- はじめに
- 中学1年担任として大切にしたい6つのこと
- 中学1年の学級づくり
- 1年間の見通し
- 中学1年の年間スケジュール
- 春休み
- 新年度準備 やることリスト
- 1学期
- 新年度1日目
- タイムテーブル
- 黒板メッセージ
- 教室トーク「仲間を気にする雰囲気を!」
- 入学式
- 学級活動
- 新年度2日目
- タイムテーブル
- 校内見学
- 新年度3日目
- タイムテーブル
- 学級活動
- 新入生歓迎会
- 教室トーク「先輩の姿を目に焼きつけよう!」
- 校歌練習
- 振り返り
- 学級組織づくり
- 教室トーク「ファーストペンギン」
- 学級目標づくり
- 委員会・係決め
- 環境づくり
- 教室環境
- 1人1台端末
- 学校HP・学級通信
- 朝の会・帰りの会
- 教室トーク「相手を意識して話を聴こう!」
- 朝の会・帰りの会のシステム
- 給食
- 教室トーク「全員安心して給食を楽しむために」
- 給食のシステム
- 掃除
- 教室トーク「掃除はなんのため,だれのために?」
- 教室掃除のシステム
- 特別教室掃除のシステム
- 部活動
- 教室トーク「どうして部活動に入部するの?」
- 学級活動
- 授業の受け方
- 教室トーク「学習のルールを自分たちでつくろう!」
- 学級活動
- 中間テスト
- 教室トーク「みんなでテストに向かっていこう!」
- テスト計画づくり
- 事前指導
- 席替え
- 教室トーク「席替えをするのはなんのため?」
- 席替えのシステム
- 期末テスト
- 中間テストの振り返りを生かした対策
- テストに向けた学級の雰囲気づくり
- 通知表
- 教室トーク「結果よりも大切にしたいもの」
- 所見文例
- 終業式
- 教室トーク「何よりも命を大切に」
- 学級活動
- 2学期
- 始業式
- 教室トーク「自分たちでつくり上げる学期にしよう!」
- 学級活動
- 学級組織づくり
- 教室トーク「学級目標達成に向けて加速しよう!」
- 学級活動
- 体育祭
- 準備・練習
- 教室トーク「体育祭の目的とは?」
- 振り返り・事後指導
- 生徒会役員選挙
- 教室トーク「一人ひとりが生徒会の一員」
- 学級活動
- 合唱コンクール
- 学級集団形成
- 準備・練習
- 教室トーク「なんのために歌うのだろう?」
- 振り返り・事後指導
- 個人面談
- 教室トーク「よい手立てを一緒に考えよう!」
- 個人面談
- 通知表
- 教室トーク「所見は先生からの愛情のメッセージ」
- 所見文例
- 終業式
- 教室トーク「はじめて尽くしを乗り越えて」
- 3学期
- 始業式
- 教室トーク「1年生の締め括り,そして2年生0学期」
- 学年末テスト
- 教室トーク「有終の美を飾ろう!」
- 家庭学習・事後指導
- 進路学習
- 教室トーク「2年先を見据え,自分を知ろう!」
- 学級活動
- 卒業生を送る会
- 教室トーク「感謝を伝え,伝統や文化を引き継ごう!」
- 学級活動
- 学級納め
- 教室トーク「この仲間とだからこそ成長できた!」
- 学級解散式
- 通知表
- 教室トーク「道徳って,何をどう評価するの?」
- 所見文例
- 修了式
- 教室トーク「自信と清々しさを胸に」
- 学級活動
はじめに
私が大学の教育学部で教えている学生たちは,ほとんどが教員を目指しています。彼らと話をすると,「よい学級をつくりたい」という強い気持ちとともに,「学級が崩壊したらどうしよう」という不安を抱えていることがわかります。実際に教師をしている先輩からは,「授業づくりよりも学級づくりの方が難しい」という声をよく耳にするそうです。
私は,授業の指導助言のために多くの学校を訪問しています。そのとき,教室に足を踏み入れた瞬間に,その学級の状況を直感的に感じ取ることがあります。教師と生徒の関係が良好で,学級ルールがしっかりと確立されているかどうかは,短時間で把握できるものです。そして,時には「このままでは学級が成り立たなくなるのではないか」と心配になるような学級に出会うことがあります。
学級崩壊の原因は多岐にわたりますが,共通して指摘できるのは,担任教師の学級づくりに対する認識の不足です。基礎や基本を学ばず,計画性をもたないまま学級運営を行っている教師がいると感じます。
現在,文部科学省の主導でGIGAスクール構想が進み,1人1台の情報端末を活用した授業づくりが求められるようになりました。特に,生徒個々が情報端末に自分の考えを入力し,互いにそれらを読み合い,学び合うことは,1人1台情報端末活用の好例だと言われています。こうしたことは,当然ですが,崩壊している学級ではできません。生徒間の人間関係がよく,安定した学級であってこそ実現できることです。よりよい学級づくりが,ますます求められるようになってきています。
この『中学1年の学級づくり 365日のアイデア事典』には,よりよい学級づくりに必要な基礎・基本が網羅されています。
新任教師でも,ベテラン教師でも,安定した学級にするためには,年度はじめの学級づくりは特に重要です。例えば「早期に日直,当番,給食,清掃のシステムを確立し,それが1か月で学級に定着すれば,残り11か月は心配無用!」と言う教師もいます。この点を意識し,本書の冒頭から約80ページ,つまり全体の半分を使って,新たな学級を安定させるために役立つ様々なアイデアを紹介しています。
また,熟練した教師が長年の経験に基づいて,新任教師でも理解しやすいように,具体的な指導アイデアを提供しています。特に新年度の最初の3日間のタイムテーブル,学級活動,教室でのトークについては,よい学級づくりのスタートに,大いに参考になるでしょう。
さらに,各学期の活動や行事を踏まえて,教室でのコミュニケーションや学級活動の例を豊富に示し,教師が指導のポイントを見失うことがないように工夫されています。通知表の所見文例を含め,学期ごとの具体的なアドバイスも掲載しており,まさに「365日のアイデア事典」となっています。
今回の企画・編集をしていただいた明治図書出版の矢口郁雄さんには,これまでも数多くの拙著を世に出していただいています。この本も,矢口さんのおかげでとても読みやすく,使いやすい本になりました。大いに自信をもって皆様におすすめできる,365日活用できる学級づくり本です。
2024年2月 /玉置 崇
購入しました。