100万人が受けたい! 主体的・対話的で深い学びを創る中学社会科授業モデル

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好評2刷

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逆転現象を生む!すべての生徒が主人公になれる魅力的な授業ネタ

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ISBN:
978-4-18-296013-0
ジャンル:
社会
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年4月22日

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 「主体的・対話的で深い学び」をすべての生徒に
1 キャラメルのミゾ
〜ネタ開発はじめ〜
2 犬税ってあるの?
〜切り口は単純だが,深い学びのあるネタ〜
3 一休さんのお父さんは?
〜早くわかりたい! 解決したいと思うネタ〜
4 マクドナルドの「ある」国と「ない」国
〜日常生活から科学の世界にせまるネタ〜
5 図書室がつくられたワケは?
〜ワクワク感をもち,事実や背景・本質につながるネタ〜
6 借金してビールを飲んで大金持ち?
〜矛盾や対立のあるネタ〜
7 東京オリンピック,開会式と閉会式で国名が変わった国って?
〜驚きや葛藤のあるネタ〜
8 頼朝はなぜ義経を殺したの?
〜思考や判断が揺れるネタ〜
9 街から銀行・デパートが消える!
〜「切実性」「当事者性」のあるネタ〜
10 すべての生徒が主人公になれる授業を!
〜学習指導要領と「主体的・対話的で深い学び」〜
第2章 主体的・対話的で深い学びを創る中学地理授業モデル
1 [世界の気候] 「風の谷」を探せ!
〜アニメで楽しく地理学習〜
2 [アジア] インドの経済成長を支えたもの
〜ダイヤモンドランキングを通して考える新興国成長の基盤〜
3 [EU] トルコをEUに加盟させるべき?
〜単元末に社会問題を考える授業設計〜
4 [アフリカ] ルワンダの奇跡に学ぼう!
〜中央アフリカ共和国の貧困分析〜
5 [防災・減災] 「おもい」をつなぐ
〜東日本大震災の教訓から〜
6 [日本の諸地域] 蛇口から○○クイズ
〜クイズを通して地域の特色をつかむ〜
7 [中国・四国,近畿地方] 大阪府の人口減少を止めるための政策は?
〜「人口」を中核に中国・四国,近畿地方を考察する〜
8 [近畿地方] 文化財保護か利便性か
〜京奈和自動車道に賛成? 反対?〜
9 [関東地方] 「平成狸合戦ぽんぽこ」からみるニュータウン
〜多摩ニュータウンを題材にして〜
10 [持続可能な社会] 引っ越しPR大作戦
〜地域をみる視点づくり〜
第3章 主体的・対話的で深い学びを創る中学歴史授業モデル
1 [古代] なぜあんなに大きな大仏が必要だったのか?
〜人間,聖武天皇の苦悩〜
2 [古代] どうして羅生門は荒廃したのか?
〜墾田永年私財法の光と陰〜
3 [中世] 勘合符で考える室町幕府のお金事情
〜経済の視点で歴史を学ぶ〜
4 [時代の大観] 坂上田村麻呂は武士か?
〜古代と中世のちがいを捉える〜
5 [戦国時代] 豊臣秀吉・織田信長の通知表を完成させよう!
〜「中世」から「近世」への転換期を多面的・多角的に考察する〜
6 [世界史] 大西洋三角貿易って何?
〜アフリカが植民地になった一要因〜
7 [近代] 長岡生活綴方事件から治安維持法を考える
〜法律がいつも正しいとは限らない〜
8 [近代] あなたに赤紙が届いたら
〜息子を戦場に送り出した母親は,戦争の被害者? 加害者?〜
9 [戦後] なぜ「稔」と「和夫」という名前をつけたの?
〜エピソードから学ぶ「占領」と民主化〜
10 [戦後] 「ゴジラ」からみる核と平和
〜サブカルチャーから社会を分析する〜
第4章 主体的・対話的で深い学びを創る中学公民授業モデル
1 [効率と公正] オーバーツーリズムから効率と公正を考える
〜江ノ電の連休対策を通して〜
2 [行動経済学] 人はなぜ騙されるのか?
〜行動経済学の活用〜
3 [文化] 文字をもたなかったアイヌ
〜アイヌを通して多文化共生を学ぶ〜
4 [人権] ジェンダー・バイアスを考える
〜アイドルの歌詞の考察から〜
5 [経済] スゴイ! ねじ/すごい! 物流
〜「流通」が経済効率に果たす役割〜
6 [価格] 価格って誰が決めるの?
〜価格変動をジグソー学習で考える〜
7 [公共財] 「雪かきゲーム」にみる公共財
〜「フリーライダー」を切り口に〜
8 [環境] 「激落ちくん」物語
〜メラミンスポンジからみるドイツにおける環境政策の歩み〜
9 [SDGs] 極寒の〇〇町を救え!
〜内発的発展論の教材化〜
10 [SDGs] 首里城復興への思い
〜「沖縄21世紀ビジョン」とSDGs〜
あとがき

