- はじめに
- 楽しい算数授業のつくり方
- 1・2年
- 1年
- ◆いくつといくつ(領域:数と計算) ブロックとりゲーム
- ◆ひき算(領域:数と計算) 「□−□=1」はいくつある?
- ◆たし算とひき算(領域:数と計算) 算数マシーンの秘密をさぐれ
- ◆式をたくさんつくろう(領域:数と計算) 数を組み合わせて式をつくろう
- ◆ひき算(領域:数と計算) 見えなくなっているカードをさぐれ
- ◆形(領域:図形) シルエットクイズ
- ◆ものの位置(領域:図形) 「船長さんが言いました」ゲーム
- ◆時計(領域:測定) 時計ぴったんこゲーム
- ◆広さくらべ(領域:測定) じんとりゲーム
- ◆絵グラフ(領域:データの活用) どんな並べ方をしたらわかるかな
- 2年
- ◆たし算とひき算のひっ算(領域:数と計算) 計算ビンゴ
- ◆たし算とひき算(領域:数と計算) 数字カードで今日の運勢を占おう
- ◆2ケタ2ケタのひき算(領域:数と計算) 答えが小さいほうが勝ち
- ◆分数(領域:数と計算) 1/2なら当たりカードゲーム
- ◆かけ算(領域:数と計算) 宝さがし
- ◆九九(領域:数と計算) 九九表パズル
- ◆三角形と四角形(領域:図形) 仲間わけゲーム
- ◆体積(領域:測定) ちょうど20dLをつくろうゲーム
- ◆長さ(領域:測定) ちょうど1mを目指そうゲーム
- ◆データ(領域:データの活用) クラスの友達のことをもっと知ろう
- コラム
- どうやって考える? ゲーム&クイズ
- 3・4年
- 3年
- ◆大きい数(領域:数と計算) 漢字で書くと何文字?
- ◆暗算(領域:数と計算) 今日のしかけは何だ?
- ◆量分数(領域:数と計算) 1/4mをさがそう
- ◆おもしろい計算(領域:数と計算) 999×□
- ◆わり算(領域:数と計算) 幸せな人を増やそう
- ◆あまりのあるわり算(領域:数と計算) 運だめし! あまりが3になったら運がよい
- ◆四角形(領域:図形) これって四角形?
- ◆重さ(領域:測定) 赤ちゃんの私をだっこする
- ◆長さ(領域:測定) 長さカルタ
- ◆データ(領域:データの活用) どれが正しい棒グラフ?
- 4年
- ◆分数(領域:数と計算) ジャンケン大会をしよう
- ◆小数倍(領域:数と計算) 「2倍の関係になっていたら運がよい」ゲーム
- ◆がい数の計算(領域:数と計算) 目指せ10万円ゲーム
- ◆面積(領域:図形) 9マス分の図形をつくろう
- ◆四角形(領域:図形) 似ている? 似ていない?
- ◆角度(領域:図形) 三角定規で角度をつくろう
- ◆四角形(領域:図形) 対角線の長さが□cmと□cmの四角形をつくろう
- ◆変わり方(領域:変化と関係) 変身ペアクイズ
- ◆簡単な割合(領域:変化と関係) 一番がんばった人は誰?
- ◆資料の分類整理(領域:データの活用) ビンゴゲームをしよう
- ◆折れ線グラフ(領域:データの活用) どっちのグラフ?
- コラム
- 楽しい算数ゲーム&クイズの後にやってくる「壁」
- 5・6年
- 5年
- ◆小数のかけ算(領域:数と計算) 点とりゲーム
- ◆整数(領域:数と計算) 倍数体操始めるよ
- ◆分数(領域:数と計算) 分数神経衰弱をしよう
- ◆合同な図形(領域:図形) ピッタリ重なれば当たりゲーム
- ◆台形の面積(領域:図形) 公式からその意味を説明しよう
- ◆速さ(領域:変化と関係) 人類は逃げきれるか
- ◆割合(領域:変化と関係) ジャンケンが強い人は誰?
- ◆平均(領域:データの活用) ジュースしぼり対決をしよう
- ◆平均(領域:データの活用) 九九表
- 6年
- ◆分数のかけ算(領域:数と計算) ぴったり1ゲーム
- ◆分数×分数(領域:数と計算) 分数トーナメント
- ◆拡大と縮小(領域:図形) 同じ形なら当たりゲーム
- ◆対称な図形(領域:図形) 「ある・なし」クイズ
- ◆円の面積(領域:図形) 学級円かき大会をしよう
- ◆円の面積(領域:図形) いくつあるの
- ◆比例と反比例(領域:変化と関係) 変身ペアを分類しよう
- ◆比と比の値(領域:変化と関係) レシピの王様をさがせ
- ◆資料の整理(領域:データの活用) 実力があるのはどっち?
