- はじめに
- 第1章 学年主任の仕事で最も大切なことは?
- 01 子どもの成長を願う学年団チームに
- 02 学年団のメンバーの成長
- 03 学年主任は職員室の人間関係の中心
- 第2章 学年主任に必要な10のマインドセット
- 01 チームとは何か?
- 02 そろえる?そろえない?
- 03 しなやかマインドセット
- 04 「優しい」学年主任とは?
- 05 学年メンバーを比較せず捉える
- 06 前年度を参考にするなら「ゼロベース」から
- 07 人生の主役は仕事?
- 08 自分の時間を大切に
- 09 助けてもらったらいい 巻き込んだらいい
- 10 完璧な人間関係なんてない
- 第3章 学年をチームに変える13の仕組み
- 01 その学年団らしい学年会を
- 02 学年会を開くにあたって
- 03 子どもを交えて
- 04 大きな行事を任せる
- 05 学級の様子・学級経営について交流する
- 06 学年通信を発行する
- 07 教室という壁を取り払う
- 08 職員室の環境づくり
- 09 自分以外の先生の全体指導
- 10 一緒にしない
- 11 学年団全員が柔軟性をもって
- 12 メンバーの魅力を発信する
- 13 メンバーの構成から自分が活きるポジションをとる
- 第4章 学年主任の人間関係構築術
- 対若手、ベテラン共通編
- 01 自分にとって苦手な人との関わり方
- 02 関わり方がわからない場合
- 03 早く学年団をチームにしたいのだけれど…
- 04 LINE等での仕事に関する連絡について
- 05 遅くまで残業をするメンバーに
- 06 忙しさと人間関係
- 07 昨年、しんどかった先生と組んでいます
- 対若手編
- 08 若手の先生との関わり方の基本
- 09 若手に伝えていくことは
- 10 モチベーションの違う二人の若手
- 対ベテラン編
- 11 ベテランとの関わり方の基本
- 12 自分の意見に従わせたがる先生
- 13 マイペースな先生
- 対管理職編
- 14 管理職との関わり方の基本
- 15 管理職からのストップを減らしたい
- 16 管理職とともに保護者対応をする
- 対保護者編
- 17 保護者との繋がり方の基本
- 18 関わり方が難しい保護者との繋がり方
- 19 保護者を巻き込む
- 対その他の教職員編
- 20 その他の教職員との関わり方
- おわりに
- 参考文献一覧
はじめに
「学年主任の仕事に関する本を書いていただきたい。学年団を中心に、人間関係にスポットを当てたものでお願いします」が依頼された内容でした。「書いてみようか」と執筆することを決め、まず、これまでの自分や学年団をふりかえってみました。すると、初任校の先輩が言っていた言葉を真っ先に思い出しました。
「学級がしんどくなっても、信頼できる学年団なら、頑張れる。でも、学年団がしんどかったら、そもそも仕事が嫌になるで」
時は流れて、そこそこの経験年数を重ねてきましたが、今でも「本当にその通りだな」と心の底から思います。実際、お互いに足を引っ張り合う、罵り合うといった人間関係がうまくいかない学年団を見たことがあります…。その一方で、お互いに協力し合える、高め合える学年団もたくさん見てきました。幸いにも、若い頃の私は後者の学年団を多く経験してきました。どのような学年主任のもとで働いていたかというと…、
・前例よりも何よりも、子どものためかを問い続ける学年主任
・学校以外の世界を見るように教えてくださった学年主任
・プライベートの充実がよりよい働き方を生み出すといつも定時退勤だった学年主任
・「授業で子どもを鍛えろ」とたくさんの授業を見せてくださった学年主任
・授業も、生活指導も、保護者対応も…何でも共に考えてくださった学年主任
これらは一例を紹介しています。スペースの都合上、紹介できなかった方も含めて、どなたも素敵な学年主任でした。そして、素敵な学年団でした。今にして思えば、自分の特徴を発揮するとともに、当時の学年主任が人間関係を考慮しながら、学年の運営をしてくれていたのだと思います。
はじめまして。私は、現在、大阪市で教員をしております佐野陽平と申します。少しだけ私の話をさせていただくと、これまで2年生以外の担任経験があります(2年生も、いつか担任してみたいなぁ)。「子どもが力をつけていれば、方法なんて何でもいい。良い加減ないい加減で頑張っていこう」をモットーに働いてきました。このモットーから、何となく私のキャラクターを想像していただければと思います(笑)。
さて、この本に関心をもたれた方は、初めて学年主任になられた方や学年主任を経験された方、あるいは、「そろそろ学年主任になるんじゃないかな?」と思われている方ではないかと思います。さらには、学年主任という立場に、何かしらの不安や悩みを抱えておられる方かもしれません。例えば、
・そもそも若手やベテランの先生と、どう関わればいいの…。
・頼りにされても困るな…。
・他の学級のフォローもしなきゃ…。
・若手の先生にいろいろと教えないと…。
・私よりもふさわしいベテランの先生がいるのに…。
・管理職や保護者とも、うまくやらないと…。
などでしょうか?とてもよくわかります。きっとあなたは責任感のある学年主任なのでしょう。同時に、あなたの責任感が大きいほど不安や悩みは大きいのかもしれません。
そこで 本書は、人間関係づくりを中心に、学年主任としてどのように働くかを述べていきます。第1章では、学年主任にとって大切なことについて、 第2章では、学年主任に必要なマインドセットについて書いています。何を大切にしていくか、あるいは、どのように考えると心にゆとりがもてるか、のヒントになればと思います。第3章では、実際にどのような仕組みを学年団に築いていくとよいのかをまとめています。最後の第4章では、よくある学年主任の悩みに対して、Q&Aの形式で書いています。第3章以降は、具体的な場面を思い描きやすいようにまとめていますので、各校や各学年団の実態に応じて参考にしていただければと思います。
このような本書が、素敵な学年団をつくり、子どもたちへのよりよい指導への一助となれば幸いです。手に取っていただき、誠にありがとうございます。
2023年12月 /佐野 陽平
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- 明治図書
- 学年主任として、必要な人間関係の構築方法を具体的に解説した一冊です。この本では、学年団のメンバー全員が主体的に活動し、協力し合うための実践的なアプローチが紹介されています。特に、コミュニケーションの重要性や信頼関係の築き方についてすごく勉強になりました。学年主任としてのスキル向上だけでなく、職員室の雰囲気をよくするための具体的な方法を学ぶことができます。2024/5/3140代・小学校教員
- 学年主任についての書籍は数少ないので、助かりました。2024/5/630代・高校教員
- 学年主任としてどのようなマインドを持っていることが大切なのかが、非常にわかりやすく書かれています。2024/3/2740代・小学校教員
- 学年主任としてあるべき姿を具体的に学ぶことができました。2024/3/2630代・小学校教員