くろぺん先生とっておきの言葉かけ
この発言ここ一番の切り返し

くろぺん先生とっておきの言葉かけこの発言ここ一番の切り返し

近日刊行予定

教師の叱責がいらない、子どもが自分で考えるようになる言葉かけ

子どもから「この方が楽」「急いでるし…」と望ましくない発言があった時に諭す声かけ。頭ごなしに注意するのではなく心情受容・部分承認・視点発問・思考転換・行動提案・信頼言葉を意識して会話を紡ぐことで子どもが自ら行動を改めていくようになる対話的切り返し術。


紙版価格: 2,090円(税込)

送料・代引手数料無料

電子版予価: 1,881円(税込)

3/4刊行予定

ISBN:
978-4-18-248722-4
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
近日刊行
出荷:
2026年2月13日

CONTENTS

もくじの詳細表示

はじめに
本書の使い方
第1章 「対話的切り返し」の理論的背景
01 「対話的切り返し」―言葉かけ―の理論的背景
02 「対話的切り返し」―言葉かけ―を行う時の留意点
第2章 教室の「安心・安全」にかかわる言葉かけ
01 話を聞く姿勢の悪い子へ 「その姿勢で今から写真を撮ってもいいかな?」
02 正しく椅子に座れない子へ 「それがあなたのいつもの座り方?」
03 廊下を走る子へ 「命よりも大事な用事はありません」
04 言葉遣いが悪い子へ 「録音するからもう一度同じ言葉を言ってごらん」
05 友達への注意の仕方がキツイ子へ 「もしシャワーだったら,強すぎて痛いなぁ」
06 やり返していいと思っている子へ 「他の方法を一緒に考えない?」
07 トラブルの解決が下手な子へ 「仲直りには正しい順番があるんだよ」
08 陰口を言う子へ 「聞いている人は必ずいますよ」
09 通学団トラブルの多い子へ 「体の安全だけではダメなんだよね」
10 リーダーや代表に選ばれたのにやる気のない子へ 「あなた次第でチームの力が決まるよ」
11 教室に生き物を持ち込んでくる子へ 「今あなたが持ってきたのは,物ではなく命ですよ」
第3章 教室の「ルール」にかかわる言葉かけ
12 チャイム前着席ができない子へ 「君がいないと授業が始められないんだ」
13 授業中おしゃべりをする子へ 「緊急事態発生?」
14 授業中トイレに行く子へ 「昨日と同じ時間にトイレに行きましたか?」
15 発言する子の方を向いて聞けない子へ 「君もあの子に勇気を分けてあげて」
16 すぐ先生に質問しにくる子へ 「まずは自分や友達と答え合わせをしてみたら?」
17 すぐに席替えしたいと言う子へ 「授業の中でなら,いつでも,いくらでも!」
18 運動場で砂いじりをする子へ 「何しにここに来たんだっけ?」
19 タブレットの使い方が悪い子へ 「あぁ,君も操られてしまったか…」
20 道幅いっぱいに広がる子へ 「一旦止まって」
21 式や集会の参加態度が悪い子へ 「さっき君は,チームの一員でいられたかな?」
22 お金のトラブルが多い子へ 「お金って誰のものだと思う?」
23 かかとを踏んでいる子へ 「命を踏みつぶして平気な子になってほしくないな」
第4章 教室の「整理整頓」にかかわる言葉かけ
24 靴をそろえられない子へ 「そろえているのは,心だよ」
25 ごみをまたぐ,拾わない子へ 「その先に私たちが見たい景色があるよ」
26 落とし物や失くし物が多い子へ 「今日は物にあいさつをしましたか?」
27 物に名前を書かない子へ 「本当に? この子の帰るおうちがないよ」
28 机に落書きをする子へ 「その机を見たら悲しむ人がいないかな?」
29 机と椅子をそろえられない子へ 「今日は落ち着いていないみたいだけれど,大丈夫?」
30 机の上に物を置いたまま移動する子へ 「まずは机の中を見てもいいかな?」
31 机の中が汚い子へ 「ドラえもんテスト,してもいい?」
32 服装が乱れている子へ 「あっ,君の服が何かしゃべっているよ」
33 忘れ物を繰り返す子へ 「落ち込んで終わらないで,次を考えよう」
第5章 学校の「生活習慣」にかかわる言葉かけ
34 あいさつができない子へ 「大事だとは思っている?」
35 気を付けの姿勢ができない子へ 「ほら,あの子の姿勢が気を付けだよ」
36 ハンカチで手を拭かない子へ 「その手で給食を食べてほしくないな」
37 指示されたことしかできない子へ 「自分の頭は,自分で動かすんだよ」
38 野次馬根性が働く子へ 「君はどのタイプかな?」
39 行事にやる気のない子へ 「まだ味わったことのない体験があるよ」
40 必要以上に緊張している子へ 「この後どうなる?ってワクワクしてみよう」
41 敬語が使えない子へ 「人によってプレゼントする言葉が違うんだよ」
42 歌を真剣に歌わない子へ 「まだ知らない歌の楽しさがあるかもしれないよ?」
43 給食中の食事マナーが悪い子へ 「もし好きな子が隣にいても,同じ食べ方をする?」
44 体調管理が苦手な子へ 「自分の体調のこと,説明できるようになりたいね」
第6章 子どもの「学習」にかかわる言葉かけ
45 テストの点数に一喜一憂する子へ 「点数だけ見ていると,賢くなるチャンスを逃すよ」
46 感想や振り返りを1行で提出する子へ 「もったいないな。もっと潜ったら面白いのに」
47 ノートの使い方が悪い子へ 「そのノートは本棚に入れても恥ずかしくないかな?」
48 勉強が嫌いな子へ 「どうして勉強するのか,一緒に考えようか?」
49 先生によって授業態度を変える子へ 「楽しい授業を先生に求めているうちは,楽しくならないよ」
50 挙手をしたのに当ててくれないと文句を言う子へ 「言いたい気持ちで溢れているのはすごいね」
51 ペアやグループになるのが苦手な子へ 「まずはこの子(ぬいぐるみ)とペアになってみる?」
52 挙手や発言ができない子へ 「無理しなくていいよ。でも,参加はしてね」
53 授業の事前準備ができない子へ 「あれ,このままだとバスに乗り遅れそうだよ!」
54 ペースがゆっくりの子へ 「次のバス停までには間に合ってね」
55 自習に集中できない子へ 「そんな時こそ本当に自分のためになる学習時間だよ」
おわりに

