自己の成長を自覚する子ども
―非認知的能力に着目した教師支援―

自己の成長を自覚する子ども―非認知的能力に着目した教師支援―

「非認知的能力」に着目した問題解決学習の10の事例を収録

生活教育の理念を実現するため、生活に生きてはたらく力を養う問題解決学習を展開する愛知教育大学附属岡崎小学校の「非認知的能力」に着目した教師支援の具体をわかりやすくまとめ、「学びに向かう力・人間性等」を育成する視点でも参考となる理論と実践事例を紹介。


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ISBN:
978-4-18-261621-1
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年5月7日

目次

もくじの詳細表示

はじめに
愛知教育大学附属岡崎小学校の教育
本書で活用する用語の解説
第T章 自己の成長を自覚する子どもを求めて
第1節 求める子どもを導く
1 生活教育で育まれる資質・能力から
2 時代に必要な資質・能力から
3 求める子どもの姿
第2節 わたしたちが考える「非認知的能力」
1 「やり抜く力」と「人とかかわる力」の視点で子どもをとらえる
2 問題解決学習の過程で「非認知的能力」が表れやすい場面
3 「非認知的能力」に着目した教師支援
第U章 子どもが自己の成長を自覚する授業の構想と展開
第1節 目の前の子どもの姿をもとに,単元を構想する
1 優子をとらえ,願いをかける
2 教材を模索・選定する
3 単元を構想する
第2節 子どもが自己の成長を自覚する授業の展開
1 歩く速さの個人差を解決して,子ども向けの所要時間をはっきりさせたいと考える優子【問いを生む場面】
2 仲間の方法に目を向けて,より正確な所要時間を追究する優子【追究を見直す場面】
3 目的に応じた最適な所要時間を求めて,自己の成長を自覚する優子【核心に迫る場面から学びを振り返る場面】
第V章 各教科・くすのき学習の実践
国語科(4年)
何がある?なみだあふれる視線の先に ―『クマと少年』あべ弘士・作・絵―
社会科(5年)
手を取り合って 未来に豊かな森林を届けたい ―額田の森を守る人々―
算数科(6年)
そのまま大きくかきたいな ようこそ附属岡崎小学校 ―図形の拡大と縮小―
理科(3年)
豆電球の明るさを調整して 星座を再現するよ 附属小プラネタリウム
音楽科(1年)
音で ひょうげんするよ ゆうえんちの お気に入りの のりもの―ウォッシュボードを使った音楽づくり―
図画工作科(2年)
わくわく ぽんぽん 夜空に光れ はくりょくまんてんの花火!―スタンピングによる花火づくり―
家庭科(5年)
心ほかほか 家族で団らん わが家の年中行事
体育科(2年)
どすこい大玉 横綱めざせ ふぞく場所
英語科(6年)
外国の人とチームワークを高めてお宝ゲット!Let’s enjoy sports tag!
くすのき学習(2年)
二七市 大すき もりあげたい! とれたてやさいの ふぞくっ子店
子どもが自己の成長を自覚できるようにするための教師支援@
第W章 各教科・くすのき学習 単元構想図
子どもが自己の成長を自覚できるようにするための教師支援A
おわりに
愛知教育大学附属岡崎小学校の研究のあゆみ
研究同人

はじめに

 令和4年4月。わたしは8年ぶりの本校勤務を命じられ,再び正門を通りました。あのときと同じ校舎,給食通り,運動場,くすのきアリーナ(体育館),そして天高く枝葉を広げるくすのき。きっと,故郷に帰ったときに感じる懐かしさとは,こういう気持ちなのかと感じたことを,昨日のことのように覚えています。と同時に,8年間という長い年月の経過と新型コロナウイルス感染症のまん延が,今,本校で過ごす教員の意識,とりわけ研究に対する向き合い方にどう影響しているのか,気になりました。

 平成31年4月より施行された働き方改革関連法により,働き方が従来から大きく変わりました。いわゆる「一億総活躍社会」をめざし,個々の事情に合わせた多様な働き方ができる環境を整備する必要性が求められました。わたしたち教員に対しては,勤務時間外の在校時間,業務拡大,余儀なく離職する教員といった様々な諸課題の解決も含め,多忙化解消が急務と言われるようになりました。

 そうした風潮のなかでも,決して忘れてはならないことは,多忙化解消の目的が「質の高い教育を持続的に行っていくこと」である,ということです。つまり,教員は,どんな時代でも学びつづけなければならないということです。わたしはあるとき,本校の教員に「研究をやるべきところだよ,ここは」とはっきりと語りました。すると,すべての教員が鋭いまなざしとともにしっかりとうなずいてくれました。こうした研究に対する高い意識をもった本校の教員が一丸となって全力でつくりあげたのが,今回の出版図書となります。「非認知的能力」に着目した問題解決学習の展開を,教師支援のあり方を中心に論述しました。目の前の子どもの健やかな成長を願うすべての先生方の参考になれば何よりですが,もとより微力です。厳しいご叱正をいただければと思います。

 末筆ながら,わたしたちの研究に対し,真摯にかつていねいに御指導をいただきました,生活教育研究協議会における助言者・司会者の皆様,授業研究会で講師をお勤めいただきました皆様,愛知県並びに市町村教育委員会,愛知教育大学の多くの先生方,研究会員の皆様,そして諸先輩方に,衷心より御礼を申し上げます。

 令和5年7月。1年生のある子どもが,短冊に「すてきなおとなになれますように」と願いを書きました。こんな素敵な子どもたちのために,わたしたちはこれからも「はじめに子どもありき」の教育をますます強く推進していくことをお誓い申し上げます。


  令和5年11月   愛知教育大学附属岡崎小学校 校長 /大槻 真哉

著者紹介

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※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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