作文力を高める新提言 小学3〜4年

作文力を高める新提言 小学3〜4年

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全教科の学習に生きて働く横断的国語能力の育成を目指す。

中学年では@よりよい「観察・記録」の文章の書かせ方、A取材力・構想力・記述力・推敲力を伸ばすための指導法、B説明的文章を読む力を生かして論理的な文章表現力の育成、C作文の指導過程に応じた指導方法の工夫など解説。作文力を高めた授業実践例を収録。


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ISBN:
4-18-329415-0
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 序論・作文力を高める学習指導の改善(新提言)
――「目標準拠による指導と評価の一体化」で国語力を付ける作文の指導――
一 全教科等の学習に生きて働く横断的国語能力の育成を目指す作文指導
――教科中心主義的な教育課程の枠組みから能力関連機能を生かし合う学習――
(1) 教科等の枠組みや国語科の領域の枠組みを超えた作文指導の改善を図る/ (2) 国語科の三領域一事項の能力関連を図る指導
二 作文学習の目標チェックと指導事項のチェック
――目標準拠の評価を明確にするための関連チェック――
・ 作文指導の学習目標を明確にする(目標は到達度評価の起点に立つものである)〈作文の目標チェック〉
三 観点別学習状況評価を生かす作文指導
――評価で変革する作文指導力の向上――
(1) 観点別学習状況評価は、基礎・基本の国語力を多面的に高める指導力となる/ (2) 評価規準の設定をし、学習目標の到達度評価につなげる/ (3) 作文の評価・評定について
四 これからの時代に求められる作文力の育成
――変動する社会の発展に参画する生きる力となる作文能力――
U 提言・作文力を高める学習指導の方法
1 よりよい「観察・記録」の文章を書くために(三年) /野口 芳宣
一 はじめに
二 指導計画は年間を見通して周到に
三 教材研究を周到に
(1) まとめ方について/ (2) かんさつカードについて/ (3) 調べてまとめる活動について
三 構想力の基礎を育てる
四 おわりに
2 中学年の作文力を高める指導法の工夫
――取材力・構想力・記述力・推敲力を伸ばすために―― /曽我 正雄
一 はじめに
二 目標・指導・評価の一体化を図るための評価規準
三 身近な物をいろいろな観点からじっくり見つめる場を与え、幅広く捉える力を伸ばす
――作文の種をふくらませる――
四 何をどう書いたらよいかわからない児童をなくすために
――取材・構想・記述・推敲――
五 まとめ
3 説明的文章を読む力を生かして論理的な文章表現力の育成を目指す /濱田 伸子
一 論理的な文章表現力を高める「読むこと」の指導を
二 段落相互の関係をとらえて読む・書く力を高める
三 評価を生かした授業の改善を
四 目的意識の明確化と書くことの自信をもたせる指導過程の工夫
(1) 題材の発掘/ (2) まず書く――自己の課題の自覚から学習がスタート
4 作文の指導過程に応じた指導方法を工夫して子どもたちの作文力を高める /齋木 雄造
一 はじめに
二 第四学年における「書くこと」の目標と内容
三 作文の指導過程に応じた指導方法の工夫
(1) 相手意識や目的意識をもたせる/ (2) 取材の場を多様に設定し書く材料を選択する/ (3) 作文を書く目で既習の説明的文章を読み直す
四 おわりに
V 作文力を高める授業実践例
1 スピーチを生かして、伝えたいことを書く学習(三年) /鈴木 美智子
一 はじめに
二 単元名
三 単元の目標
四 子どもと教材
五 指導計画
六 授業の実際
