりよければすべてよし!?
○「始め方」には力を入れるのに……
本書は「終わらせ方」の本です。
それも、「最後の1日」や「最後の授業」だけを扱うのではありません。「1〜3月のラスト3か月」という長丁場について書いた本です。
なぜ、このテーマを取り上げたのか?
「黄金の3日間」「最初の3か月」などの有名なキーワードを、教師のみなさんならご存じでしょう。そう、「始め方」がその1年を左右するほど大切であることは、すでによく知られています。だからこそ、誰だって、年度はじめは力を入れて学級づくりや授業づくりをするのです。
ところが、そのように「始め方」には力を入れるのに、「終わらせ方」には無頓着だったり、力を入れるのはせいぜい最後の1日や最後の授業だけだったりします。
また、いい終わらせ方をしようと思っていても、日々の授業や生徒指導、保護者対応などに疲れはててしまい、年度末に近づく頃にはすっかり意欲がなくなってしまっていることもあります。
あなたは、どうでしょうか? 去年やおととしを思い返してみましょう。
その日その日をただやりすごすだけになっていなかったでしょうか? 学級がうまくいかずに、「早く4月にならないかな」と、学級をリセットすることばかり考えていなかったでしょうか?
いずれにしても、4月の頃の意欲や希望がなくなり、惰性で毎日を過ごしてしまっている教師は多いのです。
○教室は連続ドラマ≠セ!
みなさんにも、好きなドラマ番組があることでしょう。誤解を恐れずにいえば、
毎日の教室の営みは、このような連続ドラマ≠ネのです。
ドラマにもいろいろあります。
前評判はよかったのに、始まってみたら低視聴率が続くドラマもあれば、逆に、最初はあまり話題になっていなかったのに、しり上がりに視聴率が上昇していくドラマもあります。それはまさに、あなたの学級に対する子ども・保護者の満足度や充実度にも通じます。
そして、第1話と並んで、ドラマで一番重要なのは最終回です。
もし、そのドラマが最終回で、それまでの伏線も回収せず、何の盛り上がりもなく、唐突に終わったら、「あのドラマ、途中まではよかったのにね」といわれる、残念な終わり方になってしまいます。しかし、途中が少々ツマラナくても、徐々に盛り上がり、じゅうぶんに満足できる最終回だったら、「あー面白かった!」という印象が残ります。
学級も同じです! 1〜2学期に少々のトラブルがあっても、最終回、そして最終回へ向かうラスト数回が充実し、どんどん盛り上がれば、子どもたちも保護者も満足してその学年を終えることができます。
その「最終回、そして最終回へ向かうラスト数回」が、教室での「ラスト3か月」、つまり1〜3月にあたるのです。
○あと少し≠セからこそ、攻めの学級経営を!
何も考えなくても、修了式の日になればその1年の活動は終わります。でも、どうせなら、子どもも保護者も、そして教師も満足して終わる1年にしたいと思いませんか?
場当たり的な毎日や惰性で過ごす日々では、充実した「終わらせ方」はできません。
「終わりよければすべてよし」という言葉があります。教室の場合、終わり≠フ日だけでなく、そこに向かうラスト3か月を充実させてこそ、その1年がすべてよし≠ナ終えられるのです。
本書が、4月の頃の希望や情熱を思い出し、あとひと踏んばり頑張ろうとしている教師に、ラスト3か月を充実させるための示唆を提供することができれば望外の幸せです。
あと少し≠セからこそ、ここでもう一歩、攻めの学級経営をやってみませんか?
/辻川 和彦
読んでいて、やる気・元気が出てくる本だった。やってみようと思うことができた
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