- はじめに
- PART1 知っておきたい漢字 【その基礎知識】
- [1] 漢字の歴史
- 1 漢字の起源
- @ 甲骨文字と金文の漢字
- 2 漢字の変遷
- @ 竹簡・帛書の漢字
- A 大篆の漢字・小篆の漢字・隷書の漢字
- B 今隷(きんれい 八分 はっぷんともいう)と章草
- C 紙の発明と草書・行書・楷書の成立
- [2] 漢字の伝来と日本文化
- 1 漢字の伝来
- 2 漢字から生まれた日本の文字 (万葉仮名・カタカナ・平仮名)
- [3] 漢字の組み立て
- 1 六書(りくしょ)
- *象形(しょうけい) *指事(しじ) *会意(かいい) *形声(けいせい) *転注(てんちゅう) *仮借(かしゃ)
- 2 画数と筆順
- *まぎらわしい画数の字 *筆順の原則
- PART2 応用したい漢字 【ジャンル別のLESSON】
- LESSON 1 漢字の読み方
- [1] 漢字の〈音読み〉
- 1 仏教系のことばや日常語に残る呉音
- 2 漢字ではもっとも多い漢音、だから漢字
- 3 長い伝来期間、でも少ない唐音
- 4 いろいろな音の使い分け
- 5 慣用音は和製漢字音
- [2] 漢字の〈訓読み〉
- 1 訓読みの歴史
- 2 特別な読み方としての熟字訓と当て字
- 3 覚えておきたい熟字訓と当て字
- ○漢字 ワンポイント・レッスン
- 【練習問題と解答】 ◆◆読み 150問題◆◆
- LESSON 2 部首
- [1] 〈部首〉の歴史
- [2] 検索手段としての〈部首〉
- 1 漢字の組み立てと〈部首〉
- 2 覚えておきたい〈部首〉とその名称
- [3] 漢字検定の〈部首〉の分類に関する注意
- [4] 解説、〈部首〉を間違えやすい漢字
- ○漢字 ワンポイント・レッスン
- 【練習問題と解答】 ◆◆部首 100問題◆◆
- LESSON 3 熟語
- [1] 〈熟語〉は複合語
- [2] 〈熟語〉の読み方
- [3] 〈熟語〉(二字)の組み立て
- 1 同義の関係にある〈熟語〉
- 2 反対・対応の関係にある〈熟語〉
- 3 修飾語・被修飾語の関係にある〈熟語〉
- 4 主語・述語の関係にある〈熟語〉
- 5 下の字が目的語・補語の関係にある〈熟語〉
- 6 上の字が下の字を否定する〈熟語〉
- 7 並列の関係にある〈熟語〉
- 8 連続の関係にある〈熟語〉
- [4] 〈熟語〉(三字)の組み立て
- ○漢字 ワンポイント・レッスン
- 【練習問題と解答】 ◆◆熟語の構成 100問題◆◆
- LESSON 4 対義語と類義語
- [1] 《対義語》とは
- [2] 《対義語》の構成
- 1 共通の字をもつ《対義語》
- 2 文字構成が対応している《対義語》
- 3 熟語としての意味が相対的な意味で対応している《対義語》
- 4 熟語の上に打ち消しの字が付いた《対義語》
- 5 三字以上が一組になる《対義語》
- [3] 《類義語》とは
- [4] 《類義語》の構成
- 1 共通の字をもつ《類義語》
- 2 熟語としての内容が類似している《類義語》
- 3 複数の《類義語》
- ○漢字 ワンポイント・レッスン
- 【練習問題と解答】 ◆◆対義語・類義語 100問題◆◆
- LESSON 5 四字熟語
- [1] 〈四字熟語〉の特性
- [2] 〈四字熟語〉の組み立て
- [3] 同義・類義の関係にある〈四字熟語〉
- 1 数字など特定の字、あるいは、同字の使用により同義・類義の意味を表す〈四字熟語〉
- 2 同じ意味、あるいは、似た意味で対応している〈四字熟語〉
- 3 修飾語・被修飾語、あるいは、連続の関係にある〈四字熟語〉
- 4 上の二字と下の二字とが、主語と述語の関係にある〈四字熟語〉
- 5 上の二字が目的語・補語となり、下の二字が動詞的な意味をもつ〈四字熟語〉
- [4] 反対・対義の関係にある〈四字熟語〉
- 1 同字の使用、または、反対・対義の意味を表す〈四字熟語〉
- 2 反対・対義の意味で対応している〈四字熟語〉
- [5] 対等の関係にある〈四字熟語〉
- [6] 関係が分かりにくい〈四字熟語〉
- [7] 覚えておきたい〈四字熟語〉とその意味
- ○漢字 ワンポイント・レッスン
- 【練習問題と解答】 ◆◆四字熟語 100問題◆◆
- LESSON 6 送り仮名
- [1] 送り仮名の歴史
- [2] 「送り仮名の付け方」の構成
- [3] 「送り仮名の付け方」に関する用語(通則・本則・例外・許容)
- [4] 日本語の送り仮名のルール(「送り仮名の付け方」の内容)
- T 単 独 の 語
- @ 活用のある語 A 活用のない語
- U 複 合 の 語
- @ 活用のある語 A 活用のない語
- V 付 表 の 語
- @ 送り仮名を付ける語 A 送り仮名を付けない語
- ○漢字 ワンポイント・レッスン
- 【練習問題と解答】 ◆◆送りがな 100問題◆◆
- LESSON 7 書き取り
- [1] 書き取り、その基本
- [2] 音による分類(音読み)
- 1 〈同音異字〉と〈同音異義語〉 2 間違えやすい〈同音異義語〉
- [3] 音による分類(訓読み)
- 1 〈同訓異字〉とは 2 間違えやすい〈同訓異字〉
- ○漢字 ワンポイント・レッスン
- 【練習問題と解答】
- ◆◆書き取り@総合問題 150問題◆◆
- ◆◆書き取りA同音・同訓異字問題 150問題◆◆
- ◆◆書き取りB誤字訂正問題 50問題◆◆
はじめに
なぜ、今、漢字検定がブームなのだろうか。その理由は、現代が新しい書き言葉社会に入っているからであろう。ケータイやパソコンを駆使して、現代人は書き言葉をいつも発信する。誤用さえしなければ、漢字は表現者の意図を簡潔に相手に伝えることができる文字なのである。
そして、漢字はおもしろく、実に合理的な文字である。もともと、表意文字である漢字は、たとえ一字でも、独自の世界をもっている。ここに「あい」という言葉がある。漢字で「愛」。この「愛」という言葉を目にしたとき、人は様々な愛を思い起こす。もはや、「愛」は単なる漢字という符号ではない。漢字の「愛」の世界が、それを使う人の「愛」の世界と融合したのである。漢字検定は、漢字の特性を理解して、その表現能力を生かすための、よい足掛かりなのである。一人でも多くの人に、漢字を使って自分の世界を表現してほしい。また、一人でも多くの人に、その漢字を使った人の意図を理解してほしい、そう願って、私自身の非力を顧みずにこの本を執筆した。
なお、本書の問題部分の問題の作成に関しては、オープンアカデミーの受講生である井戸美奈子さんにご労作をいただいた。また、編集の労をとってくださった明治図書出版の仁井田康義さん、校正のご協力をいただいたみなさんに感謝の意を表したい。多くの愛に支えられて、私は生かされていたのである。
平成二〇年二月 /眞野 須美子
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- 明治図書