- まえがき
- T 実践への提言
- 文学的な文章の指導の改善に向けて
- 一 言語の教育としての立場を重視し「言語活動例」を生かすこと
- 二 「読むこと」の指導の改善
- 三 文学的な文章の指導の留意点
- U 新しい観点による文学の実践例
- 1 表現に着目した授業
- 1 情景や心情の描写などを生かした作文指導の一試み
- 1 教材名
- 2 実践の意図
- 3 指導目標
- 4 指導計画
- 5 授業の展開
- 6 成果と課題
- 2 模倣から創造へ
- 3 優れた描写を自分の表現に生かそう
- 2 読み比べの授業
- 1 主題を扱った授業を二作品2時間で
- 1 教材名
- 2 実践の意図
- 3 指導目標
- 4 指導計画
- 5 授業の展開
- 6 成果と課題
- 2 「比べ読み」を通して、スムーズな「主題把握」と「小説特有の論理の理解」をはかる
- 3 互いの読みを交流し合える学習
- 3 音読・朗読を取り入れた授業
- 1 朗読で思いを伝える
- 1 教材名
- 2 実践の意図
- 3 指導目標
- 4 指導計画
- 5 授業の展開
- 6 成果と課題
- 2 読みを深めるための音読授業
- 3 読むことを楽しむ
- 4 学校図書館を活用した授業
- 1 図書館を利用し、進んで読書に親しみ文学の楽しさを知ろう
- 1 教材名
- 2 実践の意図
- 3 指導目標
- 4 指導計画
- 5 授業の展開
- 6 成果と課題
- 2 龍馬に学ぼう
- 3 課題意識を大切にした古典の学習
- 4 生徒一人一人の個性を活かす古典学習
- 5 感想の交流を主とした授業
- 1 かぐや姫は悪人か
- 1 教材名
- 2 実践の意図
- 3 指導目標
- 4 指導計画
- 5 授業の展開
- 6 成果と課題
- 2 段階的話合いで読み深める授業
- V 実践から学ぶ
- 1 表現に着目した授業
- 2 読み比べの授業
- 3 音読・朗読を取り入れた授業
- 4 学校図書館を活用した授業
- 5 感想の交流を主とした授業
- 付録
- 1 年間指導計画例
- 2 改訂中学校学習指導要領・国語
まえがき
平成10年7月29日に教育課程審議会から答申された「幼稚園,小学校,中学校,高等学校,盲学校,聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改善について」は,国語の「改善の基本方針」として,「文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方を改め」ることを強く求め,国語の指導の重点を,「自分の考えをもち,論理的に意見を述べる能力,目的や場面などに応じて適切に表現する能力,目的に応じて的確に読み取る能力や読書に親しむ態度を育てること」に置くよう提言している。
この答申の文言を待つまでもなく,これまでの国語科の授業が,「読むこと」とりわけ「文学の読み」に多くの時間を充当しすぎていたこと,しかも,その時間の多くが,登場人物の心理を追うことに費やされすぎていたこと等は,以前から多くの国語関係者の指摘するところであった。そのような授業を継続していては,情報化・国際化等が進展するこれからの時代を「生きる力」としての「社会生活に必要な言語能力」を確実に育成することは不可能である。
また,今回の学習指導要領の改訂に伴って,国語科の年間授業時数が各学年とも週1時間ずつ縮減され,その年間授業時数は,
第1学年→140時間,第2学年及び第3学年→各105時間
となった。この内,読みの授業に充当することができる時数は,書写以外の言語事項の取り立て指導を,仮に10分の1程度とした場合,
・第1学年→10分の2〜10分の4程度
(28時間〜56時間程度,平均42時間程度)
・第2学年及び第3学年→10分の3〜10分の5程度
(31.5時間〜52.5時間程度,平均42時間程度)
となる。「説明的な文章や文学的な文章などの文章形態を調和的に取り扱うこと」という学習指導要領の文言を受け,それぞれに充当する時数を同等とした場合,文学的な文章の授業に充当することができる時数は,各学年とも年間21時間ということになる。
さらに,今回の改訂で,「言語活動」が具体的に例示されたことにも配慮する必要がある。「読むこと」の言語活動としては,「様々な文章を比較して読んだり,調べるために読んだりすること」「目的や必要に応じて音読や朗読をすること」の2項目が示されているが,これらの具体化についても創意工夫が求められている。その他,「学校図書館」についても「計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること」が強調されている。
このように,今回の学習指導要領の改訂の中で,「読むこと」の指導,とりわけ文学的な文章の読みの指導は,量的にも質的にも大きな変革を求められている。本書は,このような今回の学習指導要領改訂の趣旨を踏まえ,これからの文学的な文章の授業の在るべき方向について,実際の授業をとおし具体的に提案しようとするものである。
なお,本書を刊行するにあたり,明治図書の石塚嘉典,松本幸子の両氏には,企画・編集等懇切に御指導・御協力をいただいた。特記して謝意を表する次第である。
平成12年7月 編者
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明治図書