はじめに

 「切り返し」と聞いて,みなさんはどんな言葉のキャッチボールを思い浮かべますか? 思い浮かべてから続きをお読みください。


 私は「切り返し」という言葉に対して,どうしても次の2つのイメージが浮かび,違和感をもってしまいます。

 1つ目は,「瞬発的に切り返さないといけない」というイメージです。「切り返し」をテーマにした本の中には,「5秒で切り返さないと遅い」と謳っている本もあります。確かに,子どもに贈るべき言葉を早く届けることは大切かもしれません。しかし,教師も子どもも,「切り返し」に対してもっと心に余裕をもつべきではないでしょうか。教師は切り返す素早さに価値を置くのではなく,切り返す言葉に価値を置いて実践したいです。私は目の前の子どもには,自分が話したいことだけを一方的に先生へ話す自己満足よりも,一度立ち止まり,先生と一緒に考える楽しみを見出してほしいと願います。

 2つ目は,「子どもの発言を否定している」というイメージです。これはきっと,「切り返し」の「切る」という言葉に「否定する」という意味を連想させられるからだと思います。しかも「返す」前に「切る」のです。「切り返し」は本来,教師と子どもとの日常的なコミュニケーションを促進させる教育的営みです。その営みが最大限発揮されるよう,子どもの発言を尊重しながら言葉を返すようにしたいです。

 以上のような違和感をもつ読者の方も,多いのではないでしょうか。

 そこで本書では,これまで「切り返し」と聞いて浮かんでしまっていたイメージによる違和感を払拭するために,「対話的切り返し」を提案します。前著『くろぺん先生とっておきの局面語り 叱るよりここ一番で効くお話』では,教師が出合う学級経営上の局面に合わせて臨機応変に繰り出される「局面語り」を紹介しました。「局面語り」が全体へのアプローチであるのに対して,「対話的切り返し」は,個人へのアプローチとなります。本書で紹介する事例は,子どもとの一対一の対話を試みながら,丁寧に言葉を切り返しています。姿勢の悪い子が「この方が楽」と発言してきたらこんな対話をしながらこの切り返し,廊下を走る子が「急いでいたから…」と発言してきたらこんな対話をしながらこの切り返し,…といった具合に。

 「対話的切り返し」の局面は,前著で紹介した55の局面に合わせて紹介しています。前著とセットで本書を読んでいただけますと,同じ局面においての全体への語りと個への切り返しのどちらも学べるようになっています。前著を読んだことがある方にとっては,さらに視野の広がる1冊になることでしょう。一方,本書から読んだ方は,ぜひ前著も読んでみてください。どんな教育実践も,全体と個人をセットにしてアプローチすることで,子どもたちが変わっていきます。

 これまで私は10年以上積み重ねてきた「語り」の実践についての本を多く書いてきました。そんな私も,「語り」だけで目の前の子どもたちにアプローチしてきたわけではありません。本書で紹介する「対話的切り返し」は,言語化されてこなかった私の個人へのアプローチの実践の積み重ねを,私の経験と先行研究を織り交ぜながら言語化した再現性の高い実践です。

 様々な局面で「対話的切り返し」ができる教師は,子どもたちにとっても信頼のおける教師となることでしょう。本書のぺージをめくる度に「この局面,自分だったらどう切り返すか」を考え,現場に生かしてみてください。臨機応変に対話を試みて切り返す力を,本書を相棒に鍛えていきませんか?

 まずは次ページの本書の使い方からご覧ください。


   著者 /小木曽 弘尚(くろぺん)

著者紹介

小木曽 弘尚(おぎそ ひろなお)著書を検索»

1990年愛知県生まれ。公立小学校教諭。教職11年目。勤務校では今年度,高学年の学年主任をしながら,特別活動主任や情報主任として務めている。子どもに語る説話づくりの実践を10年以上続けている。Xでは「くろぺん先生」として,学級経営の考え方や実践などを発信している。教育サークル「Totteoki」代表。日本学級経営学会所属。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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