- はじめに
- 1章 その生徒指導,間違っていませんか? 【低学年】「はじめて」の学校生活を支える 失敗しない伝え方
- @ 低学年の発達特性と関わりの基本
- 1 【男女差】男子の「体」のエネルギー,女子の「言葉」のエネルギー
- 2 「見える化」で伝わる指示の出し方
- 3 6月,その子の未来を左右する「サイン」を見逃さないために
- A【ケーススタディ】低学年のあるあるトラブル対応
- Case1《女子の友人関係》昨日まで仲良しだったのに…「もう遊ばない!」への対応
- Case2《女子の仲間意識》「〇〇さんがダメって言ったから」仲間はずれの芽
- Case3《男子の衝動性》物を投げる,机の中がぐちゃぐちゃな子への関わり方
- Case4《男女の関わり》気になる子へのちょっかいが,いじめに見えてしまう
- Case5《学習態度》授業中座っていられなくて立ち歩いてしまう子への対応
- Case6《生活習慣》持ち物の管理ができず,忘れ物が絶えない
- Case7《登校しぶり》「お腹が痛い」朝のサインを見逃さない
- Case8《ルール》掃除をしない「ちゃんとしなさい」では不十分
- Case9《給食》好き嫌いが多く,完食できない子への声かけ
- 2章 その生徒指導,間違っていませんか?【中学年】「ギャングエイジ」の正義感を育む 失敗しない伝え方
- @ 中学年の発達特性と関わりの基本
- 1 【男女差】グループ化する女子,群れで動く男子
- 2 「正義感」と「不公平感」の取り扱い説明書
- 3 “自分たちで”解決させる力の育て方
- A 【ケーススタディ】中学年の見えにくいトラブル対応
- Case1《女子グループ》特定のグループ内での悪口や陰口
- Case2《女子の正義感》「先生,〇〇さんがルール違反です!」告げ口への対処
- Case3《女子の人間関係》手紙や交換ノートから始まるトラブル
- Case4《男子の力関係》おふざけのつもりが…「いじり」と「いじめ」の境界線
- Case5《男女の関わり》異性をからかったり,冷やかしたりする子への指導
- Case6《学習意欲》「どうせ僕なんて…」自己肯定感が低下した子への声かけ
- Case7《集団》クラスのムードメーカーが授業を妨害する
- Case8《SNSの芽》ゲームのチャット機能など,見えない場所でのトラブル
- Case9《盗難疑い》「ものがなくなった」と言われたときの初期対応
- Case10《保健室登校》教室に入りづらさを感じる子への寄り添い方
- 3章 その生徒指導,間違っていませんか?【高学年】「思春期」の複雑な心と向き合う 失敗しない伝え方
- @ 高学年の発達特性と関わりの基本
- 1 【男女差】「共感」を求める女子,「解決」を求める男子
- 2 大人びた言動の裏にある,承認欲求と自己肯定感の揺らぎ
- 3 SNSとの付き合い方 リスクとリテラシーをどう教えるか
- A【ケーススタディ】高学年の「関係性」トラブル対応
- Case1《SNS》グループでの仲間はずれ・既読スルー
- Case2《グループ》クラス内で固定化された女子グループの対立と派閥化
- Case3《無視》些細なことがきっかけで始まる「シカト」への介入
- Case4《中心人物》クラスを仕切る「女王様」タイプとその取り巻きへの指導
- Case5《嫉妬・噂話》友人関係や恋愛にまつわる根も葉もない噂
- Case6《身体の変化》第二次性徴への戸惑いやからかいに向き合う
- Case7《見た目問題》容姿に関するコンプレックスや,それをからかう言動
- Case8《マウンティング》持ち物や成績で優劣をつけたがる女子への対応
- Case9《反抗期》教師への暴言や,ふてくされた態度
- Case10《無気力》学習にも行事にもやる気を見せない「冷めた」男子
- Case11《ネット依存》オンラインゲームにのめり込み,昼夜逆転する子
- Case12《恋愛トラブル》「付き合う」「別れる」から生まれるいざこざ
- Case13《進路不安》中学校生活への漠然とした不安を抱える子
- 4章 その保護者対応,間違っていませんか?「信頼」を土台に「協力」へつなぐ 失敗しない伝え方
- @ 保護者対応の基本マインド
- 1 クレームは「期待の裏返し」ととらえる
- 2 「事実」と「解釈」を分けて伝える技術
- 3 学校としての「組織的対応」は絶対原則
- A【ケーススタディ】状況別・保護者対応の鉄則
- Case1《初期対応》信頼を築く,最初の保護者会・個人懇談のコツ
- Case2《クレーム》「うちの子ばかり叱られる」という訴えへの対応
- Case3《いじめ(加害側)》「うちの子に限って」事実を認めない保護者
- Case4《いじめ(被害側)》「相手の親に謝罪させろ」強い要求への段階的対応
- Case5《要望》教師の指導に納得しない保護者との対話
- Case6《モンスターペアレント》過度な要求を繰り返す保護者への組織的対応
- Case7《家庭環境》虐待が疑われる家庭への慎重なアプローチ
- Case8《不登校》出口が見えない不登校,保護者との伴走の仕方
- Case9《連絡帳》毎日のように届く,長文の連絡帳への向き合い方
- Case10《SNSでの批判》保護者間のSNSで学校批判が起きたときの対応
- おわりに
- 執筆者一覧
はじめに
数年前,セミナーに登壇するため沖縄を訪れた夜のことでした。懇親会を終え,数名で次の店を探して夜の街を歩いていると,不意に後ろから「まんちゃん!」と懐かしいあだ名で声をかけられました。振り返るとそこにいたのは,私が教師になって初めて送り出した,大切な卒業生の1人でした。
偶然の再会に喜び,積もる話を語り合う中で,彼はいつものように,あの話をし始めました。
「先生,カレー給食のとき,僕がうんこの話をしてめちゃくちゃ怒られたこと,覚えています? でも,正直あそこまで怒らなくてもよかったのに」
冗談めかしたその響きとは裏腹に,何度も繰り返されるその言葉は,私の未熟な指導が彼の心にどれほど長く,そして深く残り続けていたかを物語っていました。その事実に気づかされ,私はいつも返す言葉を失うのです。
そして同時に,自分自身の小学生時代の記憶が鮮明に蘇ってきます。私もやんちゃな子どもで,先生によく叱られ,ときには頭をはたかれることもありました。自分の過ちへの反省はあっても,叩かれたことに対しては,いつも心の中に晴れない「モヤモヤ」が残っていました。
あのときの私が生徒に与えてしまった心の傷。そして,私自身がかつて抱いた「モヤモヤ」。その2つがつながり,私は1つの事実に気づかされました。私自身が,かつて教師から受けた指導によって感じた痛みを,無意識のうちに自分の生徒に対して「再生産」してしまっていたのです。
よかれと思って行った指導が,意図せず子どもを傷つけてしまう。そして,指導した側はそのことに気づいてすらいない,というケースも少なくないのかもしれません。この苦い経験は,「子どもたちの心に届く,本当に有効な指導とは一体何なのか」という問いを,私に改めて突きつけました。本書は,その問いに対する私なりの探究の記録です。
本書が,日々子どもたちと真剣に向き合う読者の皆様にとって,ささやかながらも確かな一助となれば,これに勝る喜びはありません。
/樋口 万太郎
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明治図書

















