- まえがき
- 第1章 図画工作科の授業づくりと評価のポイント
- 1 図画工作科の目標
- 2 新学習指導要領に基づいた授業 〜変わったこと,変わらないこと〜
- 3 指導計画作成の考え方
- 第1学年及び第2学年
- 第3学年及び第4学年
- 第5学年及び第6学年
- 4 題材設定の考え方
- 5 評価の考え方
- 第2章 学年別 図画工作科題材&授業プラン
- 低学年
- 造形遊び ぐんぐん!どんどん!たけたけランド
- 絵 どこどこ?おひっこし!
- 絵 はさみでチョキチョキ 〜ならべてつくろう おもしろアート〜
- 立体 おめでとうのうれしいかたち
- 工作 ふしぎなポケットから
- 鑑賞 キラキラちょうちょと どこいこう?
- 中学年
- 造形遊び 紙のミミで…
- 絵 白山台小花咲け!プロジェクト 〜咲かせよう自分の花・みんなの花〜
- 絵 これにかいたらどんな感じ?
- 立体 森から生まれた世界 〜ようせいの遊び場〜
- 立体 わたしの箱の物語
- 工作 集まれ,バネバネくん
- 鑑賞,工作 館山たから箱
- 高学年
- 造形遊び チェンジ ザ スペース
- 絵 心にえがく木
- 絵 おと・いろ・かたち
- 立体 鏡よ鏡 〜鏡でアート〜
- 工作 君にとどけ 楽しい思い
- 鑑賞 小さなお友達と
まえがき
本書は,平成29年に告示された新学習指導要領を踏まえた指導と評価についてまとめたものです。
私は,この3月まで,文部科学省と文化庁の教科調査官,国立教育政策研究所の教育課程調査官を務め,全国各地の研究会や研修会等において,授業の参観,指導講評,講演などをしてきました。
全国どこに行っても,子供のよりよく生きようとしている姿が見られ,それを支え続ける先生方の姿に,子供へのそして図画工作への愛を感じました。言葉では言い表せないほどの,感謝とそして尊敬の気持ちでいっぱいです。
そして,特に新学習指導要領の移行期間に感じたのは,先生方が学習指導要領や学習評価について,しっかり理解し,その上で目の前の子供に向けた指導について,自分で考えたいという思いを強くもっているということです。抱えきれないくらいのたくさんの仕事がある中で,自分できちんと学習指導要領を理解したうえで指導をしたいという気持ちをもっている先生方がたくさんいるということは,心強いばかりです。
新学習指導要領も小学校では令和2年4月に全面実施となり,3月には国立教育政策研究所から学習評価についての参考資料も示されました。
新学習指導要領に基づいた実践も,数多くみられるようになってきたことから,改めて新学習指導指導要領と新学習指導要領に基づいた実践とをまとめたものをつくり,先生方の「知りたい」「理解したい」に応えたいと考えました。
本書は第1章と,第2章で構成されています。
第1章では,『図画工作科の授業づくりと評価のポイント』を説明しています。
「1 図画工作科の目標」では,新学習指導要領における図画工作科の教科の目標の説明と,柱書きに書いてある内容や,どの学校種のどの教科等も育成を目指す資質・能力を(1)「知識及び技能」,(2)「思考力,判断力,表現力等」,(3)「学びに向かう力,人間性等」で整理されたことから,目の前の子供が成長してどんな学びをしていくかが見渡せることについて述べています。
「2 新学習指導要領に基づいた授業」では,内容や構成などが変わったこと,子供の姿を基に学習指導要領が作成されていることや学習の過程を重視していることなど,子供を大切に育てるということは変わらないことについて述べています。
「3 指導計画作成の考え方」では,中教審芸術ワーキング,学習指導要領,学習評価,各種調査等の委員を歴任された,京都市立西京極西小学校の中下美華校長先生に,考え方や例を示していただきました。京都市立西京極西小学校は,平成31年度の国立教育政策研究所の研究指定校として,新学習指導要領に基づいた指導と評価に真摯に取り組みました。学校の研究を踏まえた指導計画の考え方となっています。
「4 題材設定の考え方」では,題材とは何かということから,その題材で学習指導要領のどの内容を指導すればよいのか,題材設定で大切なことなど,題材という視点で指導について述べています。
「5 評価の考え方」では,新学習指導要領に基づいた学習評価について,観点の趣旨,内容のまとまりごとの評価規準,題材の評価規準などについて述べています。この考え方を基に,第2章における題材の評価規準などはつくられています。
第2章では,『図画工作科題材&授業プラン』として,低学年から高学年までの題材を,様々な地域の先生方から提案していただきました。
先生方とやりとりをしながら,新学習指導要領に基づいた題材の目標や評価規準として示すとともに,できるだけ子供の様子を語ってもらうような構成にしています。
各地域で,新学習指導要領に基づいた授業研究を積み重ねるうちに,題材の目標や題材の評価規準の文言などはそれぞれの先生の言葉になっていくと予想していますが,ここでは学習指導要領の内容のどこを踏まえているかが分かる形にしています。学習評価の,「指導に生かす評価」や「記録に残す評価」については,紙幅の関係で全て掲載していませんが,考え方はご理解いただけるのではないかと思っております。
新学習指導要領の趣旨の実現は,各学校の実践にかかっています。
本書がそれぞれの学校や地域で活用され,充実した図画工作科の時間の一つの手立てとなれば幸いです。
2020年8月 /岡田 京子
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- 明治図書
- 教科書教材から一歩進んで、題材作りをしたい人におすすめの本です。実践例はどれも、その教室、その地域だからこそ生まれた題材で、自分ならどうするかな?と考えが広がります。2024/3/10ヤッシー
- 良かった2021/12/1220代・小学校教員