その生徒指導と保護者対応、間違っていませんか? 失敗しない伝え方

その生徒指導と保護者対応、間違っていませんか? 失敗しない伝え方

近日刊行予定

正しいようで間違っている生徒指導・保護者対応の落とし穴とは?

近年、難しくなってきたと言われる生徒指導と保護者対応。成功の秘訣は「信頼を土台とした共感」です。子どもの「認めて欲しい」という切実な願いに、また保護者の「子どもを大切にして欲しい」という期待に応えるにはどうすればよいのか。具体的な事例で解説しました。


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ISBN:
978-4-18-310223-2
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 128頁
状態:
近日刊行
出荷:
2026年5月25日

CONTENTS

もくじの詳細表示

はじめに
1章 その生徒指導,間違っていませんか? 【低学年】「はじめて」の学校生活を支える 失敗しない伝え方
@ 低学年の発達特性と関わりの基本
1 【男女差】男子の「体」のエネルギー,女子の「言葉」のエネルギー
2 「見える化」で伝わる指示の出し方
3 6月,その子の未来を左右する「サイン」を見逃さないために
A【ケーススタディ】低学年のあるあるトラブル対応
Case1《女子の友人関係》昨日まで仲良しだったのに…「もう遊ばない!」への対応
Case2《女子の仲間意識》「〇〇さんがダメって言ったから」仲間はずれの芽
Case3《男子の衝動性》物を投げる,机の中がぐちゃぐちゃな子への関わり方
Case4《男女の関わり》気になる子へのちょっかいが,いじめに見えてしまう
Case5《学習態度》授業中座っていられなくて立ち歩いてしまう子への対応
Case6《生活習慣》持ち物の管理ができず,忘れ物が絶えない
Case7《登校しぶり》「お腹が痛い」朝のサインを見逃さない
Case8《ルール》掃除をしない「ちゃんとしなさい」では不十分
Case9《給食》好き嫌いが多く,完食できない子への声かけ
2章 その生徒指導,間違っていませんか?【中学年】「ギャングエイジ」の正義感を育む 失敗しない伝え方
@ 中学年の発達特性と関わりの基本
1 【男女差】グループ化する女子,群れで動く男子
2 「正義感」と「不公平感」の取り扱い説明書
3 “自分たちで”解決させる力の育て方
A 【ケーススタディ】中学年の見えにくいトラブル対応
Case1《女子グループ》特定のグループ内での悪口や陰口
Case2《女子の正義感》「先生,〇〇さんがルール違反です!」告げ口への対処
Case3《女子の人間関係》手紙や交換ノートから始まるトラブル
Case4《男子の力関係》おふざけのつもりが…「いじり」と「いじめ」の境界線
Case5《男女の関わり》異性をからかったり,冷やかしたりする子への指導
Case6《学習意欲》「どうせ僕なんて…」自己肯定感が低下した子への声かけ
Case7《集団》クラスのムードメーカーが授業を妨害する
Case8《SNSの芽》ゲームのチャット機能など,見えない場所でのトラブル
Case9《盗難疑い》「ものがなくなった」と言われたときの初期対応
Case10《保健室登校》教室に入りづらさを感じる子への寄り添い方
3章 その生徒指導,間違っていませんか?【高学年】「思春期」の複雑な心と向き合う 失敗しない伝え方
@ 高学年の発達特性と関わりの基本
1 【男女差】「共感」を求める女子,「解決」を求める男子
2 大人びた言動の裏にある,承認欲求と自己肯定感の揺らぎ
3 SNSとの付き合い方 リスクとリテラシーをどう教えるか
A【ケーススタディ】高学年の「関係性」トラブル対応
Case1《SNS》グループでの仲間はずれ・既読スルー
Case2《グループ》クラス内で固定化された女子グループの対立と派閥化
Case3《無視》些細なことがきっかけで始まる「シカト」への介入
Case4《中心人物》クラスを仕切る「女王様」タイプとその取り巻きへの指導
Case5《嫉妬・噂話》友人関係や恋愛にまつわる根も葉もない噂
Case6《身体の変化》第二次性徴への戸惑いやからかいに向き合う
Case7《見た目問題》容姿に関するコンプレックスや,それをからかう言動
Case8《マウンティング》持ち物や成績で優劣をつけたがる女子への対応
Case9《反抗期》教師への暴言や,ふてくされた態度
Case10《無気力》学習にも行事にもやる気を見せない「冷めた」男子
Case11《ネット依存》オンラインゲームにのめり込み,昼夜逆転する子
Case12《恋愛トラブル》「付き合う」「別れる」から生まれるいざこざ
Case13《進路不安》中学校生活への漠然とした不安を抱える子
4章 その保護者対応,間違っていませんか?「信頼」を土台に「協力」へつなぐ 失敗しない伝え方
@ 保護者対応の基本マインド
1 クレームは「期待の裏返し」ととらえる
2 「事実」と「解釈」を分けて伝える技術
3 学校としての「組織的対応」は絶対原則
A【ケーススタディ】状況別・保護者対応の鉄則
Case1《初期対応》信頼を築く,最初の保護者会・個人懇談のコツ
Case2《クレーム》「うちの子ばかり叱られる」という訴えへの対応
Case3《いじめ(加害側)》「うちの子に限って」事実を認めない保護者
Case4《いじめ(被害側)》「相手の親に謝罪させろ」強い要求への段階的対応
Case5《要望》教師の指導に納得しない保護者との対話
Case6《モンスターペアレント》過度な要求を繰り返す保護者への組織的対応
Case7《家庭環境》虐待が疑われる家庭への慎重なアプローチ
Case8《不登校》出口が見えない不登校,保護者との伴走の仕方
Case9《連絡帳》毎日のように届く,長文の連絡帳への向き合い方
Case10《SNSでの批判》保護者間のSNSで学校批判が起きたときの対応
おわりに
執筆者一覧

