言語技術教育10総合的学習と「読み・書き」の技術

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総合的学習を国語科で積極的に支えようという趣旨で特に「読み・書き」の技術を中心に学会が総力をあげて検討を加えた。国語科との相補的発展をめざした豊かな実践提案集。


復刊時予価: 2,563円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-321020-8
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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総合的学習と「読み・書き」の技術
まえがき 市毛 勝雄
第一部 誌上パネル・総合的学習で「読み・書き」の技術は育つか
提案
1 育たない /宇佐美 寛
2 総合的な学習は「書く技術」を育てていく絶好の場である /大内 善一
3 総合的な学習は読み書きの技術を育てる /大森 修
4 総合的学習の目標は、「読み・書き」の技術を育てるのではない /渋谷 孝
5 実戦的な「読み・書き」の技術を身につける――総合的学習という場の活用―― /鶴田 清司
意見
1 個性的な提案ぞろいである 市毛 勝雄
2 読む技術は少し、書く技術はほんの少し育つ――「国語」と「総合」の違い、「読み」と「書き」の違いを考える―― /高橋 俊三
3 国語科との相補的発展を――いよいよ大切になる国語科授業の充実―― /野口 芳宏
4 新しい酒は新しい革袋に /向山 洋一
第二部 総合的学習と「読み・書き」の技術
T 提言――総合的学習と「読み・書き」の技術
1 吟味なしの「読み・書き」は「総合」を空洞化する /阿部 昇
2 「読み・書き」の言語技術、その基礎基本の重要性 /佐藤 洋一
3 「読み」から「書き」への発展 /小林 義明
4 「書く」必要感を生み出す 子どもたちの実態を見極め臨機応変に /深川 明子
5 「読み(読解)」は困難、「書き」は可能 /小田 迪夫
6 <レポート>を軸に教室で読ませ書かせる必要性 /森  寛
7 活動をとおして読み書き能力を育てる /浜本 純逸
U 実践――項目別・総合的学習と「読み・書き」の技術
1 情報を短時間で集める技術
キーワードの概念が不可欠 /深谷 幸恵
2 情報を選ぶ技術・捨てる技術
キーワード・枠組み・抽象化 /井上 敬夫
3 情報を評価・吟味する技術
未知の情報を吟味できる力を /加藤 郁夫
4 メディアを読む技術
価値基準をもって社会事象の重要性を判断する授業――ニュースのオーダーを決めろ!―― /近藤 聡
5 情報を発信する技術
正確に・明快に・効果的に発信する /田辺 泰
6 インターネットを使いこなす技術
インターネットが授業を変える /下山 真二
7 電子メールを書く技術
「三行百字メール」で書き方の基本を教えよう /谷 和樹
8 電子メールを使いこなす技術
「情報」を整理し、自分専用の「事典」をつくる /伴 一孝
9 電話・手紙を使いこなす技術
「電話のかけ方」(「手紙の書き方」)――目的をふまえた「仕方」の学習では、「陥りやすい実例」を提示すること /有働 玲子
10 学習を組織的にまとめる技術
発表交流会を成功させる技術 /桜沢 修司
11 学習を効果的に記録する技術
早く、正確に、要所に絞って /丸山 義昭
12 プレゼンテーションの技術
最初にすべきことは、全体像を示すこと /喜岡 淳治
第三部 書評と第九回大会の報告
書評
1 向山洋一著『教え方のプロ・向山洋一全集』(明治図書) /大森 修
2 柴田義松編著『総合的学習の基礎づくり』 学び方を学ぶ 小学校編3冊 中学校編1冊(明治図書) /井関 義久
3 佐藤洋一編著『国語科を核に総合的学習を創る』(明治図書) /岡本 明人
4 読み研運営委員会編『科学的な「読み」の授業入門』(東洋館出版社) /柴田 義松
5 寺西和子著『総合的学習の理論とカリキュラムづくり』(明治図書) /望月 善次
6 有田和正著『総合的学習のための子どもウオッチング術』(明治図書) /柳田 良雄
7 日本言語技術教育学会・長岡支部著『小学校の詩編をどう教えるか』 詩の技法とは何か(明治図書) /宮川 健郎
日本言語技術教育学会 第九回大会の報告 /深谷 幸恵
編集後記 /鶴田 清司

まえがき

 二十一世紀が始まった。この二十一世紀という節目は、常に流れ去っていく時間のほんの一瞬を記録する意味だけしか持っていないが、自己の位置を見定める地図としての役割は期待できる。

 わが学会が、この二十一世紀の到来と同時に第号の『言語技術教育』を発刊することができたのは、われわれの研究活動が社会の進展とともに正しい方向に向かって展開している証明である。今からわずか十年前に「言語技術」という新しい概念を提示して日本の教育界の人々を驚かした事件が、今や遠い過去に属する記憶となった。

 「言語技術」という言葉は流布したが、技術の種類の策定と体系化はまだ始まったばかりである。「言語技術」の名を冠した技術書が昨年中にいくつか刊行され、今年もその予定が組まれているが、まだまだ不十分である。本学会員は学会の雰囲気に満足しているだけでなく、組織的研究・発表活動の奮起をうながしたい。

 今回のテーマは「総合的学習と『読み・書き』の技術」とした。大会では、午前中に大会テーマによる模擬授業を三人の先生方に行っていただき、授業検討会を行う。午後は「総合的学習で『読み・書き』の技術は育つか」というテーマで一時間三〇分のパネルディスカッションを行う。参会者の皆さんにも発言の機会を数多く設ける予定なので、ぜひ皆さんの疑問や意見を、活発に御発言いただきたい。本書は、その際の資料となるように作られている。

 今後は、地域集会や地方大会をこれまで以上に積極的に開催する予定である。教育関係者のみならず、言語技術教育に関心をお持ちの方に、広く参加していただくことをお願いしたい。


  二〇〇一年三月一八日   日本言語技術教育学会会長 /市毛 勝雄

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