平成29年版
小学校新学習指導要領の展開 算数編

平成29年版小学校新学習指導要領の展開 算数編

大改訂された学習指導要領本文の徹底解説と豊富な授業例

改訂に携わった著者等による新学習指導要領の各項目に対応した厚く、深い解説と、新学習指導要領の趣旨に沿った豊富な授業プラン・授業改善例を収録。圧倒的なボリュームで、校内研修から研究授業まで、この1冊で完全サポート。学習指導要領本文を巻末に収録。


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ISBN:
978-4-18-328016-9
ジャンル:
学習指導要領・教育課程算数・数学
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 208頁
状態:
在庫あり
出荷:
2018年7月23日
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Contents

もくじの詳細表示

はじめに
序章 算数科改訂のキーポイント
1 内容ベイスから資質・能力ベイスへの転換
2 主体的・対話的で深い学びと数学的な見方・考え方
3 問題解決の質的充実
4 算数・数学の指導の改善の方向
1章 「第1 目標」のポイントと解説
1 学習指導要領改訂の背景
2 算数科の目標
2章 「第2 各学年の目標及び内容 」のポイントと解説
第1学年
目標
A 数と計算
B 図形
C 測定
D データの活用
第2学年
目標
A 数と計算
B 図形
C 測定
D データの活用
第3学年
目標
A 数と計算
B 図形
C 測定
D データの活用
第4学年
目標
A 数と計算
B 図形
C 変化と関係
D データの活用
第5学年
目標
A 数と計算
B 図形
C 変化と関係
D データの活用
第6学年
目標
A 数と計算
B 図形
C 変化と関係
D データの活用
3章 「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」のポイントと解説
1 指導計画の作成に当たっての配慮事項
2 内容の取扱いについての配慮事項
3 数学的活動の取組における配慮事項
4章 算数科の新授業プラン
かぞえなくてもわかるよ! (第1学年 繰り上がりのあるたし算)
どうすれば絵の長さを伝えられるかな? (第2学年 長さ)
かけ算と比べながらわり算の場面を考えよう! (第3学年 わり算)
面積が大きい長方形を作ろう! (第4学年 面積)
ドッジボールの勝敗の決め方を考えよう! (第5学年 割合)
長縄大会の並び方を考えよう! (第6学年 資料の調べ方)
付録 小学校学習指導要領 第2章 算数
執筆者紹介

はじめに

  資質・能力ベイスの授業づくりへ


 今回の改訂は,これまでの内容ベイスの教育の在り方を大きく問い直すことを求めている。子供を「何を知っているか」から「どのようなことが成し遂げられるか」「いかなる問題解決ができるか」という資質・能力ベイスの視点から見つめ直すことになるからである。当然のことながら,このような転換を推し進めるには,教科固有の知識・技能の習得に留まらず,教科ならではの「見方・考え方」や未知の特定の文脈に出合ったときに活用できる思考力・判断力・表現力等とともに,粘り強く課題解決に向かう意欲や他者との協働性などまでを含めた汎用的スキルを育成する授業づくりが求められる。


 単位量当たりの大きさの導入時の学習場面である。消費者は,買い物においてできるだけお買い得のものを手に入れたいと思う一方,使用目的や場面によって「安い」「お買い得」などの感じ方は異なり,様々な条件に影響されながらその判断をすることが多い。

 右表のようなトマトを示して,「どれがお買い得か」を子供に問う。ミニトマトは別物という判断により比較対象から除外され,それ以外で単純に計算すれば,6個入りが安いということになるが,子供の「お買い得」の判断の背景には,子供の生活経験があって,多様な結果をもたらすことになる。ブランド,品質,形状などが異なることから,1個当たりの代金を単純比較しても意味がないことを,自らの経験知に基づいて指摘するわけである。

 (表省略)

 さらに,「お買い得」が決まらなかった理由が,同種のトマトの比較ではないことなど「条件がそろわないこと」であることを整理した後,品質,形状などが一様なものであれば,1個当たりの値段の比較によって「お買い得」が決まることを確認した。日常生活において無自覚に判断している背景にも,異種の2量の割合(単位量当たりの大きさ)によって多面的に大小判断するといった数学的な見方・考え方が働いていることに気付き,日常生活の課題解決に数学を活用した学びの文脈の大切さを経験することになった。

 多くの場合,この導入時の授業では,うさぎ小屋の混み具合のように,うさぎ(羽)と面積(m2)といった異種の2量を比較して,その混み具合の大小を比較する場面が用意される。小屋には均等にうさぎが並んでいると理想化し,除法を使って1当たり量で比べると簡単に処理ができることを学ぶ。しかし,そこでは提示されている量の条件がはじめから整えられているため,トマトの問題場面で話題にしたような「比べるものの条件がそろっていること」の必要性については問題にならず,与えられた数を計算したり処理したりして,結果として得られた数の大小の比較をすることに留まり,課題解決に算数を活用する価値を実感するまでには至らないのが現状である。

 (表省略)


 内容ベイスでの教育では,教科指導の守備範囲を教科固有の知識・技能の習得に限定することが多く,教科指導が本来育成すべき資質・能力までに十分な関心をもつことが難しかった。しかし,これからの資質・能力ベイスでの教育においては,教科の本質としての「見方・考え方」が教科固有の知識・技能の統合的な理解を深め,その活性化を強く促しながら汎用的スキルを育成するとともに,それを積極的に新たな学びや生活等に応用・活用していくことへの期待が大きい。今,教室で学んでいる子供たちが,やがて社会で活躍する時代にはどんな資質・能力が必要になるのかという視点から,算数科指導の在り方を見つめ直す絶好の機会が到来したといえよう。


  平成29年9月   /齊藤 一弥

著者紹介

齊藤 一弥(さいとう かずや)著書を検索»

高知県教育委員会事務局学力向上総括専門官。

東京都出身。横浜国立大学大学院教育学研究科修了。横浜市立小学校教員から平成15年度より横浜市教育委員会事務局へ。授業改善支援課首席指導主事,指導部指導主事室長として「横浜版学習指導要領」策定,横浜型小中一貫教育の企画・推進などに取り組む。平成24年度より横浜市立岸谷小学校長をはじめ横浜市の校長を経て現職。文部科学省中央教育審議会教育課程部会算数・数学ワーキンググループ委員,小学校におけるカリキュラム・マネジメントの在り方に関する検討会議協力者,横浜市小学校算数教育研究会前会長,新算数教育研究会編集副部長。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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