こどもにゆだねる国語授業 「自由進度学習」の取り入れ方・進め方

こどもにゆだねる国語授業 「自由進度学習」の取り入れ方・進め方

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「こども主体」の国語授業をつくりたいすべての先生へ

こどもに「ゆだねる」ことをベースとした小学校国語科の自由進度学習とは。4つの自己決定ができるようにゆだねる環境づくりのポイントから、1単位時間の自由進度学習、単元内の自由進度学習、完全自由進度学習の3つのパターンの授業モデルまでを詳しくご紹介します。


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PDF
ISBN:
978-4-18-331735-3
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年2月27日

Contents

もくじの詳細表示

はじめに この本を手にとってくださったみなさんへ
第1章 こどもに「ゆだねる」自由進度学習を取り入れた国語授業づくり
1 こどもに「ゆだねる」授業とは?
授業を始める前に
四つの自己決定ができるように「ゆだねる」
個別最適な学びと協働的な学びとの関連
2 「ゆだねる」授業での先生の役割
安心できる環境をつくる
こどもを本気で見取る
学びを一緒に楽しむ
3 自由進度学習の三つのパターン
1単位時間の自由進度学習
単元内の自由進度学習
完全自由進度学習
4 ここが知りたい!自由進度学習に関するQ&A
Q 教科書をどのようにあつかうのですか?
Q 身に付けたい力や言語活動等について,こどもが考える内容と先生が意図していた内容に違いがある場合はどうするのですか?
Q やりたいことのある子にとっては,おもしろいと思いますが,そうでない子には,どう関わるのですか?
Q 無理にゆだねなくても先生主導でいいのではないですか?
Q どの学校でもできますか?
第2章 1単位時間の自由進度学習の進め方 1時間の授業で「ゆだねる」
1 1単位時間の自由進度学習のポイント
「方法」「相手」を自己決定できるように「ゆだねる」ことから始める
自分の進度で学ぶことができるように「時間」を「ゆだねる」ことに挑戦する
「課題」を「ゆだねる」ときは,だんだん地図を広げるようにする
2 1単位時間の授業モデル
第1学年(読むこと) 「おおきなかぶ」
第1学年(話すこと・聞くこと) 「これは,なんでしょう」
第3学年(知識及び技能) 「修飾語を使って書こう」
第3学年(読むこと) 「モチモチの木」
第5学年(話すこと・聞くこと) 「きいて,きいて,きいてみよう」
第5学年(書くこと) 「みんなが過ごしやすい町へ」
第3章 単元内の自由進度学習の進め方 単元の中で「ゆだねる」
1 単元内の自由進度学習のポイント
単元の導入は,こどもと先生の共有の時間にする
「ゆだねる」こと=自己決定することを共有できたら,計画づくりをスタートする!
単元が動き始めたら,こどもを見取り,自覚できる場面を設定する
2 単元の授業モデル
第2学年(話すこと・聞くこと) 「あったらいいな,こんなもの」
第4学年(書くこと) 「調べたことを整理して書こう」
第6学年(読むこと) 「メディアと人間社会」「大切な人と深くつながるために」
第4章 完全自由進度学習の進め方 1年を通して「ゆだねる」
1 完全自由進度学習のポイント
こどもたち一人一人の実態を知ろうとすることを続ける
心が動くように,本物に出会うことをアシストする
こどもが,自分自身のことを知ることができるようにする
2 授業モデル(第4学年)
1年の序盤 「自分らしい学び方」を模索する
1年の中盤 「やりたい」と「やるべき」のバランスをとる
1年の終盤 「自分らしく学ぶ」「あなたらしく学ぶことを受け入れる」
完全自由進度学習のその先へ

はじめに

この本を手にとってくださったみなさんへ


 こどもに「ゆだねる」と聞いて,どのような印象を受けますか。「当たり前」と感じるでしょうか。「そんなことできない」と思うでしょうか。

 私は,今でこそ「当たり前」だと思っていますが,10年前の自分が聞いたら「無理だろ! とんでもない!」と思ったに違いありません。昔の自分は極めて統制的だったと思いますし,「子供は俺が導くもの」というくらいおこがましい考えをしていたと思います。もちろん,全力で取り組んでいましたし,好意的に思ってくれた子,保護者の方,同僚の先生方もいたと思います。しかし,少なからず迷惑をかけていたことも間違いありません。例えばどんな様子だったかというと


○こちらの指定したノートの書き方でないと注意をする。

○話合いの人数,時間を全てこちらがコントロールする。

○研究授業などの都合で,こちらが課題を指定する。


のような授業を行っていました。これでもほんの一例です。もうお気付きだと思いますが,全て「こちら」の都合になっているのです。「こども」がどこにもいないようにすら感じる授業が,よい授業なはずがありません。もし同じような授業をされている方がいるなら,すぐにでも改めてほしいと願うばかりです。

 では,なぜこのような授業になってしまったのか。それは授業を「授業のみ」として捉えていたことが原因だと思います。この授業がこどもたちの将来にどのようにつながっていくのか,という大きな視点で捉えることが欠けていました。視点が狭まると,選択する方法も授業を成立させることに特化するようになり,結果こどもが置き去りになるという流れができていたように思います。

 幸い,私は同僚の先生方,出会った本,何よりこどもたちのおかげで「このままではいけない」ということに気が付くことができました。すると同じことでも,こどもたちへの伝え方が大きく変わっていきました。


「自分にとって分かりやすいノートにすることが大切だね。でも書き方に迷ったときは,こんな方法がおすすめだよ」

「自分の目標を達成するために,誰とどのくらい話し合うのか考えよう」

「自分が知りたい,やりたいという気持ちを大切にして課題を立てよう」


 こどもたち一人一人を尊重できるようになり,気が付くと「ゆだねる」ことを軸に授業をしている自分がいました。これを既にある言葉に置き換えたときに「自由進度学習」というものに近いと感じました。

 もちろん,いきなり全てをゆだねたわけではありません。少しずつ,できそうなところから,ゆだねていきました。1単位時間の中で,単元の中で,学期の中で。すると,こちらがコントロールしようとしていたときよりも,こどもたちの成長を見取ることができるようになり,結果として学力も向上したのです。私自身の大きな成長としては,以前より優しくなったところが挙げられます。

 今では「吉野先生の国語が大好きです」と本当にどの子も言ってくれるようになりました。ですが,特別なことをしたわけではありません。ほんの少し見方を変えて,ほんの少し勇気を出してゆだねてみたら,いろいろなことが素敵な方向に動き出したような感じです。

 ですから,この本は「どこにでもいる先生」が「誰にでもできる」ことを少しずつ積み重ねていった成果と捉えていただければ幸いです。そして,手にとってくださった方の力に少しでもなれたら何よりうれしく思います。


  2023年5月   /吉野 竜一

著者紹介

吉野 竜一(よしの りゅういち)著書を検索»

埼玉大学教育学部附属小学校教諭。

1984年生まれ。埼玉大学教育学部を卒業後,埼玉県上尾市の小学校教員として10年間勤務。平成29年より,埼玉大学教育学部附属小学校に勤務。

全てのこどもたちが「生きたいように生きること」を目指して,未来を拓く言語能力育成のため,国語の研究・実践に取り組んでいる。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 子供たちの自分の興味・関心に沿って主体的に学びを進められるような学習を展開していきたいものだと思いました。
      2023/11/2240代・教委
    • こどもにゆだねる方法が、段階に応じて説明されている点がわかりやすかった。
      2023/7/3120代・小学校教員
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