国語科・授業改革双書3
PISA型読解力にも対応できるイメージの形成と共有によるコミュニケーションの授業づくり

国語科・授業改革双書3PISA型読解力にも対応できるイメージの形成と共有によるコミュニケーションの授業づくり

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伝え合う意欲を高めるコミュニケーションの授業

まずは「聞いて分かる語彙を増やす」「話せる語彙を増やす」ということを基盤目標に据え、ついで「イメージ」を重視した授業を展開する。さらに「プライベートコミュニケーション」で伝達機能とは違う他の機能、特に「働きかけ機能」「交話的機能」を実践で深める。


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ISBN:
978-4-18-313113-3
ジャンル:
国語
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに /難波 博孝
T イメージの形成と共有によるコミュニケーション授業のための理論
1 国語学力について
(1) 国語学力構造の全体像
(2) 国語学力をつけるために
2 国語科授業のあるべき姿
(1) リアルな場の設定
(2) 子どもにとって明確な学習目標の設定
(3) 1時間の授業の大半が子どもの「活動」であること
(4) 授業づくりのまとめとコミュニケーションの授業に向けて
3 コミュニケーションの力とは何か
(1) プライベートコミュニケーションとパブリックコミュニケーション
(2) コミュニケーションの機能
(3) コミュニケーションの機能とPB・PR
(4) コミュニケーションの機能と力
(5) 学校におけるコミュニケーション授業の難しさ
4 基盤領域の目標としての話す力・聞く力
5 技能目標としての話す力・聞く力
(1) 学習指導要領を見てみる
(2) 学習指導要領を発展させてみる
(3) カナダ・オンタリオ州のカリキュラムから
(4) 本書の考える,話す・聞く技能目標
6 価値領域としての話す力・聞く力
7 イメージの形成と共有によるコミュニケーションの授業づくり
(1) コミュニケーションの授業の目標のまとめ
(2) 単元の構成のしかた
(3) 「イメージ」の重要性
(4) 「イメージ」「イメージ語」「イメージマップ」
8 コミュニケーションの授業の評価
9 コミュニケーションの授業のこれから
U イメージの形成と共有によるコミュニケーション授業の実践
1 話す・聞く力の育成をめざして
(1) 学校紹介
(2) 研究の構想
(3) 研究の手だて
(4) 成果と課題
(5) ま と め
2 第2学年の実践(2004年)
(1) 第2学年単元構成図
(2) 単元について:湯田小テレビショッピング
(3) 単元目標について(どのような力を育てようとしたか)
(4) 学習活動と指導の実際
(5) 実践のまとめ
3 第5学年の実践(2004年)
(1) 第5学年単元構成図
(2) 単元について:もち米コマーシャル(ラジオ編)
(3) 単元目標について(どのような力を育てようとしたか)
(4) 学習活動と指導の実際
(5) 実践のまとめ
4 第6学年の実践(2004年)
(1) 第6学年単元構成図
(2) 単元について:なるほど! と思わせる演説をしよう
(3) 単元目標について(どのような力を育てようとしたか)
(4) 学習活動
(5) 実践のまとめ
5 第1学年の実践(2005年)
(1) 第1学年単元構成図
(2) 単元について:いってみたいな きょうりゅうのくに――描いた絵からお話しよう――
(3) 単元目標について(どのような力を育てようとしたか)
(4) 学習活動と指導の実際
(5) 実践のまとめ
6 第3学年の実践(2005年)
(1) 第3学年単元構成図
(2) 単元について:つくってみようアイデア料理
(3) 単元目標について(どのような力を育てようとしたか)
(4) 学習活動
(5) 実践のまとめ
7 第4学年の実践(2005年)
(1) 第4学年単元構成図
(2) 単元について:夢を語ろう〜仕事調べを通して〜
(3) 単元目標について(どのような力を育てようとしたか)
(4) 学習活動
(5) 実践のまとめ
8 特別支援の実践(2005年)
(1) 特別支援(情緒)単元構成図
(2) 単元について:レストランごっこをしよう
(3) 単元目標について(どのような力を育てようとしたか)
(4) 学習活動と指導の実際
(5) 実践のまとめ
おわりに /世良 彰久

はじめに

 それは,2004年2月のことでした。私は「国語力向上モデル事業」1年目の終わりに入ろうとする,当時,深安郡神辺町の湯田小学校に赴きました。

 話すこと・聞くことの研究を真摯にやられようとしていたこの学校は,しかし,まだ手探りの段階のままで大きな壁に阻まれているようでした。けれども,実際にこの学校に行ってみて,私は全く悲観しませんでした。むしろ,「この学校は,やる。すごい学校になる」と思ったのです。


 私が行ったとき,神辺町には指導主事の方が3人もおられました。その方々がそれぞれ低・中・高にはりついて,湯田小学校の先生たちと一緒に授業プランを練っておられました。

 私が来る前から,Aブロック(授業作り)Bブロック(日常の場の設定)Cブロック(保護者・地域の連携)という3つのブロックをつくり,それぞれのアプローチから,学校研究をしようとしていました。

 私も交えた授業研究の研修は,いつしか,果てしない討論と討議の場になっていきました。ここの先生たちは,私のつたない考えに疑問や意見をどんどんぶつけてきます。私たちは話し合いながら,本当に話し合いながら,自分たちの理論と実践を組み立てていきました。


 私の思ったとおりになりました。いや,もともとそうだったのだと思います。この学校の力をご覧になりたいのなら,ぜひ児童発表をご覧ください。


 教育にいいことはすべてやろう,責任はみなわしがとる,とおっしゃる校長先生。先生たちを支え続けた地域の人々。そして,子どもたちと先生たち。

 みなさんに感謝しながら,この本のおはなしをはじめたいと思います。


   広島大学大学院教授 /難波 博孝

著者紹介

難波 博孝(なんば ひろたか)著書を検索»

広島大学大学院教育学研究科 教授 博士(教育学)

1958年 兵庫県姫路市生まれ

 1981年に京都大学大学院言語学専攻修士課程を修了。その後私立報徳学園中学校・高等学校に奉職。中一から高三までの授業担当や担任を経験する。国語教育をちゃんと勉強するために退職し,神戸大学大学院教育学研究科修士課程国語教育専攻に入学,浜本純逸先生のもとで勉強する。修了後,予備校教師を経て,愛知県立大学文学部児童教育学科に就職,幼・小の教員養成にたずさわる。2000年4月から広島大学に異動する。

 現在,現場の教師と学習者,および研究者の本音を交流し合う,臨床国語教育の研究を画策中。さらにそこからの発展で,今の国語科の枠組みと内容を変革するための,国語科解体/再構築の試みも実行中。何とか演劇的手法を国語科に取り入れ,国語科を内部から解体できないか考えている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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