国語科新単元学習による授業改革9生きる力に培う「主題」単元学習

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ことばを通して生きぬく力を育てたいとする著者は「表現」と「理解」の統合をめざし,国語科の「統合化」の要求に応えようとした実践の集大成。


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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-318618-8
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
高校
仕様:
A5判 232頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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まえがき
T なぜ「主題」単元学習か
一 「自己主張」が「生きる力」となるとき
1 はじめに
2 「静寂」の中にあるもの
3 「真摯」へと導く道
4 「主張」が輝く単元
5 「主張」の変革を自覚し合う
6 おわりに
二 「意見」を創る――主題単元学習を通して――
1 はじめに
2 ききひたる
3 確かめる
4 深める
5 反極注意
6 おわりに
三 「教材」にする力
1 はじめに
2 「作品」の価値を透視する力
3 焦点化された一語の価値
4 彙としての緊張体系の評価
5 単元構築の中での位置づけ
6 おわりに
四 「きい」たものを「つなぐ」力
1 はじめに
2 「きい」ているか
3 「きく」力
4 「つなぐ」力
5 「きく」が「つなぐ」
6 おわりに
U「主題」がことばを発見させる
一 ことばを通して
1 はじめに
2 価値としての豊かさ
3 構築の中で
4 比較する
5 教材開
6 おわりに
二 彙としての習熟
1 はじめに
2 三つの目標
3 価値としての彙
4 深化と拡大
5 深化と創造
6 おわりに
三 語彙を豊かに
1 はじめに
2 語を彙において学習する
3 語は主題の下に彙をなす
4 表現と理解との統合による展開
5 語彙を豊かにする主題単元学習
6 おわりに
V「主題」が単元を創る
一 青春はことばをどう輝かすか
1 はじめに
2 ことばを「きき分ける」
3 ことばに「ききひたる」
4 価値の深化
5 表現の場の設定
6 教材を越える
7 おわりに
二 なぜ人が恋しいのか
1 はじめに
2 教材透視力
3 「彙」のねらいどころ
4 「彙」の系統性
5 「主題」に即した系統性
6 おわりに
三 もっと手紙を書こう
1 はじめに
2 「表現」生活
3 〈私のひと言)
4 技能学習と価値学習
5 価値学習の深化
6 主題意識の質
7 おわりに
四 戦争をなぜ止められなかったのか
1 はじめに
2 主題意識と教材開発
3 主題文の確認
4 教材の体系化
5 「表現」の力
6 新たな目標
7 おわりに
W これからの「主題」単元学習
一 異文化に目をひらく
1 はじめに
2 壁を破る
3 アリサの葛藤
4 「汝の隣人」
5 人間愛
6 ジュロームへの愛
7 表現読み
8 おわりに
二 国際理解に生きる
1 はじめに
2 主題意識の確認から、相互理解が生まれる
3 相互理解は、表現によって確かめ深められる
4 教材開発が、自己学習力をつき動かし合う
5 主題意識の深化と創造が、相互理解を支える
6 おわりに
三 確かな「学力」、明日への「評価」
1 はじめに
2 評価する心
3 評価することば
4 評価する関係
5 評価の行方
6 おわりに
初出一覧
解説 /浜本 純逸

まえがき

 「ことばを通して生きぬく力」――学習者に、今こそ、この「学力」をつけたい。「表現」と「理解」との「統合」、「主題」(学習指導の価値目標)による「統合」でと、それを求めつづけてきた。求めえたか。

 否、と学習者の「ことば」に心改めて「ききひたり」・「ききわけ」てみると、「きこえ」てきたものがある。通すべき「ことば」の焦点が、いかにも定まっていないではないか。今まで、すでに「理解語彙」でもあり、「表現語彙」でもあるとのみ自負していた「ことば」が、学習を通して、思いもよらない重い「価値」をもっているのに気づいて、自己変革を迫られる。そのような「実の場」へと、学習者を導いてきたか。色褪せた「ことば」に安住し合うことで、よしとしてはこなかったか。「主題」単元学習の深化を求めて、私はこう省みた。

 本音は、『高校文章表現指導の探求』(渓水社 一九八八年刊)・『高等学校 私の国語教室――主題単元学習の構築――』(右文書院 一九八八年刊)を、右の反省に立って突きつめてきた足跡である。すでにすでに過去のものである。それでいて、この三つ目の観点は、「新しい学力観」や「生きる力」、さらには「総合化」の要求に応えようとするとき、避けては通れない。さらに、先師・先学に導かれ、実践を積み重ね、検証しつづけたい。


  一九九八年師走 西の小京都の寓居にて   /加藤 宏文

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