- 序文(解説)
- T 国語
- 中学校1年
- 意図的に色チョークを使おう
- 中学校3年 読み取り
- ラベルトークの手法を生かす
- 中学校3年 読み取り
- PCS(パネル・チャット・システム)方式
- 小学校全学年
- 言葉の「交通整理」をしよう
- 小学校全学年
- 図解の技術を利用した板書法で理解度アップ
- 小学校高学年
- 児童の顔写真を使った討論の板書
- 小学校6年
- 「討論」をするならこの板書 その1
- 小学校6年「森へ」
- 文節を区切って板書する
- 小学校6年「生きる」「やまなし」
- 拡大コピーで全文コピー 〜色マジックを使おう
- 小学校5年「大造じいさんとガン」
- 残雪が飛んでいったコースは?
- 小学校5年
- 「討論」をするならこの板書 その2
- 小学校5年「ちかい」
- 中心人物像を視覚的に捉える
- 小学校4年「新聞の比べ読み」
- 違いの明確化から「はてな?」追究へ その1
- 小学校4年「アップとルーズで伝える」
- 対立意見を板書に位置づける
- 小学校4年「白いぼうし」
- 100以上の意見を1時間で分類する方法
- 小学校4年「白いぼうし」
- 拡大コピーで全文コピー 〜教材文を丸ごと打ち直そう
- 小学校3年 書写
- 子どもの課題意識が持続する板書法 〜毛筆指導4つのポイント
- 小学校3年
- 文作りの成果を確認できる板書の工夫
- 小学校2年
- 読み取りを助ける手だて
- 小学校2年「たんぽぽ」
- じゅんじょに気をつけて読もう 〜低学年の板書は視覚に訴え,順序がわかるように!
- 小学校1年
- 視写の力をつける板書の工夫
- 小学校1年「けんかした山」
- 枠囲みを使った板書でノートを構造化する
- U 社会
- 全般
- 名人に学ぶ板書@ 〜具体物を位置づけた板書
- 全般
- 名人に学ぶ板書A 〜「資料」や「絵」「図」を位置づけた板書
- 全般
- 名人に学ぶ板書B 〜構造化された板書
- 中学校
- どこでも使える教科書の予習法(9ブロック)
- 中学校 鎖国下の対外関係
- 全体を見渡して整理する板書
- 中学校
- なぜ,板書をするのか?
- 中学校
- 思考力を高める3点セット 〜板書・ノート・ワークシート
- 中学校
- 板書の約束事
- 中学校
- 板書略地図の活用
- 中学校「地域による農業の違い」(中国)
- スライドショーの活用
- 小学校全学年
- 「資料」を貼るならここだ!
- 小学校全学年
- 大判用紙に板書記録 〜何回も利用する
- 小学校高学年 地域行政
- 「学習の要点整理」と「子どもの追究成果」でつくる板書
- 小学校6年「孫基偵選手と韓国併合」
- 紙板書を効果的に活用
- 小学校6年
- 板書の消し方 10パターン
- 小学校6年
- 黒板は思考の戦場だ!
- 小学校6年 第二次世界大戦
- 黒板に子どもたちの板書を!
- 小学校6年
- 中心資料は真ん中にド〜ン!
- 小学校5年「すみよいくらしと環境」
- 授業の構成を意識して板書する
- 小学校5年「工業生産と工業地域」
- 子どもが目を輝かせる資料を活用した板書
- 小学校5年
- 魚がたくさんとれる養しょく場は?
- 小学校4年「伝統工業のさかんなまち」
- 数値提示の仕方を一工夫
- 小学校4年「伝統工業のさかんなまち」
- 見せたい部分をマスキングして提示
- 小学校4年「くらしと水―水の飲み比べ―」
- 自分の言葉での表現を大事に板書
- 小学校4年「くらしと水―浄水場のしくみ―」
- 並べ替えで思考を活性化
- 小学校4年「くらしとごみ―家のごみ調べの導入―」
- 教科書資料を加工して活用
- 小学校4年
- 似顔絵とフキダシでまとめる「○○の人の話」
- 小学校3年「農家のしごと」
- 違いの明確化から「はてな?」追究へ その2
- 小学校3年
- 視覚に訴える板書の工夫
- 小学校3年
- 市の航空写真を使った板書の工夫
- あとがき
序文(解説)
「板書をしない授業があるだろうか?」という疑問から,「授業力の開発」シリーズのbTとbUを同時に発刊することにした。といっても,100本以上の原稿が集まるなんて予想していなかった。
「板書をしない授業はあり得ない」と考えられたのであろうし,書かれた方々は,全員「板書がいかに大切か」ということを知っていると思った。
bSまでと同じように,古川光弘氏がメーリングリストを通して呼びかけ,それに応じて原稿を書いて下さったもので,依頼して書いてもらったものは1本もない。
集めた原稿が100本をこえたことから,古川光弘氏は「2冊にしたい」と考えたらしい。bTを「国語・社会編」とし,bUを「算数・理科・他編」とに分け,きちんと整理してわたしのもとに送られてきた。
一読して感じたことは,「内容がいい」ということである。いいたいことがよくわかるし,このまま「板書」しても,子どもたちはよく理解するだけでなく,面白いから「発展させる」はずである。
国語の板書は,書きすぎる傾向がある。しかし,本書に例示されているものは,実にうまく精選されている。文章でいうならば,「主語+述語」で書かれていて,「形容詞」が少ない。ムダな飾りが少ない。
最近の板書に足りないものは,「ダイナミックさ」である。思いきった表現,子どもを引き付けて離さない板書が少ない。この点についても,本書に例示されているものは,ダイナミックである。強弱がある。大小がある。色がある。
面白いと思ったのは,国語の文章を,実にうまく「構造化」していることである。しかも,内容を精選した上での「構造化」だから,実にわかりやすい。
教科書の文だけをワープロで打って,それを拡大コピーにして授業に使った例など,感心するばかりである。文だけにすればB4,1枚くらいになるという。これを模造紙大に拡大して黒板のまん中に展示して,みんなで読んでいくのは効果的である。「黒板を見るな」といっても,見てしまう。
社会科では,資料の展示する場所,展示のし方を工夫した例や,考えざるを得ない内容を箇条書きにして板書した例,文字だけでなく絵や図を入れる工夫をして子どもを引き付けようとしている点など,すぐれた論文が多い。
福山憲市氏は,個人で「電子黒板」をもっているというので驚いてしまった。資料を使うときなど効果があるのをわたしも見てきた。子どものために,自分の費用で購入する教師がいるのに,「すごい教師もいるものだ」と感心した。わたしが,自分用のチョークを購入しているくらいのものではない。
「板書」というと,どうしても,「何を,どのように,どれだけ書くか」ということを考える。このことが大切なことはいうまでもない。しかし,本当は,「どのように消すか」を工夫することによって,子どもの思考を深化させ,発展させることができるのである。このことを実に多様に工夫した例が出ており,「圧巻」である。書き方と共に,「消し方」を是非工夫してほしい。これは教科に関係なしである。「消し方」を工夫することによって,内容の定着をはじめ,ノートの工夫にも発展し,何よりも,子どもたちの思考を発展させるキー・ポイントにもなることを考えてほしい。
とにかく,これまでにも増して充実した本になったことを,とてもうれしく思っている。古川氏の努力にも感謝したい。いつものことであるが,明治図書の江部満編集長の支援なしに本書の発刊はできないことを記し,心からお礼を申し上げたい。ありがとうございました。
2007年11月 /有田 和正
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