- はじめに /難波 博孝
- T 伝統的な言語文化の授業の理論
- [1] 伝統的な言語文化の授業づくりのために
- (1) 伝統的な言語文化と小学校/中学校
- (2) 国語科授業づくりの基本
- (3) 伝統的な言語文化の授業づくりの基本
- [2] 各学年の伝統的な言語文化の授業づくり
- (1) 特別支援・小学校1・2年生
- (2) 小学校3・4年生
- (3) 小学校5・6年生
- (4) 伝統的な言語文化の授業の学年段階(原小の場合)
- [3] 伝統的な言語文化の授業について考えるべきこと
- (1) 伝統的な言語文化の授業の利点
- (2) 伝統的な言語文化の授業の課題
- U 伝統的な言語文化の授業の実際
- [1] 本校の概要
- (1) 本校の概要
- (2) これまでの研究
- [2] 研究の内容
- (1) 研究の概要
- (2) 伝統文化教育
- @ ねらい
- A 指導内容
- B 学年重点目標
- (3) 伝統的な言語文化を学ぶ意義
- @ 学ぶ意義
- A 国語から捉えた学ぶ意義
- (4) 原小学校の「伝統的な言語文化に関する教育」への取り組み
- @ 研究主題
- A 研究仮説
- B つけたい3つの力
- (5) 研究の内容
- A 伝統的な言語文化カリキュラム
- B 単元開発
- C 和楽タイム
- @和楽タイムの概要/ A活動計画/ B学習活動とノートの活用/ C学習活動の実際/ D古典検定
- (6) ノートの活用
- [3] めざせ!ことばあそび名人(第1学年)
- 〜Tかぞえうたのまき Uあいうえおはいくのまき Vいろはかるたのまき〜
- T かぞえうたのまき
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- U あいうえおはいくのまき
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- V いろはかるたのまき
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- [4] 昔話のおもしろさをあじわおう(第2学年)
- 〜◯◯太郎編〜
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- [5] おあとがよろしいようで(第3学年)
- 〜落語の世界へようこそ〜
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- [6] 昔話を楽しもう(第4学年)
- 〜吉四六話 徒然草「猫また」〜
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- [7] 連歌を楽しもう(第5学年)
- 〜平成連歌の会〜
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 伝統的な言語文化に親しむ工夫
- [8] わたしも平安ベストセラー作家(第6学年)
- 〜枕草子〜
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- (4) 単元の構成についての考察
- (5) その他の取り組み
- [9] ひまわり座 ザ・紙芝居(ひまわり学級)
- 〜ねずみのすもう〜
- (1) 授業の概要
- (2) 学習活動の実際
- (3) 表現と評価
- おわりに /宮丸 伸恵
はじめに
原小学校の挑戦には,前史があります。
この学校は,私と一緒に文学教材の読書会を続けてきました。ある学年の教材を,私と全員の先生とで読み合う。どこが盛り上がるのか,どこで主人公の気持ちが変わったのか,この描写の意味は何なのか……。
夏の暑い日校長室で,地域の名産,東広島市福富町カドーレのジェラートを食べながら,みんなで,ああでもないこうでもない,と語り合ったこともありました。
どんな授業をしようか,どんな目標をたてようか,そういうことを考える前に,私たちは,教材としてではなく,作品として,一つの言語文化として,自分自身がその文章に出会わなくてはいけません。そのことを,この学校の研修を通して私は思い出すことができました。
伝統とは,古いことではありません。古くに生まれ今に生き続ける,生命力そのものです。伝統に向き合うことは,自分自身の中に流れる「いのち」に向き合うことです。そのための準備を,原小学校は続けてきたのです。
本書でその一端にぜひ触れてください。そして,みなさんもぜひ,みなさん自身の伝統に向き合ってみましょう。
広島大学大学院教授 /難波 博孝
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- 明治図書