- 監修のことば
- はじめに
- 1章 小学校6年 学級づくり・授業づくり基礎基本
- 1 6年生の子供を理解する
- 2 どの子も包み込むあたたかいクラスをつくる
- 3 どの子もできる!わかる!授業を行う
- 4 クラスを支える学校の仕組みを活用する
- 2章 ユニバーサルデザインと特別支援教育の視点でつくる 学級づくり・授業づくり8のポイント
- 1 場所:教室の環境整備
- 整理整頓,すっきりした教室づくりと学年統一を
- 2 時間:見通しの工夫
- 時計や予定を見て,流れや見通しを確認できるように
- 3 友達:集団のルールづくり
- 安心できるルールと認め合えるリレーションづくりを
- 4 規範:授業のルールづくり
- 「楽しい」「わかる」「できる」「学び合い」のある授業を
- 5 教授:ほめる・叱る工夫
- ほめるなどが8割,叱る・指導は2割で
- 6 教授:指示・説明の工夫
- 「ゆっくり」,「短い言葉で」などわかりやすさを高める
- 7 グッズ:教材・教具・ICTの活用
- はしごをかけて一人一人に合った学びの支援を
- 8 保護者:保護者対応の工夫
- 「子供が変われば,保護者も変わる」を合言葉に
- 3章 ユニバーサルデザインと特別支援教育の視点でつくる 学級づくり・授業づくり12か月のアイデア
- 4月
- クラスづくりの要所
- 1年間を見据えた学級開きをしよう
- 仲間づくりSST
- 「探偵ゲーム」でお互いのことを知り合おう
- 生活場面の指導
- 朝の時間で落ち着いた雰囲気を作ろう
- 授業づくり−国語
- 「話し合い活動」楽しい話し合い活動をしよう
- 授業づくり−社会
- 「大昔のくらし」「一つ」の資料から授業をはじめよう
- 保護者対応の工夫
- 気配りでよいスタートを切ろう
- 5月
- クラスづくりの要所
- 学級の組織,ルールを確認しよう
- 仲間づくりSST
- 「木とリス」・「クレープじゃんけん」で交流の輪を広げよう
- 生活場面の指導
- 朝の会で子供同士をつなごう
- 授業づくり−国語
- 「カレーライス」作品の主題をつかもう
- 授業づくり−図工
- 「わたしのお気に入りの場所」2パターンで友達の良さを味わおう
- 保護者対応の工夫
- 家庭訪問で子供の理解を深めよう
- 6月
- クラスづくりの要所
- 雨の日の楽しい遊びで一体感を高めよう
- 仲間づくりSST
- 「たし算トーク」で聞き上手なクラスをめざそう
- 生活場面の指導
- グループ活動で連帯感を高めよう
- 授業づくり−国語
- 「時計の時間と心の時間」何型の文章か考えよう
- 授業づくり−算数
- 「分数のかけ算」どの子もイメージできる問題にしよう
- 保護者対応の工夫
- 事前アンケートで保護者会の価値を高めよう
- 7月 8月
- クラスづくりの要所
- 課題選択で全員ができる宿題に調節しよう
- 仲間づくりSST
- 「じゃんけんボウリング」で1人でも多くのクラスメイトと交流しよう
- 生活場面の指導
- 宿題の出し方を工夫してやる気を高めよう
- 授業づくり−国語
- 「支度」叙述から作品の設定をつかもう
- 授業づくり−理科
- 「生物どうしのつながり」グループ学習で理解を深めよう
- 保護者対応の工夫
- 通知表で子供の良さを伝えよう
- 9月
- クラスづくりの要所
- 運動会を盛り上げよう
- 仲間づくりSST
- 「だれのキーワード?」でクラスメイト一人一人との日常をふり返ろう
- 生活場面の指導
- 休み時間の過ごし方を意識して信頼関係を育もう
- 授業づくり−国語
- 「感想文を書く」自分の思いを伝えよう
- 授業づくり−算数
- 「比と比の値」解き方に「名前」を付けよう
- 保護者対応の工夫
- 子供が活躍できる授業参観にしよう
- 10月
- クラスづくりの要所
- 思い出に残る修学旅行にしよう
- 仲間づくりSST
- 「4マスドッジ(3マスドッジ)」でルールやマナーを守る良さを味わおう
- 生活場面の指導
- 日記指導で子供との心の距離を縮めよう
- 授業づくり−国語
- 「漢字の指導」形に注目しよう
- 授業づくり−体育
- 「ハードル走」自分に合った「場」を選んで練習しよう
- 保護者対応の工夫
- 子供ともつながる連絡帳にしよう
- 11月
- クラスづくりの要所
- 学習指導の充実を図ろう
- 仲間づくりSST