まえがき

 マクドナルドに行くと「おもちゃ回収箱」が設置されている。だが一方で,「ストローが刺さり,涙を浮かべているウミガメ」「胃にプラスチックゴミ(以下,プラゴミ)がたまり空腹感がなくなり餓死する海鳥」の写真がネット上に拡散している。「プラスチック問題」だ。

 日本での一人あたりのプラゴミは,私の体重とほぼ同じ年間70kgだそうだ。「う〜ん!」だが,私の生活は,朝からCDを聞きながらボールペンで原稿チェック,そして買い物は,マイバッグを持参しても商品包装はプラスチックだらけだ。プラスチックは医療現場でも使用している。注射器,カテーテル,人工臓器,手術後の縫合糸をはじめ,義足や義手にも使用されている。「う〜ん!」自分ができる範囲で削減に貢献するのが精一杯か……。

 世界に目を向けると,レジ袋に関して何らかの規制をしている国は120か国を越え,80数か国がレジ袋を禁止している(2018年)。日本もレジ袋は有料化されたが,アフリカ,アジア諸国にも後れをとっている。「う〜ん!」国や行政が何らかの対策を講じないと個人の努力ではどうにもならない。

 ところで,世界のプラゴミ処理の現状はどうだろう。1988〜2016年の合計データにおいては,焼却(12%),埋め立て(79%),リサイクル(9%)である。先進国は2016年まで,中国にゴミを輸出し,日本も米国についで2番目に多かった。その後は,マレーシア,インドネシア,インドなどの国々に輸出するようになる。しかし,適切にリサイクルされず,大抵は,焼却されるか埋め立てられる。中にはそのまま放置され,河川に流出し海に流れるケースもある。「う〜ん!」ごみを輸出とは! けしからん! だが,中国では,新たに石油プラント建設からはじめるより,プラゴミを再生したほうが効率的なので,プラゴミを輸入していたということもある。「なるほど!」である。

 しかし,輸入されたゴミの中には汚れているものや,分別されていないゴミも多く,そのままではリサイクルできない。安い賃金で雇用された現地の人が汚れを落とすのである。親の手伝いでゴミの山を漁る子どもの姿もある。「う〜ん!」。「せめてプラゴミを出す時にはキレイに洗って捨てよう」と思う私である。

 私生活風に描写したが,「プラスチック問題」の授業構想を意識している。数か所の「う〜ん!」は,「葛藤」「思考」「判断」する場面である。プラスチックは,2050年には魚の量より多くなり,魚に多大な被害をもたらすため,「規制・禁止」すべきだと意見が出るよう仕掛ける。「便利な生活には必要であり,医療関係にも役立っている」という反論が出る。出なければ,教師が「挑発」すればいい。

 以上のような「社会的ジレンマ」を提示することで社会問題を「自覚」させ,解決策を考える。世界の動向をふまえ,生産者,販売者,消費者,国や地方公共団体,そして自分に何ができるかを考える。キーワードは「驚き」「葛藤」「矛盾」「対立」である。「プラスチック問題」を「切実性」「当事者性」から考え,効果や実現性について検討することを通して,「価値判断」「意思決定」力が育成される。「資質」「能力」「態度」はどうだろう? 私は,「プラゴミをキレイに水洗いしてゴミ箱に捨てるようになった」が,「水を使いすぎか?」と葛藤している。

 本書は,20〜40代の先生方の実践事例が中心である。「習得から活用へ」「知識理解から見方・考え方へ」「対話的な学びから深い学びへ」と誘う学びが満載である。大切にしたコンセプトは,「主体的・対話的で深い学びをすべての生徒に〜“学力差”のない授業づくり〜」である。


  2020年8月   /河原 和之

著者紹介

河原 和之(かわはら かずゆき)著書を検索»

1952年,京都府木津町(現木津川市)生まれ。

関西学院大学社会学部卒。東大阪市の中学校に三十数年勤務。

東大阪市教育センター指導主事を経て,東大阪市立縄手中学校退職。現在,立命館大学,近畿大学,大阪教育大学他,6校の非常勤講師。

授業のネタ研究会常任理事。経済教育学会理事。

NHKわくわく授業「コンビニから社会をみる」出演。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      2020/8/2620代・中学校教員
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