国語科授業の活性化3
女性国語教師は授業で成長する

国語科授業の活性化3女性国語教師は授業で成長する

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正しい努力をし、教師として成長してきた女性教師の実践記

正しい努力をした教師は必ず挫折の痛みを越え、新しい自分としての成長を果たしている。本書には三人の実践記録が集録されている。伊藤和子、水谷美穂子、中野智子の三氏。編者の山田氏は困難な事態にあるすべての教師に、女性教師の生き方を学ぼうと呼びかけている。


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ISBN:
978-4-18-324910-4
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
中学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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女性国語教師は授業で成長する
T しなやかな授業スタイルはこう作る
/伊藤 和子
一 生徒のエネルギーを受け止めながら授業する
1 教室の事実がスタートライン〜イメージに達しない部分ばかりに目を向けていないか〜
2 授業の主導権を握ることが最優先である
3 毎時間の音読で「冷えた体」を温める
4 安定した授業ができるパーツを増やしていく
5 黒板を生徒に開放する〜みんなが同じ土俵に立てる〜
6 エネルギーを受け止めるとは、やんちゃ君にスマートに対応することだけではない
二 スタートをきちんと準備する
1 授業開きの一〇分間〜楽しいことはあとでよい。言ったとおりにさせる〜
2 今年こそ四時間目から失速しない
3 「シルバーの三日間」〜リセットのために生徒の事実を謙虚に見る〜
三 中学生の関心事「受験」に充分に応える
1 指示の意味を教えるだけでは不充分解答用紙を使った練習が必要である
2 問い方は公立高校入試レベルとし、答え方も教える
3 採点基準を毎回同じにする
4 古典を継続的に指導する
5 今後の課題
6 指導と評価のシステム化で入試課題作文の得点を上げる
U 中学の文法は江副文法でここまでわかりやすく授業できる
/水谷 美穂子
一 江副文法と向山洋一氏の出会い
二 江副文法が日本語文法の基盤となる日を目指して
1 わかっていることは教えられる
2 本当の江副文法
3 もっと根本にあるもの
4 江副文法が日本語文法の基盤となる日を目指して
三 格闘 江副文法の授業作り
1 動き出した江副文法の授業作り
2 文法学者の数だけ文法理論があるという状況
3 私の授業化 「時数詞」・「時数詞構成語」
4 「水谷先生、甲本先生の論文は読まれましたか?」
5 模擬授業の場に立てない経験もした
四 中学の文法は江副文法でここまでわかりやすく授業できる
1 大森修氏からの課題
2 視覚で理解させることができる
3 セットで覚えさせることができる
4 敬語をすっきりと教えることができる
5 解釈コードとしての可能性
V 教師成長のカギは、授業にある
/中野 智子
一 変化のある繰り返しで、生徒の力を伸ばす
1 『中学生のための暗唱詩文集』を使い、体に言葉をしみこませる
2 中学生こそ、古典を声に出して読ませよう
3 集中力が続く辞書調べ「辞書を活用しよう」
二 生徒の知性やがんばりを授業で引き出す
1 四月から分析批評で授業する
2 Aさんが六〇〇字の作文を書いた瞬間
3 統率は、生徒のがんばりを最大限引き出す仕組み作りである
あとがき

女性国語教師は授業で成長する

 「女性国語教師は授業で成長する」とは、女性教師のための主張ではない。困難な事態にあるすべての教師に、女性教師の成長の仕方に学ぼうという主張である。

 本来ならば、男性・女性と分けるべきではないのかもしれない。そんなことをもちろん考えた上で、あえて「女性国語教師は授業で成長する」と書名を立てた。

 男性教師に主に見られるのだが、力ずくで子どもに言うことを聞かせる教師がいる。彼らは、授業が下手なままでも、若い頃はやっていける。

 しかし、時間が経つにつれ、力ずくでは立ちゆかない事態に見舞われる。そして、そういう教師は、それでも、力ずくでなんとかしようとする。

 必然的に、子どもの離反、いじめ・不登校などの問題の噴出に苦しむ事態になる。

 私もその一人であった。

 二〇代後半、この事態に苦しみ、何から手をつけたか。


  自分の授業


からだった。教育技術法則化運動、TOSS、向山実践に学んだ。

 いつしか事態は解決に向かった。

 その点、女性教師にはアドバンテージがあると思う。最初から「力ずく」ができない方が多いからだ。

 もちろん、様々な困難に出会い、自信を失うこともあろう。

 しかし、私が挫折から立ち直る時にそうだったように、正しい努力をした教師は、必ず挫折の痛みを越え、そして、新しい自分としての成長を果たしている。正しい努力とは、これである。


  自分の授業を、先達に学び、改善する努力


 本書は、正しい努力をし、教師として成長してきた三人の女性教師の実践記である。

 かねがね、大森修氏は、TOSS中学の女性教師の教師修業を高く評価していた。「TOSS中学の国語科の女性達の実践をまとめさせてやりたい」と、私にご提案くださったことが縁で、本書をまとめさせていただいた次第である。

 今回、このような形での出版ができたのは、ご提案ご指導くださった大森修氏、そして平素私たちに、教育への問題提起の必要性をご指導くださっている江部満編集長のご理解とご支援の賜である。心より感謝申し上げたい。


  二〇一〇年三月   編者記す

著者紹介

山田 高広(やまだ たかひろ)著書を検索»

1967年新潟県生まれ

新潟県新潟市立小須戸中学校

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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