- まえがき
- 第1章 新学習指導要領と特別の教科 道徳
- 1 「領域」から「特別の教科」へ
- 2 目標の変更
- 3 内容構成の変更
- 4 評価の変更
- 第2章 「考え、議論する」道徳科授業の基礎基本
- 1 教材を研究する
- 2 発問を考える
- 3 板書を考える
- 4 導入や終末にひと手間かける
- 5 アクティブ・ラーニングに生かすグループ活動
- 第3章 各学年のポイントを押さえた「考え、議論する」道徳の授業づくり
- 1 低学年の授業づくり
- 2 中学年の授業づくり
- 3 高学年の授業づくり
- 第4章 多様な指導方法を生かした「考え、議論する」道徳の授業づくり
- 1 言語活動を生かした授業づくり
- 2 読み物教材の登場人物への自我関与が中心の学習の授業づくり
- 3 問題解決的な学習の授業づくり
- 4 道徳的行為に関する体験的な学習の授業づくり
- 5 情報モラルを取り扱った授業づくり
- 6 現代的な課題に関する授業づくり
- 7 家庭や地域社会と連携した授業づくり
- 第5章 評価の趣旨を踏まえた諸計画と授業づくり
- 1 道徳教育の指導体制と全体計画
- 2 道徳科の年間指導計画
- 3 道徳科授業の評価
まえがき
量的確保と質的転換。
これは、二○一八年四月から小学校で全面実施される「特別の教科 道徳」(以下、道徳科)の課題の一つです。これまでの「道徳の時間」と同様、年間三十五時間(小学校一年生は三十四時間)以上をしっかり行うことが、まずもって重要です。
加えて、今回の改訂では、道徳科授業の質の向上が必要とされました。向上させるために、質的に転換することが課題になっているのです。
質的転換とは、道徳科の指導方法などを、これまでより一層効果的なものに変えていこうというものです。そのために強調されたのが「考え、議論する道徳」という方針でした。児童が主体性を発揮しながら自律的に思考する中で、道徳的価値などについて多面的・多角的に考え話し合う授業、道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めていく授業などが求められています。
そこで、量的確保をするための具体的な取組の在り方や質的転換を図った授業づくりの方法などについて、本書の中で、丁寧に述べることとしました。
また、このたびの改訂から大きく変わったことが、二点あります。
一つは、教科書の使用です。これまで用いていた副読本ではなく、検定教科書を用いることになりました。魅力的な教材をどう読み、どのように授業に活用するのかは、今まで以上に重要な教師の取組となりました。教材研究の方法や諸計画づくりなどを中心に考えていきます。
もう一つは、評価です。児童の成長を積極的に受け止め、認め、励ますという道徳科の評価の基本的な考え方や具体的な方法、特に、授業の中での姿について明らかにしていきます。
改訂の趣旨を踏まえた取組を一層推進して、楽しい道徳科授業をともにつくっていきましょう。
二○一八年四月 /坂本 哲彦
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- 明治図書
- 指導要領解説編と合わせて読みました。本書は、解説書の解説のような役割をしてくれ、新学習指導要領において、従来通りでよいことと、指導において自分が新たにアップデートすべき考え方が何ががわかりました。2020/1/2720代・小学校教員
- 道徳科の目標の解釈を具体的な教材や授業場面を通して説明していたところが特にわかりやすかった。2018/9/240代・教委
- 内容項目の変更など、道徳の新学習指導要領の内容がよく分かった。2018/5/1460代-嘱託指導主事