- はじめに
- 第1章 「ほめる」「叱る」そして「認める」が指導の極意
- 「ほめる」「叱る」「認める」のバランス
- 「ほめる」と「認める」の違い
- 「ほめる」「叱る」「認める」の「前提」
- 第2章 子どもを伸ばす「ほめる」ポイント
- ほめることには意味がある
- 何をしたらよいか示すためにほめる
- ほめ上手は短く強くほめる
- ゼロスタートで子どもを見る
- 段階的に「ほめ基準」を提示する
- ほめて暗示をかける
- 言いがかりをつけるようにほめる
- 幻をほめる
- 「〇〇さんをほめる日」と心に決める
- 嵐のようにほめる「ほめほめタイム!」を行う
- ほめられても伸びないクラスを省みる
- ほめる習慣をつくる
- 子ども同士でほめあう
- 伝聞でほめる
- 「ほめる」のには順序がある
- ほめるために「一度あきらめる」
- 「ほめる」ことには上下関係がある
- ほめる機会はだんだん減らす
- 強烈な「ほめ」には影がある
- 多様な「ほめ」で多様性を引き出す
- ほめる価値を多様化させる
- ほめることで教師の姿勢をつくる
- 苦手さのある「あの子」は上手にほめて伸ばす
- 「ほめること」は結局「支配」につながる
- 第3章 子どもが変わる「叱る」ルール
- 副作用を理解し、それでも叱る
- 叱る意味を考える
- 原則を決めて叱る
- 「怒る」と「叱る」の違いを知る
- 軽重をつけて「叱る」
- 表情を消す
- 短く叱ってしっとり諭す
- 選択肢を提示する
- 教え諭す
- 「叱られた」を演出する
- 7割主義で「叱る」ことをスルーする
- 叱る前に事実関係をはっきりさせる
- 期待していることを伝えるために叱る
- 総意を問うて叱る
- 一晩「叱る」ことを寝かしてみる
- 「叱る」ことを一回やめてみる
- できないことは叱らない
- デタラメな言葉で明るく叱ってみる
- 集団のために叱る
- それでもなお、一喝することを躊躇しない
- 荒れたクラスは、その指導を考え、それでもなお叱る
- 苦手さのある「あの子」を叱る
- 「指導死」について考える
- 第4章 子どものあるがままを「認める」心得
- 「認める」ことで生きる力を支える
- ほめることの限界を知る
- 「認める」ということを逆説的に考える
- 認めて安心させる
- あるものをほめる
- 「待つ・見守る・関わる」姿勢を心がける
- 見て、聞いて、気にかける
- 独り言のようにつぶやく
- 失敗や過程を認める
- 子どもに「ありのままの君が好き」と言う
- 子どもの心の「揺れ」を見守る
- 「ありがとう」と言う
- 頼りにする
- 認めて信頼を得る
- 苦手さのある「あの子」こそ認める
- 頑張りすぎてはいけない
はじめに
「ほめる」「叱る」そして、「認める」
この三つの関わりで子どもたちは、安心し、適切に伸びていく。
20数年教壇に立ち、何千もの子どもたちに真摯に関わり続けた今、実感しています。
本書では、子どもたちを愛し、大切にしている先生方の思いが、行為や技術となって伝わるようにと書き始めました。
教師の子どもへの言葉がけは、多くの場合「ほめる」ことと「叱る」ことに集約されています。
若い先生だけでなく、ベテランの先生まで「何をどのようにほめ、どのように叱ればいいのか」に頭を悩ませているようです。
私自身は、教育行為の全ては「技術」だととらえています。
「技術」は方法が分かり、コツを掴めば誰でも習得することができるものです。
しかし、その「技術」の裏には、その人の教育観や子どもに対する見方や考え方が実は隠されています。
この本では、どのようにほめ、叱るかだけでなく、その裏側にある教育観や子どもに対する見方、考え方も同時に示しました。
自分の教育観などに照らし合わせながら読んでいただければ幸いです。
この本のタイトルは『「ほめる」ポイント「叱る」ルール あるがままを「認める」心得』です。
認めること―そもそも人間が育ち生きていく根っこには「認められる」経験が必要不可欠だと考えています。
本書では、「ほめること」「叱ること」のベースになる「認めること」について、例を挙げながら論を述べさせていただきました。
子どもたちの顔を思い浮かべながら読んでいただき、少しでも先生方、いやその目の前にいる子どもたちの幸せにつながることを望んでいます。
著者 /南 惠介
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