(1) 児童館のことをみんなに知らせるための原稿を書こう/ (2) 自分の書いた原稿を六年生に読んでもらおう/ (3) 内容や書きぶりを見直そう/ (4) 「どんぐり山」の文章を参考にして、段落をつけてみよう
七 おわりに
2 調べたことや書き方の工夫を共有して行う作文学習のあり方(三年) /長安 邦浩
一 はじめに
二 単元名
三 学習目標
四 指導計画
五 作文力を高めるための授業の実際
(1) 思いを言葉にするために/ (2) 実践の考察
六 おわりに
3 読み手を意識し、目的に応じた文章を書く学習(三年)
――「校内放送」をしよう――/ 草野 洋和
一 単元名
二 学習目標・内容
三 単元設定の理由
四 指導計画
五 本時の展開
六 まとめ
4 取材した絵や写真を見て振り返りながら、報告文を書く(三年) /清水 静子
一 題材名
二 学習目標
三 指導計画
四 取材プリントの絵や写真を見て振り返りながら、報告文を書く指導の展開
五 指導の実際
(1) 取材プリントを書く/ (2) 構成プリントを書く/ (3) 報告文を書く/ (4) 報告文を推敲する
5 相手意識・目的意識から内容を考えて書く(三年)
――基本的な手紙文指導を通して―― /望月 政幸
一 題材
二 題材設定について
三 目標
四 指導計画
五 指導の実際
六 最後に
6 ものの見方や考え方に気づき、自分の生活を見つめる読書感想文の指導(三年) /伊津 章子
一 単元名
二 学習目標
三 指導計画
四 作文力を高めるための手立て
(1) 相手意識・目的意識をもたせ、目的を考えながら具体的に書く/ (2) 書く材料を集める/ (3) 手引きをまとめる/ (4) 感想文のヒント集をもとに、実際に感想文を書く
五 授業の考察
7 目的を考えながら自覚的に見直して書く学習(四年) /嶋村 尚美
一 単元名
二 単元の目標
三 単元について
四 単元の構想とポイント
五 単元の成果
8 伝えたいことを短作文で表現する学習(四年) /川那部 鴾コ
一 はじめに
二 短作文@「段落構成を工夫し、伝えたいことを適切に表現すること」を重視した授業実践例
(1) 題材名/ (2) 題材設定の意図/ (3) 学習目標/ (4) 指導計画/ (5) 授業の実際
三 短作文A「相手意識や目的意識を明確にし、伝えたいことを適切に表現すること」を重視した授業事例
(1) 題材名/ (2) 題材設定の意図/ (3) 学習目標/ (4) 指導計画/ (5) 授業の実際
四 おわりに
9 書こうとすることの中心を明確にして書く学習(四年) /須藤 慎也
一 単元名
二 学習目標・内容
(1) 単元の目標/ (2) 単元について
三 指導計画
四 実践の実際
(1) 本時の目標/ (2) 前時までに/ (3) 本時にかかわって/ (4) 本時の展開/ (5) 次時の流れ
五 実践を終えて
10 調べたことをもとに、自分の考えを書く(四年)
――踊る埴輪を調べて―― /田島 俊子
一 単元名
二 学習目標
三 学習指導計画
四 本時の展開
11 郷土の名産を紹介しよう(四年)
――発表を視野に入れてガイドブックを作ろう―― /内田 仁志
一 題材名
二 学習目標
三 指導計画
四 本稿の特色
五 学習の流れ
(1) 教材文を分析する段階/ (2) 教材文を応用する段階/ (3) 資料収集の段階/ (4) 児童の学習の実態/ (5) 発表用の原稿に直す段階
六 おわりにあたり
12 どの子も書いて学級新聞をつくる学習(四年) /仲野 滋
一 はじめに
二 単元名
三 学習目標・内容
四 指導計画
五 作文力をどうやって高めるか
(1) 相手・目的意識/ (2) 取材/ (3) 構成・記述/ (4) 評価
六 おわりに

まえがき

 本書『作文力を高める新提言』は、これからの社会の発展にかかわる作文力の育成とともに、児童生徒の一人一人が、自らの人間としての潜在的可能性を実現化していくための国語力を高めることを願い、提言するものである。

