- 4月
- 4月の1日1技
- 始業式当日の語りを考える
- 新年度1日目のセリフを考える
- 子どもと遊んでほめる
- 担任が時間を徹底して守る
- 厳しさを見せる
- 叱責ではなく近づいて気づかせる
- 5月
- 5月の1日1技
- 「同じか違うか」を考えながら聞かせる
- 子どもにお手伝いをお願いする
- 発表直後に発表する姿を評価する
- 運動会の作文はランキング1位を書かせる
- 6月
- 6月の1日1技
- ポジティブな議題で話し合うようにする
- 教室掲示を常にアップデートする
- 「しーん」とする時間を意図的につくる
- 放課後に行う仕事の順序を決めておく
- 7月
- 7月の1日1技
- 「名前→指示」の順に指示する
- お楽しみ会を評価する
- 2学期の授業準備を7月中に始める
- 8月
- 8月の1日1技
- 自分自身の働き方を見直す
- AI活用方法を模索する
- 2学期分の常時使用するプリント類を印刷する
- 9月
- 9月の1日1技
- 「不適切な行動」を子どもに考えさせる
- わざと間違えて指示を伝える
- すきま時間への対応を徹底する
- 全員起立させて考えさせる
- 授業終わりに全員参加できる活動を取り入れる
- 10月
- 10月の1日1技
- 間違えた問題を記録させる
- 他者意識が高まる声かけをする
- 「○○さんと同じ人?」から違う意見を聞く
- はじめからがんばっている子どもに注目する
- 11月
- 11月の1日1技
- 朝1時間目までに全員をほめる
- ICT機器を活用して表現方法を選択させる
- 子どもの好きなことを授業に取り入れる
- 机間指導でたくさん丸をつける
- 12月
- 12月の1日1技
- 挙手の呼びかけを工夫する
- 「ちょっと」という曖昧な指示を具体的に変える
- 「一緒に…しよう」と声をかける
- 1月
- 1月の1日1技
- カウントダウンカレンダーを作成する
- 自分から教科書やドリルを開きたくなる工夫をする
- 「がんばれ」ではなく「がんばっているね」と伝える
- 指示の内容をペアで確認させる
- 2月
- 2月の1日1技
- 授業の振り返りをペアで会話させる
- 教師が授業に遅れた場合に何をするのかを決めておく
- 固定観念を捨て、すべての子どもに活躍の場を与える
- 授業の進み具合をチェックする
- 3月
- 3月の1日1技
- 「できた!」という感覚で最後の単元の授業を終える
- 最後まで丁寧な対応を心がける
- 学級目標を基に1年間を振り返る
はじめに
学級経営、授業づくりに悩んでいた教員1年目。授業中「静かにしなさい」と言っても静かにならないことに悩んでいるとき、あるベテランの先生に相談しました。すると「こう言ってみたらどう?」「こんなこともできるよ」「こういう場合ならこうした方がいいかも」「授業以外のときにはこう声かけをしてみて」など「授業で静かにならない」というたった1つの場面にもかかわらず、多くのアプローチを教えてもらいました。「ああ、自分は学級経営や授業づくりに対する『引き出し』が少な過ぎるんだな」と強く感じ、それからは即実践できるような学級経営スキルや授業技術、声かけ方法などを学び、「引き出しを増やす」努力に励みました。すると、目に見えて子どもたちの行動や様子が変わっていき、学級経営も授業も安定するようになっていきました。
教員になって数年経ったある日。授業中の私語に悩んでいる若い先生に「私語している子に近づくだけでも行動は変わるかもよ」と本書でも紹介している「近づいて気づかせる」を教えました。「効果があった」と報告があったのもつかの間、すぐに「近づいても私語をやめなくなった」と聞きました。「そんなにすぐに効果がなくなるものかな…?」と不思議に思い、そのとき私自身が行っている「近づいて気づかせる」というスキルを振り返りました。すると、1つのスキルの中には、今の学級の状況や目の前の子どもたち、学級の目標などに沿った、ただ「近づく」だけではない細かいアプローチ方法や思いをもったうえで実践していることに気づきました。若い先生に「近づいたら私語が止まるよ」とスキルの表面しか教えず、スキルの意図、本質を伝えていなかったことを実感しました。
本書は私が学級経営や授業づくりにおいて大切にしている実践を「1日1技」として紹介しています。先ほど述べたように、学んだスキルをただ真似るのではなく、一つひとつの技の意図や本質を理解したうえで実践することが非常に大切です。それらの技の意図や本質を可能な限り具体的に言語化してまとめました。「引き出しを増やす」こと。そして「それぞれの技の本質を理解する」こと。教師をするうえで非常に重要なこの2つを学べるよう執筆いたしました。
学級経営、授業づくりにお悩みの先生方の一助となれば幸いです。
2025年2月 /サンバ先生
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- 明治図書
- 具体的に書いてありよかったです。2025/3/2030代・小学校教員