- 「くまがり」でクラスみんなで遊んだ思い出を残そう
- 生活場面の指導
- 忘れ物をさせない忘れ物指導を心がけよう
- 授業づくり−国語
- 「きつねの窓」作品の主題をつかもう
- 授業づくり−社会
- 「アジア・太平洋に広がる戦争」地図を2枚に分けて使おう
- 保護者対応の工夫
- 学級通信を内容によって使い分けよう
- 12月
- クラスづくりの要所
- 学校のリーダーとしての自覚を高めよう
- 仲間づくりSST
- 「新聞紙タワー」で互いの気持ちを思う良さを味わおう
- 生活場面の指導
- 当たり前のレベルを上げる給食指導をしよう
- 授業づくり−国語
- 「『鳥獣戯画』を読む」筆者のものの見方をとらえよう
- 授業づくり−音楽
- 「広い空の下で」マイ楽譜を作って歌おう
- 保護者対応の工夫
- 個人面談での心配りが大切と心がけよう
- 1月
- クラスづくりの要所
- 卒業までのカウントダウンを始めよう
- 仲間づくりSST
- 「卒業ビンゴ」で思い出を共有しよう
- 生活場面の指導
- トラブル支援で居場所づくりにつなげよう
- 授業づくり−国語
- 「自然に学ぶ暮らし」事例の数から全体の構成をつかもう
- 授業づくり−体育
- 「マット運動」技のポイントをしぼろう
- 保護者対応の工夫
- トラブル解決をチャンスに変えよう
- 2月
- クラスづくりの要所
- 学級の一体感をさらに高めよう
- 仲間づくりSST
- 「卒業コラージュ」で1年間をふり返ろう
- 生活場面の指導
- アイデア清掃指導で時間短縮しよう
- 授業づくり−国語
- 「海の命」太一に影響を与えたのは誰か考えよう
- 授業づくり−理科
- 「発電と電気の利用」グループ活動では「共通する時間」を設定しよう
- 保護者対応の工夫
- クレームには慎重かつ迅速に対応しよう
- 3月
- クラスづくりの要所
- 自分や学級の成長を実感しよう
- 仲間づくりSST
- 「卒業メッセージ」でお互いの思いを伝え合おう
- 生活場面の指導
- 帰りの会で全員が笑顔で認め合おう
- 授業づくり−国語
- 「生きる」どんな言葉が入るか考えよう
- 授業づくり−算数
- 「算数卒業旅行」隠されている部分を作って関心をもたせよう
- 保護者対応の工夫
- 中学校に向けての橋渡しをしよう
- おわりに
- 参考文献/執筆者紹介
監修のことば
〜シリーズ刊行にあたって〜
UDと聞いてユニバーサルデザインの略だと答えられる教師が教育界では増えてきました。それどころか,画一的な教育の中で落ちこぼしやすい子供を前に,明日を変えるかもしれない重要な言葉だと意識する教師が多くなってきたことを実感します。かつては,バリアフリーという用語の中で,障害に対する特別な配慮,みんなと一緒にやっていくための支援といったとらえ方が強かったのですが,今やUDへの配慮はすべての子供にとっても必要な,わかりやすい授業の原点であるという考え方が浸透してきています。
私は発達障害と呼ばれる子供たちと長く付き合ってきて,この子供たちを障害というグループで囲い込むのではなく,並外れた個性を有する子供たちだと考えることの大切さを教えられました。一人一人の個性を大切にという人は多いのですが,本当に個性的な子供の個性を人間の1つの特性として理解し,そうした子供たちともとことん付き合える教師はまだまだ少ないと思います。
『私たちの教え方で学べない子には,その子の学び方で教えなさい』という言葉がありますが,特別な魔法のような教え方を見つけろ,身に付けろと言っているのではありません。学びが容易でない子供を,自分の教え方にはめ込むのではなく,子供に共通する学びのプロセスをその子供の目線から探し求めることの大切さを言っています。それが見えてきたときに,そのことが多くの子供たちの指導に役立つことに気付かされるのです。
この視線こそ,まさにUDの神髄ではないでしょうか。こうした日々の教育実践の中から,学級づくりや授業づくりを考え抜いている教師とともにこの本を世に送ります。UDは単なる結果ではなく,そのプロセスを貫く背骨だと思います。
監修者 /上野 一彦
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- 明治図書
- 6年担任のとき、とても参考になる内容だった。、2020/10/1130代・小学校教員