 提言の主眼には「目標・指導・評価の一体化」に立つ学習の創意工夫の実践的改善・改革への願いを込めている。

 作文力は、生涯にわたって社会に生きる力となるものであり、将来の社会生活の中で「報告書」「企案文」「説明書」「情報文」「通信文」「記録」「意見文」「依頼状」等、多岐にわたる作文(文章表現)が要請されたり、必要に迫られることと考えられる。このことは国語科の目標である「国語を適切に表現する」「正確に理解する」「伝え合う力を高める」「思考力・想像力・言語感覚を養う」などの国語力としての諸能力を身につけておかなければならないということになってくる。また、表現するときの「目的意識・相手意識・状況意識・方法意識・評価意識」などの五つの意識を身につけ、発信する人間としての資質を重視する必要がある。そのためには、具体的に書くことの作文の力は「どうやれば高められるのか」についての方法的指導を明確にした授業をする必要があり、子どもたちの「知りたい・分かりたい・上達したい」という「つぶやき」をしっかりと受け止めなければならないと考える。このような実態の存在する理由には、教師が作文の「題材を指示し伝達する」ことで「書く学習が始まる」という原因がある。このようなケースは、戦後五十年余の間に作文の主流的存在としてあった「生活作文」に偏した状況があったからである。また、その評価についても、どのような国語力を目指す作文の学習なのか・どのような思考や情報を必要とするのか、などの学習力の欠けた作品主義的内容によるものであったと判断する。

 これらのことを踏まえて、本書では次のような提言をすることとしたのである。

 Tの序論では、「作文力を高める学習指導の改善」を図るために、目標準拠の指導と評価の一体化で到達度を高める学習について述べた。その一として、「全教科等の学習に生きて働く横断的国語能力の育成を目指す」考えに立ち、文章を表現する活動をとりあげている社会科や理科における学習(書くこと)の活動が学習指導要領の内容にもあり、国語科の学習指導要領(小学校)の第1章第5節の中にも「国語科の学習の中だけでなく、あらゆる機会を視野に入れて、それらとの関連にも十分に配慮した指導計画、学習内容、学習方法を工夫したり開発したりすることが必要である」と示されていることなども踏まえ、新しい作文学習の在り方を提言した。

 提言の二としては、「作文の目標を明確にする」ための「目標チェックと指導事項のチェック」の方法について述べ、目標準拠の評価による学習改善への提言をした。

 提言の三としては、「観点別学習状況評価と評価規準を活用した作文指導の方法」をあげて、評価で変革する作文指導力の向上を図る方法等について提言し、作文の評価・評定との関係にもふれておいた。

 提言の四としては、これからの時代に求められる作文力の育成として、変動する社会の発展に参画する生きる力となる作文能力を目指し、子どもの社会的自立や社会の変動に対応する作文力を重視した。この四における提言への過程として、現状における作文の指導例、「論理的に伝え合う」「情報化・国際化に対応する」「社会生活の向上のために」「調べて書く」などが提言されているが、題材内容の改善に傾斜しており、本当に国語力をつけ、高めているかという課題が残されていると考える。その課題を超えるためには、作文の評価で変わる指導に焦点を当てて改善する提言を意図するものである。本書に執筆された方々とともに今後もいっそうの努力をと念じているしだいである。

 終わりに、本書の企画・編集・御教導いただいた明治図書の江部満編集長にあつく御礼を申し上げます。


  平成一八年五月   編著者 /須田 実

著者紹介

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1930年生まれ。群馬大学教育学部卒。公立,国立学校の教諭を経て,群馬県教育委員会義務教育課指導主事,前橋市立学校の校長,群馬県教育センターの部長,再び校長となり,退任後は前橋市教育研究所長,群馬女子短期大学講師等に当たる。この間,文部省の学習指導要領作成協力者として,その任に当たる。現在は,「新しい国語実践の研究会」代表,「国語科授業方法研究会」主宰などに努め,国語力をつける実践的研究を継続している。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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