- ◆データ(領域:データの活用) どのロボットを選ぶ?
- コラム
- ゲーム&クイズを考える私たちの本当の思い
- おわりに
はじめに
みなさん,算数の授業は楽しいですか?
目の前にいる子どもたちは,笑顔で算数授業に取り組んでいますか? へらへらした笑顔ではありませんよ。学びを楽しむ充実した笑顔が教室に咲いていますか?
算数という教科は,答えがハッキリしたストライクゾーンがとても明確な教科です。だから教えやすいという人もいます。しかし,それは,大間違い。日頃の算数授業に悩み,この本を手にとっているあなたこそ,大正解です。
なぜなら,正解にたどりつけない子の暗く悲しい顔をキャッチできているから。
なぜなら,答えを出せば終了し,学ぶことを放棄しているかのごとく,暇をもてあましている子の貧しい生き方を感じているから。
私たち教師は,教えることが大好きで,子どもの成長を願ってやみません。特に,「できた!」と喜ぶ子どもを見て,我がことのように喜び,ほめたたえます。これは,低学年では通用します。低学年の学習内容は,大半の子ができるようになりますし,また,そうでないといけません。しかし,いつかはやってくるつまずき。4年生ぐらいになると,算数の得手・不得手が明確になってくることもしばしばあります。学年が上がるにつれ,そのストライクゾーンの狭さを子どもは痛感し,算数嫌いが生まれてくるわけです。
だから,教師は,結果ばかりをほめてはいけません。ストライクという結果ばかりをほめてはいけないのです。いろいろな球の投げ方や,投げ方を考える子どもを育てるのです。大暴投しても,そのチャレンジ精神や,なぜそうしようとしたかという主体的な姿勢を認め伸ばすことが教師の役割です。うまくいかないことがあっても,「このやり方は違う,という発見」です。しかもその発見は,教師から与えられるのではなく,級友と交流しながら,まさしく発見していくものでないといけない。そこには,「ストライクを投げられなかったら,自分はおしまいだ」という発想はなくなります。間違っても,迷っても,学びを深めていく自分を誇りに思うのです。すると,社会に出て,大きな壁にぶち当たった時にだって,「がんばる自分でいい,これでいいんだ」と進んでいけるのです。
だから,ストライクゾーンの狭い算数こそ,ストライクばかりにとらわれず,ストライクまでの道筋を楽しめる授業にしましょう。これ,実は意外に難しいのです。どうしても,教師は,正解が出るとうれしくてとびついてしまうから。知識や技能の習得だけを喜んでしまうから。
また,通信教育や塾などで先行学習をしている子どもが,先行知識をひけらかすことと本当に学ぶことを誤解し,正解ばかりを口々に言う授業も他の子どもの笑顔を奪います。
算数の本質や学ぶ楽しさは,もっと深いところにあるのです。この本は,あなたも,子どもたちも笑顔の算数授業にするきっかけをぎゅっとまとめた本です。
先行学習をしている子どもも,算数への苦手意識が強い子どもも,同じ土俵にのせる算数授業の導入をまとめました。ゲームやクイズという切り口でまとめてみましたが,もちろん,目の前の子どもたちの実態によって,アレンジしながら取り組んでください。この本をきっかけに,あなたのオリジナル授業にしていくことをおすすめします。
教師自身が楽しむ姿勢が,子どもの学ぶベクトルを上向きにしていきます。そして,楽しそうな先生を見て,子どもたちは大人になるって楽しそうと感じます。“教師が一方的に与える授業”から,“教師と子どもが共に創り出す授業”へ,ミラクルチェンジしましょう!
そのきっかけにこの本が,貢献できることを願っています。
/松井 恵子
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- 明治図書
- 色んな単元の導入や深めるために出来るアイデアが盛り沢山です。担当学年だけでなく、ほかの学年のページからもヒントをいただけます。2021/10/23くー
- とてもわかりやすく、授業に使い子どもたちと楽しみたい。2020/8/2240代・小学校教員
- いつも参考にさせて頂いています!2020/1/4匿名係長