はじめに

 数年前,セミナーに登壇するため沖縄を訪れた夜のことでした。懇親会を終え,数名で次の店を探して夜の街を歩いていると,不意に後ろから「まんちゃん!」と懐かしいあだ名で声をかけられました。振り返るとそこにいたのは,私が教師になって初めて送り出した,大切な卒業生の1人でした。

 偶然の再会に喜び,積もる話を語り合う中で,彼はいつものように,あの話をし始めました。

 「先生,カレー給食のとき,僕がうんこの話をしてめちゃくちゃ怒られたこと,覚えています? でも,正直あそこまで怒らなくてもよかったのに」

 冗談めかしたその響きとは裏腹に,何度も繰り返されるその言葉は,私の未熟な指導が彼の心にどれほど長く,そして深く残り続けていたかを物語っていました。その事実に気づかされ,私はいつも返す言葉を失うのです。

 そして同時に,自分自身の小学生時代の記憶が鮮明に蘇ってきます。私もやんちゃな子どもで,先生によく叱られ,ときには頭をはたかれることもありました。自分の過ちへの反省はあっても,叩かれたことに対しては,いつも心の中に晴れない「モヤモヤ」が残っていました。

 あのときの私が生徒に与えてしまった心の傷。そして,私自身がかつて抱いた「モヤモヤ」。その2つがつながり,私は1つの事実に気づかされました。私自身が,かつて教師から受けた指導によって感じた痛みを,無意識のうちに自分の生徒に対して「再生産」してしまっていたのです。

 よかれと思って行った指導が,意図せず子どもを傷つけてしまう。そして,指導した側はそのことに気づいてすらいない,というケースも少なくないのかもしれません。この苦い経験は,「子どもたちの心に届く,本当に有効な指導とは一体何なのか」という問いを,私に改めて突きつけました。本書は,その問いに対する私なりの探究の記録です。

 本書が,日々子どもたちと真剣に向き合う読者の皆様にとって,ささやかながらも確かな一助となれば,これに勝る喜びはありません。


   /樋口 万太郎

著者紹介

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)著書を検索»

1983年大阪府生まれ。中部大学現代教育学部准教授。大阪府公立小学校,大阪教育大学附属池田小学校,京都教育大学附属桃山小学校,香里ヌヴェール学院小学校を経て,現職。オンラインサロン「先生ハウス」主催。

授業力&学級づくり研究会著書を検索»

垣内幸太,樋口万太郎らを中心に立ち上げた研究会。授業で学級を育て,子どもと教師を笑顔にする学びということをテーマに活動をしています。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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